AngularグローバルSCSS変数共有設定

2024-10-28

AngularプロジェクトでグローバルなSCSS変数を定義し、各コンポーネントで個別にインポートすることなく利用する方法について説明します。

手順

  1. グローバル変数ファイルの作成

    • src/styles ディレクトリ内に _variables.scss というファイルを作成します。
    • このファイルにグローバルに使用したい変数を定義します。
    // _variables.scss
    $primary-color: #336699;
    $secondary-color: #ff6600;
    
  2. Angular CLIの設定

    • angular.json ファイルを開き、styles 配列にグローバル変数ファイルのパスを追加します。
    "styles": [
      "src/styles.scss",
      "src/styles/_variables.scss"
    ]
    
  3. コンポーネントでの使用

    • 各コンポーネントのSCSSファイルで、直接変数名を使用してアクセスできます。インポートは不要です。
    // component.scss
    .my-component {
      color: $primary-color;
      background-color: $secondary-color;
    }
    

なぜこの方法が便利か

  • 一貫性のあるデザイン
    グローバル変数を使用することで、プロジェクト全体で統一されたデザインを保つことができます。
  • メンテナンスの容易さ
    グローバル変数を一箇所で管理することで、テーマやスタイルの変更が容易になります。
  • コードの重複を減らす
    グローバル変数を各コンポーネントでインポートする必要がなくなります。
  • より複雑なテーマ管理やスタイルのカスタマイズが必要な場合は、CSS変数やテーマモジュールなどの手法も検討できます。
  • グローバル変数ファイルは、通常、プロジェクトのテーマやスタイルガイドを定義するために使用されます。



グローバルSCSS変数の定義

まず、グローバルなSCSS変数を定義するファイルを作成します。通常、src/styles ディレクトリ内に _variables.scss という名前で作成します。

// _variables.scss
$primary-color: #336699;
$secondary-color: #ff6600;
$font-family: Arial, sans-serif;

次に、Angular CLIの設定ファイル angular.json を編集して、グローバル変数ファイルを読み込むようにします。

"styles": [
  "src/styles.scss",
  "src/styles/_variables.scss"
]
// component.scss
.my-component {
  color: $primary-color;
  background-color: $secondary-color;
  font-family: $font-family;
}

例:Angular Materialのテーマのカスタマイズ

Angular Materialのテーマをカスタマイズする場合も、グローバルSCSS変数を利用できます。

テーマファイルの作成

// _theme.scss
@import '~@angular/material/theming';

// Custom theme
$app-primary: mat-palette($mat-indigo);
$app-accent: mat-palette($mat-pink);

@include mat-core();

$theme: mat-light-theme((
  color: (
    primary: $app-primary,
    accent: $app-accent,
  )
));

@include angular-material-theme($theme);

グローバル変数ファイルの更新

グローバル変数ファイルに、テーマのカスタマイズに必要な変数を追加します。

// _variables.scss
// ... other variables
$mat-primary: mat-palette($mat-indigo);
$mat-accent: mat-palette($mat-pink);

コンポーネントのSCSSファイルで、テーマ変数を使用してスタイルを適用します。

// component.scss
.my-component {
  color: mat-color($mat-primary);
  background-color: mat-color($mat-accent);
}
  • グローバル変数の命名規則を統一することで、コードの可読性を向上させることができます。



AngularプロジェクトでグローバルSCSS変数を共有する方法は、先述の方法以外にもいくつかあります。以下に、その代替手法をいくつか紹介します。

CSS変数(カスタムプロパティ)

CSS変数を使用することで、グローバルなスタイルを定義し、コンポーネント内で直接参照することができます。

グローバルスタイルファイル(global.scss)

:root {
  --primary-color: #336699;
  --secondary-color: #ff6600;
}

コンポーネントのSCSSファイル

.my-component {
  color: var(--primary-color);
  background-color: var(--secondary-color);
}

テーマモジュール

Angular Materialのテーマモジュールのように、カスタムテーマモジュールを作成することで、グローバルなテーマ設定を管理することができます。

@NgModule({
  imports: [
    MatCardModule,
    MatToolbarModule,
    // ... other modules
  ],
  exports: [
    MatCardModule,
    MatToolbarModule,
    // ... other modules
  ],
  providers: [
    { provide: MAT_THEME, useValue: { primary: 'primary', accent: 'accent' } }
  ]
})
export class MyThemeModule {}
@use '@angular/material' as mat;

.my-component {
  color: mat.color($mat-primary);
  background-color: mat.color($mat-accent);
}

SCSS Mixin

SCSS Mixinを使用して、共通のスタイルを定義し、コンポーネント内で再利用することができます。

@mixin primary-color {
  color: $primary-color;
}

@mixin secondary-background {
  background-color: $secondary-color;
}
.my-component {
  @include primary-color;
  @include secondary-background;
}

選択する手法のポイント

  • スタイルの再利用
    SCSS Mixinは、共通のスタイルを再利用するのに便利です。
  • テーマ管理
    テーマモジュールは、Angular Materialのテーマシステムと同様に、テーマのカスタマイズを効率的に行うことができます。
  • シンプルさ
    CSS変数はシンプルで使いやすいですが、複雑なテーマのカスタマイズには適さない場合があります。

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