TypeScript エラー TS1323 解決
エラーメッセージの意味
"TS1323: Dynamic import is only supported when '--module' flag is 'commonjs' or 'esNext'" というエラーは、Angular 8 で遅延読み込みモジュールを使用する際に、TypeScript コンパイラが動的インポートをサポートしていないことを示しています。動的インポートは、コードの実行時にモジュールを動的に読み込むための機能です。
原因
このエラーは、通常、TypeScript コンパイラの設定である tsconfig.json
ファイルの module
オプションが適切に設定されていないことが原因です。Angular 8 では、遅延読み込みモジュールを使用するために、module
オプションを commonjs
または esNext
に設定する必要があります。
解決方法
-
プロジェクトの再ビルド
- ターミナルまたはコマンドプロンプトでプロジェクトのルートディレクトリに移動します。
ng build
コマンドを実行してプロジェクトを再ビルドします。
遅延読み込みモジュールの利点
遅延読み込みモジュールを使用することで、アプリケーションの初期読み込み時間を短縮することができます。初期状態で必要でないモジュールは、ユーザーがその機能を使用しようとしたときにのみ読み込まれるため、パフォーマンスが向上します。
注意
- 遅延読み込みモジュールを使用する際には、適切なルーティング設定も必要です。
esNext
はより新しい JavaScript のモジュールシステムであり、将来的な互換性を考慮すると、一般的にはesNext
を選択することが推奨されます。commonjs
とesNext
のどちらを選択するかは、プロジェクトの要件や好みによって異なります。
具体的なコード例
// app-routing.module.ts
const routes: Routes = [
{
path: 'lazy-module',
loadChildren: () => import('./lazy-module/lazy-module.module').then(m => m.LazyModule)
}
];
この例では、lazy-module
というパスにアクセスしたときにのみ、lazy-module.module
が動的に読み込まれます。
ルーティングの設定 (app-routing.module.ts)
import { Routes, RouterModule } from '@angular/router';
const routes: Routes = [
{
path: 'lazy-feature',
loadChildren: () => import('./lazy-feature/lazy-feature.module').then(m => m.LazyFeatureMo dule)
}
];
@NgModule({
imports: [RouterModule.forRoot(routes)],
exports: [RouterModule]
})
export class AppRoutingModu le { }
遅延読み込みモジュールの定義 (lazy-feature.module.ts)
import { NgModule } from '@angular/core';
import { CommonModule } from '@angular/common';
import { LazyFeatureRoutingModule } from './lazy-feature-routing.module';
im port { LazyFeatureComponent } from './lazy-feature.component';
@NgModule({
declarations: [LazyFeatureComponent],
imports: [
CommonModule,
LazyFeatureRoutingModule
]
})
export class LazyFeatureModule { }
このコードでは、LazyFeatureModule
が定義されており、LazyFeatureComponent
を含んでいます。
- オンデマンドの読み込み
ユーザーが必要な機能を使用するときにのみモジュールが読み込まれるため、リソースの無駄遣いを防ぎます。 - コードのモジュール化
コードをより小さなモジュールに分割することで、保守性が向上します。 - パフォーマンスの向上
初期読み込み時間が短縮され、ユーザー体験が改善されます。
もし、プロジェクトの設定を変更したくない場合や、他の制約がある場合は、以下の代替アプローチを検討することができます。
Dynamic Importの使用 (TypeScript 3.8 以降)
TypeScript 3.8 以降では、動的インポートがより柔軟にサポートされるようになりました。ただし、コンパイラオプションを適切に設定する必要があります。
import { loadChildren } from '@angular/router';
const routes: Routes = [
{
path: 'lazy-feature',
loadChildren: () => import('./lazy-feature/lazy-feature.module').then(m => m.LazyFeatureMo dule)
}
];
NgModuleFactoryLoaderの使用
NgModuleFactoryLoader
を使用することで、モジュールを動的にロードすることができます。ただし、このアプローチはより複雑であり、一般的には推奨されません。
import { NgModuleFactoryLoader } from '@angular/core';
@NgModule({
// ...
})
export class AppModule {
constructor(private moduleLoader: NgModuleFactoryLoader) {
// ...
}
// ...
}
注意
- Angular CLI のバージョン
Angular CLI のバージョンが適切であることを確認してください。 - コンパイラオプション
tsconfig.json
ファイルのmodule
オプションを適切に設定してください。 - TypeScript のバージョン
TypeScript 3.8 以降を使用していることを確認してください。
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