Angular フォームバリデーション エラー解説

2024-10-19

「Expected validator to return Promise or Observable」エラーの日本語解説

JavaScript、Angular、Angular5において、このエラーは通常、フォームバリデーションのコンテキストで発生します。バリデータ関数(validation function)が、PromiseオブジェクトまたはObservableオブジェクトを返さずに、単純なBoolean値を返していることを示しています。

具体的な問題

フォームバリデーションでは、入力フィールドの値が有効かどうかを非同期的にチェックしたいことがよくあります。例えば、サーバーに問い合わせてデータの妥当性を確認したり、複雑な計算を実行したりする場合です。これらの非同期操作を処理するために、PromiseまたはObservableが使用されます。

Promiseは、非同期操作の結果がいつ完了するかを示すオブジェクトです。Observableは、時間の経過とともに値を配信するシーケンスを表します。どちらのタイプも、非同期操作の進行状況を監視し、結果が得られたときに適切なアクションを実行することができます。

エラーの解決方法

このエラーを解決するには、バリデータ関数を以下のように修正します。

  1. Promiseを返す

    function myValidator(control: FormControl): Promise<ValidationErrors | null> {
      return new Promise((resolve) => {
        // 非同期操作の実行
        setTimeout(() => {
          if (control.value.length < 6) {
            resolve({ required: true });
          } else {
            resolve(null);
          }
        }, 1000);
      });
    }
    
  2. Observableを返す

    import { Observable, of } from 'rxjs';
    
    function myValidator(control: FormControl): Observable<ValidationErrors | null> {
      return of(control.value.length < 6 ? { required: true } : null);
    }
    

どちらの方法でも、バリデータ関数は非同期操作の結果を示すPromiseまたはObservableを返し、Angularのフォームバリデーションシステムが適切に処理できるようになります。

注意

  • Angularのフォームバリデーションシステムは、バリデータ関数がPromiseまたはObservableを返すことを期待しています。他のタイプの値を返すと、このエラーが発生します。
  • PromiseとObservableはどちらも非同期操作を扱うための強力なツールですが、それぞれの特性やユースケースが異なります。適切なタイプを選択して、コードの読みやすさと保守性を向上させましょう。



Angularのフォームバリデーションで「Expected validator to return Promise or Observable」エラーが発生する理由と、具体的なコード例を用いた解説

エラー発生の背景

Angularのフォームバリデーションでは、入力値の検証を非同期で行うことが多くあります。例えば、サーバーにデータを送信して検証したり、複雑な計算を行ったりする場合です。この非同期処理の結果を表現するために、PromiseやObservableが使われます。

「Expected validator to return Promise or Observable」 というエラーは、バリデーション関数がPromiseやObservableを返さずに、単純なBoolean値などを返している場合に発生します。Angularのフォームバリデーションシステムは、非同期な検証結果をPromiseやObservableで受け取ることを期待しているためです。

コード例と解説

import { FormControl, ValidationErrors } from '@angular/forms';

function asyncValidator(control: FormControl): Promise<ValidationErrors | null> {
  return new Promise((resolve) => {
    // 非同期処理のシミュレーション (実際の処理はもっと複雑になる)
    setTimeout(() => {
      if (control.value === 'forbidden') {
        resolve({ forbidden: true }); // 検証エラー
      } else {
        resolve(null); // 検証成功
      }
    }, 2000);
  });
}
  • setTimeout
    非同期処理をシミュレートするために、2秒後にresolveを呼び出すようにしています。
  • ValidationErrors
    検証エラーが発生した場合に、エラーオブジェクトを返します。
  • resolve関数
    非同期処理の結果が得られたときに、resolve()関数を使ってPromiseを解決します。
  • Promiseの生成
    new Promise()で新しいPromiseオブジェクトを作成します。
import { FormControl, ValidationErrors } from '@angular/forms';
import { Observable, of } from 'rxjs';

function asyncValidator(control: FormControl): Observable<ValidationErrors | null> {
  return of(control.value === 'forbidden' ? { forbidden: true } : null);
}
  • 即時実行
    of演算子は、引数で渡された値をすぐに発出し、Observableを完了させます。
  • of演算子
    Observableを生成する簡単な方法です。

コードの利用例

import { FormGroup, FormControl, Validators } from '@angular/forms';

const myForm = new FormGroup({
  username: new FormControl('', [Validators.required, asyncValidator])
});
  • asyncValidator
    非同期バリデーション関数
  • Validators.required
    必須入力のバリデーション
  • FormControl
    フォームの各コントロールを表すオブジェクト
  • FormGroup
    フォーム全体を表すオブジェクト

Angularのフォームバリデーションで非同期な検証を行う場合、バリデーション関数はPromiseまたはObservableを返す必要があります。これにより、Angularのフォームバリデーションシステムは、非同期処理の結果を適切に処理し、フォームの状態を更新することができます。

ポイント

  • 実際の開発では、より複雑な非同期処理や、複数のバリデーションを組み合わせるケースも考えられます。
  • Observableは、時間の経過とともに複数の値を配信するような、より柔軟な非同期処理を表すのに適しています。
  • Promiseは、一度だけ完了する非同期処理を表すのに適しています。
  • PromiseとObservableは、どちらも非同期処理を扱うための仕組みですが、使い方が異なります。



なぜPromiseやObservableが必要なのか?

Angularのフォームバリデーションでは、非同期な検証処理(サーバーサイドへのデータ送信、複雑な計算など)をサポートするために、PromiseやObservableが使用されます。これにより、入力値の検証結果をリアルタイムで反映し、よりユーザーフレンドリーなフォームを作成することができます。

代替方法の検討

しかし、必ずしもPromiseやObservableを使用しなければならないわけではありません。状況によっては、以下の代替方法も考えられます。

同期的なバリデーション:

  • 注意点
    非同期処理が必要なケースでは、この方法は使用できません。
  • パフォーマンス
    非同期処理のオーバーヘッドを避けることができ、パフォーマンスが向上する場合があります。
  • 単純な検証
    入力値の長さ、パターンマッチングなど、すぐに結果が得られる単純な検証であれば、PromiseやObservableを使わずに同期的に行うことができます。

カスタムバリデーションロジック:

  • 注意点
    カスタムバリデーション関数も、非同期処理が必要な場合はPromiseやObservableを返す必要があります。
  • 柔軟性
    複雑な検証条件に対応できます。
  • 独自のロジック
    Angularの組み込みバリデータでは対応できない、独自の検証ロジックを実装したい場合、カスタムバリデーション関数を作成できます。

RxJSのSubject:

  • 注意点
    SubjectはObservableよりも複雑な概念であり、誤った使い方をするとバグの原因となる可能性があります。
  • 複雑な処理
    複数の値を発行したり、イベントをトリガーしたりするような複雑な処理に適しています。
  • Observableの代替
    Subjectは、Observableの一種ですが、値を積極的に発行できます。

具体的なコード例

// 同期的なバリデーション
function synchronousValidator(control: FormControl): ValidationErrors | null {
  if (control.value.length < 6) {
    return { required: true };
  }
  return null;
}

// カスタムバリデーション関数
function customValidator(control: FormControl): ValidationErrors | null {
  // 独自の検証ロジックを実装
  return { customError: true };
}

// Subjectを利用したバリデーション
import { Subject } from 'rxjs';

const validationSubject = new Subject<ValidationErrors | null>();

function asyncValidator(control: FormControl) {
  // 非同期処理
  setTimeout(() => {
    if (control.value === 'forbidden') {
      validationSubject.next({ forbidden: true });
    } else {
      validationSubject.next(null);
    }
  }, 2000);
  return validationSubject.asObservable();
}

「Expected validator to return Promise or Observable」エラーは、Angularのフォームバリデーションにおいて、非同期処理を正しく扱っていないことが原因です。PromiseやObservableは、非同期処理の結果を表現する上で非常に強力なツールですが、必ずしもこれらを使用しなければならないわけではありません。

どの方法を選択するかは、検証の複雑さ、パフォーマンス、開発者のスキルなど、様々な要因によって異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、適切な方法を選択することが重要です。

  • RxJS
    RxJSは、リアクティブプログラミングのためのライブラリです。ObservableやSubjectなどの概念を理解することで、より高度なアプリケーションを開発することができます。
  • Angularのフォームバリデーション
    Angularのフォームバリデーションは、Reactive FormsとTemplate-driven Formsの2つのアプローチがあります。

javascript angular angular5



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