HTML5で<a>要素内に<button>要素をネストできる? アクセシビリティやセマンティックを踏まえた解説
HTML5 で <a> 要素内に <button> 要素をネストできるのか?
アクセシビリティ
<a>
要素は、通常、ハイパーリンクを作成するために使用されます。一方、<button>
要素は、ユーザーがアクションを実行できるボタンを作成するために使用されます。
<button>
要素を <a>
要素内にネストする場合、スクリーンリーダーなどの補助技術が、ユーザーがボタンを正しく認識できるように適切にマークアップされていることを確認する必要があります。
これを実現するには、以下の属性を使用できます。
- aria-label: ボタンのラベルを指定します。
- role: ボタンの役割を指定します。この場合、
"button"
を設定します。 - tabindex: ボタンがフォーカス可能であることを示します。
例
<a href="#" aria-label="送信" role="button" tabindex="0">
<button type="submit">送信</button>
</a>
セマンティック
<a>
要素は、通常、別のページへのリンクを作成するために使用されます。<button>
要素を <a>
要素内にネストする場合、ユーザーは、クリックすると別のページに移動するのか、それともアクションを実行するのかを混同する可能性があります。
そのため、<button>
要素を <a>
要素ではなく <form>
要素内にネストすることを推奨**します。
<form action="/submit" method="post">
<button type="submit">送信</button>
</form>
その他の注意点
<button>
要素を<a>
要素内にネストする場合、<button>
要素のデフォルトスタイルが<a>
要素のスタイルに上書きされる可能性があります。- JavaScript を使用して、
<a>
要素のデフォルト動作(ページ遷移)を無効にする必要があります。
HTML5 では、<a>
要素内に <button>
要素をネストすることは可能ですが、アクセシビリティ、セマンティック、その他の注意点を考慮する必要があります。
HTML5 で <a> 要素内に <button> 要素をネストするサンプルコード
単純なボタン
この例では、<a>
要素内に <button>
要素をネストし、ボタンをクリックすると JavaScript アラートが表示されます。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>単純なボタン</title>
</head>
<body>
<a href="#" onclick="alert('ボタンがクリックされました')">
<button>ボタン</button>
</a>
</body>
</html>
フォーム送信ボタン
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>フォーム送信ボタン</title>
</head>
<body>
<form action="/submit" method="post">
<a href="#">
<button type="submit">送信</button>
</a>
</form>
</body>
</html>
アクセシビリティを考慮したボタン
この例では、<a>
要素内に <button>
要素をネストし、aria-label 属性と role 属性を使用して、スクリーンリーダーなどの補助技術がボタンを正しく認識できるようにしています。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>アクセシビリティを考慮したボタン</title>
</head>
<body>
<a href="#" aria-label="送信" role="button" tabindex="0">
<button type="submit">送信</button>
</a>
</body>
</html>
補足
- 上記の例はあくまでも基本的な例であり、状況に合わせて自由にカスタマイズすることができます。
- アクセシビリティを考慮した Web サイトを作成するには、WCAG 2.1 などのガイドラインを参照することをお勧めします。
HTML5 で <a> 要素内に <button> 要素をネストするその他の方法
JavaScript フレームワークを使用する
React や Vue.js などの JavaScript フレームワークを使用すると、<a>
要素と <button>
要素をより柔軟に組み合わせることができます。
これらのフレームワークでは、仮想 DOM を使用して、HTML 要素を動的に作成および更新することができます。そのため、<a>
要素のデフォルト動作を無効化したり、 <button>
要素の状態に応じて <a>
要素のスタイルを変更したりすることが容易になります。
React
import React, { useState } from 'react';
const ButtonLink = () => {
const [isClicked, setIsClicked] = useState(false);
const handleClick = () => {
setIsClicked(true);
};
return (
<a href="#" onClick={handleClick}>
<button>ボタン</button>
</a>
);
};
export default ButtonLink;
Vue.js
<template>
<a href="#" @click="handleClick">
<button>ボタン</button>
</a>
</template>
<script>
export default {
data() {
return {
isClicked: false,
};
},
methods: {
handleClick() {
this.isClicked = true;
},
},
};
</script>
CSS を使用する
CSS を使用して、<a>
要素と <button>
要素のスタイルをカスタマイズすることで、 <a>
要素内に <button>
要素をネストしたように見せることもできます。
a {
display: inline-block;
text-decoration: none;
cursor: pointer;
}
a button {
background-color: transparent;
border: none;
padding: 0;
cursor: pointer;
}
SVG を使用する
SVG を使用して、<a>
要素と <button>
要素をより柔軟に組み合わせることができます。
SVG では、 <path>
要素などのベクターグラフィックを使用して、ボタンのような形状を作成することができます。また、JavaScript を使用して、これらの形状にクリックイベントをアタッチすることができます。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>SVG ボタン</title>
</head>
<body>
<a href="#" onclick="alert('ボタンがクリックされました')">
<svg width="100" height="40">
<path d="M 0 0 L 100 0 L 100 40 L 0 40 Z" fill="#007bff" />
<text x="50" y="25" fill="#fff" text-anchor="middle">ボタン</text>
</svg>
</a>
</body>
</html>
HTML5 で <a>
要素内に <button>
要素をネストする方法は複数あります。
アクセシビリティ、セマンティック、その他の注意点を考慮した上で、適切な方法を選択してください。
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