初回レンダリング時のuseEffect制御

ReactのuseEffectフックを初回レンダリング時に実行しない方法 (日本語)

方法
useEffectフックの第2引数に空の配列を指定することで、初回レンダリング時の実行を回避することができます。

import { useEffect } from 'react';

function MyComponent() {
  useEffect(() => {
    // 初回レンダリング時には実行されません
    console.log('Effect runs on subsequent updates');
  }, []);

  return (
    <div>
      {/* コンポーネントのレンダリング内容 */}
    </div>
  );
}

解説

• 特定のロジックの実行タイミング
  必要なタイミングで効果を実行することで、アプリケーションの挙動を制御できます。
• パフォーマンス最適化
  初回レンダリング時に不要な効果を実行することで、アプリケーションの初期読み込み速度を向上させることができます。
• 空の配列
  第2引数の空の配列は、useEffectフックが依存する値を指定します。この配列が空の場合、効果は初回レンダリング時ではなく、その後の更新時にのみ実行されます。

例

• サブスクリプションの管理
  初回レンダリング時にはサブスクリプションを登録せず、コンポーネントがアンマウントされる際に解除することでメモリリークを防ぐことができます。
• API呼び出し
  初回レンダリング時にはAPI呼び出しを遅延させ、ユーザー体験を向上させることができます。

注意

• 副作用の処理
  useEffectフックは副作用を扱うため、適切なエラー処理やクリーンアップ処理を実装する必要があります。
• 依存関係の管理
  依存関係を適切に管理することで、効果が意図したタイミングで実行されることを保証します。

空の依存配列を用いた方法

import { useEffect, useState } from 'react';

function MyComponent() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  useEffect(() => {
    console.l   og('カウントが変更されたときのみ実行されます');
  }, [count]);

  return (
    <div>
      <p>現在のカウント: {count}</p>
      <button onClick={() => setCount(count + 1)}>カウントアップ</button>
    </div>
  );
}

• 以降のレンダリング
  setCountでcountの状態を変更すると、useEffectがトリガーされ、console.logが出力されます。
• 初回レンダリング
  コンポーネントが初めてレンダリングされるとき、countの状態はまだ初期値の0なので、useEffectは実行されません。
• useEffectの第2引数
  [count]という空でない配列を指定しています。これは、countの状態が変更されたときにのみ、useEffect内のコードが実行されることを意味します。

useRefを用いた方法

import { useEffect, useState, useRef } from 'react';

function MyComponent() {
  const [count, setCount] = useState(0);
  const isFirstRender = useRef(true);

  useEffect(() => {
    if (isFirstRender.current) {
      isFirstRender.current = false;
      return;
    }
    console   .log('2回目以降のレンダリングで実行されます');
  }, []);

  return (
    // ...
  );
}

• useEffect
  
  • 初回レンダリング時: isFirstRender.currentはtrueなので、returnとなり、useEffect内の残りのコードは実行されません。
  • 2回目以降のレンダリング時: isFirstRender.currentはfalseになり、console.logが出力されます。
• useRef
  isFirstRenderというrefを作成し、初回レンダリングかどうかを保持します。

カスタムフックを用いた方法

import { useEffect, useState, useRef } from 'react';

function useUpdateEffect(effect, dependencies) {
  const isInitialMount = useRef(true);
  useEffect(() => {
    if (isInitialMount.current) {
      isInitialMount.current = false;
    } else {
      return effect();
    }
  }, dependenc   ies);
}

function MyComponent() {
  // ...
  useUpdateEffect(() => {
    console.log('2回目以降のレンダリングで実行されます');
  }, []);
  // ...
}

• MyComponent
  useUpdateEffectを呼び出すことで、useEffectと同様に効果を実行できます。
• useUpdateEffect
  初回レンダリング時のみ実行をスキップするカスタムフックを作成します。

• カスタムフック
  再利用可能なロジックとして定義でき、コードの可読性を向上させます。
• useRef
  初回レンダリングかどうかを明示的に管理できます。
• 空の依存配列
  シンプルで一般的な方法ですが、依存する状態が増えると配列が長くなる可能性があります。

どの方法を選ぶか

• より複雑な制御が必要な場合は、useRefやカスタムフックが適しています。
• シンプルなロジックで、依存状態が少ない場合は、空の依存配列がおすすめです。

• 依存配列を正しく指定しないと、意図しないタイミングで効果が実行される可能性があります。
• 初回レンダリング時に実行したい処理がある場合は、useEffectの第2引数を省略するか、別の場所にその処理を記述する必要があります。

• useCallbackは、高頻度に呼び出されるコールバック関数をメモ化し、パフォーマンスを向上させることができます。
• useLayoutEffectは、DOMのレイアウトが確定した後に効果を実行したい場合に使用します。

フラグ変数を利用する方法

import { useState, useEffect } from 'react';

function MyComponent() {
  const [count, setCount] = useState(0);
  const [isInitialRender, setIsInitialRender] = useState(true);

  useEffect(() => {
    if (isInitialRender) {
      setIsInitialRender(false);
      return;
    }
    // ...
  }, [count]);

  // ...
}

• デメリット
  余分な状態変数を管理する必要があり、コードが少し冗長になる可能性があります。
• メリット
  useRefと似たような考え方ですが、useStateで管理することで状態の変化を視覚化できます。

useLayoutEffectを組み合わせる方法

import { useState, useEffect, useLayoutEffect } from 'react';

function MyComponent() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  useLayoutEffect(() => {
    // 初回レンダリング時のDOM操作など
  }, []);

  useEffect(() => {
    // 2回目以降のレンダリング時の処理
  }, [count]);

  // ...
}

• デメリット
  useLayoutEffectはuseEffectよりも優先して実行されるため、誤った使い方をするとパフォーマンスに影響を与える可能性があります。
• メリット
  初回レンダリング時のDOM操作を確実に実行できます。

外部ライブラリを利用する方法

• zustand
  グローバルな状態管理ライブラリで、useEffectの代わりにzustandのセレクターやエフェクトを使用することで、より柔軟な状態管理を実現できます。
• React Query
  データフェッチングに関する多くの機能を提供しており、初回レンダリング時の処理を制御する機能も備えています。

• 状態の変化を視覚化したい場合
  フラグ変数
• データフェッチングや状態管理を複雑にしたい場合
  外部ライブラリ
• 初回レンダリング時のDOM操作が重要な場合
  useLayoutEffect
• シンプルで、依存状態が少ない場合
  空の依存配列

選ぶ際のポイント

• メンテナンス性
  将来的にコードを変更しやすい構造になっているか
• パフォーマンス
  不要なレンダリングが発生していないか
• コードの可読性
  他の開発者が理解しやすいコードであるか

初回レンダリング時のuseEffectの制御には様々な方法があります。プロジェクトの規模や複雑さ、チームの慣習などを考慮して、最適な方法を選択することが重要です。

• useMemo
  高コストな計算結果をメモ化し、再レンダリング時の計算を避けることができます。

これらのフックを組み合わせることで、より複雑なロジックを実現することができます。