Jest モック関数の複数回呼び出し

2024-10-27

Jest は JavaScript のテストフレームワークで、モッキング機能を使って関数やモジュールを置き換えることができます。これにより、テスト対象のコードを独立してテストすることができるようになります。

同じ関数を異なる引数で複数回モックするには、mockReturnValueOnce() メソッドを使用します。このメソッドは、関数が呼び出されるたびに異なる値を返すように設定できます。

// myFunction.js
export function myFunction(arg) {
  // ...
}

// myFunction.test.js
import * as myModule from './myFunction';

jest.mock('./myFunction');

test('myFunction is called with different arguments', () => {
  myModule.myFunction.mockReturnValueOnce('first result');
  myModule.myFunction.mockReturnValueOnce('second result');

  const result1 = myModule.myFunction('arg1');
  const result2 = myModule.myFunction('arg2');

  expect(result1).toBe('first result');
  expect(result2).toBe('second result');
});

解説

  1. モック関数の作成
    jest.mock('./myFunction')myFunction をモック関数に置き換えます。
  2. 異なる戻り値の設定
    mockReturnValueOnce() を複数回呼び出すことで、関数が呼び出されるたびに異なる値を返すように設定します。
  3. 関数呼び出し
    myModule.myFunction('arg1')myModule.myFunction('arg2') で関数を呼び出します。
  4. 戻り値の確認
    expect を使って、それぞれの呼び出しに対する戻り値が期待通りであることを確認します。
  • mockImplementation() を使うと、関数の挙動を完全にカスタマイズすることができます。
  • mockReturnValue() を使うと、すべての呼び出しに対して同じ値を返すように設定できます。
  • mockReturnValueOnce() は、指定された回数だけ異なる値を返すように設定できます。それ以降の呼び出しでは、最後に設定された値が返されます。



Jestで同じ関数を異なる引数で複数回モックする:詳細解説とコード例

コードの解説

// myFunction.js
export function myFunction(arg) {
  // ...
}

// myFunction.test.js
import * as myModule from './myFunction';

jest.mock('./myFunction');

test('myFunction is called with different arguments', () => {
  myModule.myFunction.mockReturnValueOnce('first result');
  myModule.myFunction.mockReturnValueOnce('second result');

  const result1 = myModule.myFunction('arg1');
  const result2 = myModule.myFunction('arg2');

  expect(result1).toBe('first result');
  expect(result2).toBe('second result');
});

各行の解説

  1. export function myFunction(arg) { ... }

    • myFunction.js ファイル内で、モック対象となる myFunction 関数を定義しています。
    • この関数は、引数 arg を受け取り、何らかの処理を行うものと想定します。
  2. import * as myModule from './myFunction';

    • myFunction.test.js ファイル内で、myFunction.js ファイルからすべてのエクスポートをインポートしています。
    • myModule という名前で、モック対象の関数を扱うためのオブジェクトを作成しています。
  3. jest.mock('./myFunction');

    • Jest の jest.mock を使用して、myFunction 関数をモック関数に置き換えます。
    • これにより、実際の myFunction の実装ではなく、モック関数に対してテストを実行することができます。
  4. myModule.myFunction.mockReturnValueOnce('first result');

    • モック関数 myFunction の最初の呼び出しに対して、'first result' という値を返すように設定します。
    • mockReturnValueOnce は、一度だけ戻り値を設定するメソッドです。
    • モック関数の2回目の呼び出しに対して、'second result' という値を返すように設定します。
    • 2回目の呼び出し以降は、最後に設定された戻り値が返されます。
  5. const result1 = myModule.myFunction('arg1');

    • モック関数を 'arg1' という引数で呼び出し、その戻り値を result1 に代入します。
  6. expect(result1).toBe('first result');

    • result1 の値が 'first result' と等しいことをアサートします。

重要なポイント

  • テストケース
    異なる引数で関数を呼び出した際に、期待通りの戻り値が返されることを確認するテストケースとなっています。
  • モック関数の呼び出し順
    mockReturnValueOnce で設定した順に、戻り値が返されます。
  • mockReturnValueOnce
    関数の呼び出しごとに異なる戻り値を設定する際に使用します。

このコード例では、Jest のモック機能を使って、同じ関数を異なる引数で複数回呼び出し、それぞれ異なる戻り値を返すように設定する方法を示しています。これにより、複雑な関数の挙動をテストする際に、より柔軟なテストケースを作成することができます。

Jest モック関数の複数回呼び出し

Jest のモック関数では、mockReturnValueOnce の他にも、以下のようなメソッドを使用して、関数の呼び出し回数を追跡したり、呼び出された際の引数を検証したりすることができます。

  • toHaveBeenNthCalledWith(nthCall, ...args)
    関数の nthCall 回目の呼び出しが指定された引数で行われたかどうかをアサートします。
  • toHaveBeenCalledWith(...args)
    関数が指定された引数で呼び出されたかどうかをアサートします。

これらのメソッドを組み合わせることで、より詳細なモック関数のテストを行うことができます。


myFunction.mock.toHaveBeenCalledTimes(2); // 関数が2回呼び出されたことを確認
myFunction.mock.toHaveBeenNthCalledWith(1, 'arg1'); // 1回目の呼び出しが'arg1'で呼ばれたことを確認

さらに詳しく知りたい方へ




mockImplementationOnce() を利用した柔軟なモック

mockReturnValueOnce() は、関数の戻り値を一度だけ設定するのに対し、mockImplementationOnce() は、関数の内部の実行自体を一度だけカスタマイズできます。

jest.mock('./myFunction');

test('myFunction is called with different arguments', () => {
  let callCount = 0;
  myModule.myFunction.mockImplementationOnce(() => {
    callCount++;
    return callCount === 1 ? 'first result' : 'second result';
  });

  const result1 = myModule.myFunction('arg1');
  const result2 = myModule.myFunction('arg2');

  expect(result1).toBe('first result');
  expect(result2).toBe('second result');
});

この方法では、呼び出し回数によって異なる処理を実行できるため、より複雑なモックシナリオに対応できます。

jest.fn() でカスタムモックを作成

jest.fn() を使用して、完全にカスタムなモック関数を作成することも可能です。

jest.mock('./myFunction');

test('myFunction is called with different arguments', () => {
  const mockFn = jest.fn();
  mockFn.mockReturnValueOnce('first result');
  mockFn.mockReturnValueOnce('second result');
  myModule.myFunction = mockFn;

  const result1 = myModule.myFunction('arg1');
  const result2 = myModule.myFunction('arg2');

  expect(result1).toBe('first result');
  expect(result2).toBe('second result');
});

この方法では、モック関数の挙動を細かく制御できますが、コードが冗長になる可能性があります。

テストケースを分割する

複数のテストケースに分けることで、各テストケースで異なるモック設定を行うことができます。

test('myFunction is called with arg1', () => {
  myModule.myFunction.mockReturnValueOnce('first result');
  const result = myModule.myFunction('arg1');
  expect(result).toBe('first result');
});

test('myFunction is called with arg2', () => {
  myModule.myFunction.mockReturnValueOnce('second result');
  const result = myModule.myFunction('arg2');
  expect(result).toBe('second result');
});

この方法は、テストケースがシンプルになり、読みやすくなるというメリットがあります。

spyOn を使用して既存の関数を監視する

spyOn を使用すると、既存の関数を監視し、呼び出された回数や引数などを確認できます。

import { myFunction } from './myFunction';

jest.spyOn(myModule, 'myFunction');

// ... テストケース ...

expect(myFunction).toHaveBeenCalledTimes(2);
expect(myFunction).toHaveBeenNthCalledWith(1, 'arg1');
expect(myFunction).toHaveBeenNthCalledWith(2, 'arg2');

この方法は、モック関数ではなく、実際の関数の挙動を確認したい場合に便利です。

Jest で同じ関数を異なる引数で複数回モックする方法は、様々なものが存在します。どの方法を選ぶかは、テストケースの複雑さや、モック関数の制御の必要性によって異なります。

どの方法を選ぶべきか

  • 既存の関数の監視
    spyOn を使用
  • 完全なカスタムモック
    jest.fn() を使用
  • 柔軟なモックシナリオ
    mockImplementationOnce() を使用
  • シンプルで分かりやすいテストケース
    mockReturnValueOnce() を使用

選択のポイント

  • コードの可読性
  • モック関数の複雑さ
  • テストの目的

これらの要素を考慮して、最適な方法を選択してください。


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