Array.prototype.slice.call の解説
このコードは何をするのか?
- このコードは、そのようなオブジェクトの一部を切り出し、新しい配列として返します。
Array.prototype.slice.call
は、配列っぽく振る舞うオブジェクト (本来は配列ではない) を、本物の配列に変換するために使われます。- 例えば、DOM (ウェブページの要素) のコレクションは配列のように扱えますが、実際は配列ではありません。
各部分の役割
.call
: このメソッドは、本来別のオブジェクトに属するメソッドを、別のオブジェクトに対して呼び出すようにします。- つまり、
.call
を使ってslice
メソッドを、配列ではないオブジェクトに対して実行可能にします。
- つまり、
Array.prototype.slice
: この部分は、本来の配列に対して部分抽出を行うメソッドです。- 開始位置と終了位置を指定して、その間の要素を新しい配列として返します (終了位置は含まれません)。
- 元の配列は変更されません。
Array.prototype.slice.call
は、本来配列ではないオブジェクトをあたかも配列のように扱い、その一部を切り出すためのテクニックです。
ポイント
- このテクニックは、古いブラウザや、配列以外のオブジェクトを扱う場合に役立ちます。
- 最近の Javascript では、より新しいメソッド (例えば
Array.from
など) が使える場合があるので、そちらが推奨されることもあります。
- 最近の Javascript では、より新しいメソッド (例えば
slice
は、元のオブジェクトを変更しません。新しい配列を返します。
Array.prototype.slice.call
は、このようなオブジェクトをあたかも配列のように扱い、.slice()
メソッドを利用するためのテクニックです。.call()
メソッドは、本来別のオブジェクトに属するメソッドを、別のオブジェクトに対して呼び出すようにします。
- 通常の配列に対しては、
.slice()
メソッドを使って部分抽出ができます。- しかし、配列っぽく振る舞うオブジェクト (DOM要素のコレクションなど) には直接使えません。
const numbers = [1, 2, 3, 4, 5];
const slicedNumbers = numbers.slice(1, 3); // [2, 3]
console.log(slicedNumbers); // [2, 3] (元の配列は変更されない)
解説
- ここで重要なのは、
.slice()
メソッドが直接numbers
に対して呼ばれている点です。 - 抽出した部分は、新しい配列
slicedNumbers
に格納されます。 numbers.slice(1, 3)
で、インデックス 1 から 3 (除外) までを部分抽出します。numbers
は通常の配列です。
const elements = document.querySelectorAll('li'); // DOM要素のコレクションを取得
// 通常の slice は使えない (エラーが発生)
// const slicedElements = elements.slice(1, 3);
const slicedElements = Array.prototype.slice.call(elements, 1, 3);
console.log(slicedElements); // NodeList (先頭の 3 つの li 要素)
- 部分抽出された要素は、
slicedElements
に格納されます。- こちらも配列ではなく、
NodeList
というオブジェクトですが、先頭の 3 つのli
要素を順番にアクセスできます。
- こちらも配列ではなく、
Array.prototype.slice.call(elements, 1, 3)
では、.call()
メソッドを使って、.slice()
をelements
に対して呼び出します。- まるで
elements
が配列であるかのように扱われます。
- この
elements
は配列ではありませんが、配列のように要素を扱えます (ただし、.slice()
メソッドは使えません)。 document.querySelectorAll('li')
で、リスト要素 (li
) のコレクションを取得します。
Array.prototype.slice.call
は、古いブラウザや、配列以外のオブジェクトを扱う場合に役立ちます。
Array.prototype.slice.call
の代替メソッド (Javascript)
Array.prototype.slice.call
は便利なテクニックですが、最近の Javascript ではより洗練された方法が推奨されます。ここでは、代替となるメソッドを見てみましょう。
Array.from()
- 引数として、変換したいオブジェクトと、オプションでマップ関数 (変換処理) を指定できます。
Array.from()
メソッドは、配列じゃないオブジェクトを、新しい配列に変換できます。
const elements = document.querySelectorAll('li'); // DOM要素のコレクションを取得
const slicedElements = Array.from(elements); // 全要素を配列に変換
const firstThreeElements = Array.from(elements, (element, index) => index < 3); // 最初の 3 つだけ抽出・変換
console.log(slicedElements); // 配列として扱える (li 要素の配列)
console.log(firstThreeElements); // 最初の 3 つの li 要素の配列
Array.from(elements, mapFunction)
では、変換処理 (mapFunction) を使って、各要素を変換しながら配列化できます。Array.from(elements)
で、elements
を新しい配列に変換します。
spread syntax (スプレッド構文)
- spread syntax (...) は、イテラブルオブジェクト (配列っぽいオブジェクト) を展開して、配列として扱えます。
const elements = document.querySelectorAll('li'); // DOM要素のコレクションを取得
const slicedElements = [...elements].slice(1, 3); // 展開してから slice
console.log(slicedElements); // 配列として扱える (2 番目と 3 番目の li 要素)
- その後、通常の
.slice()
メソッドを使って部分抽出できます。 [...elements]
で、elements
を展開して、配列のように扱えるようにします。
javascript arrays