TypeScript: "Duplicate identifier 'IteratorResult'" エラーの原因

2024-07-27

TypeScript: Duplicate identifier 'IteratorResult' エラーの分かりやすい解説

TypeScript で "TypeScript: Duplicate identifier 'IteratorResult'" エラーが発生すると、コードのコンパイルが失敗します。これは、2 つの異なるソースで同じ名前の IteratorResult インターフェースが宣言されているためです。

原因

このエラーは、主に以下の2つの原因で発生します。

  1. Node.js の型定義と ES2015 標準ライブラリの型定義の重複

    • Node.js の型定義ファイル (@types/node) には、IteratorResult インターフェースが定義されています。
    • ES2015 標準ライブラリの型定義ファイル (lib.es2015.iterable.d.ts) にも、同じ名前の IteratorResult インターフェースが定義されています。
  2. サードパーティライブラリの型定義

解決策

以下の方法でエラーを解決できます。

skipLibCheck オプションを使用する

  • これは一時的な解決策であり、根本的な原因を解決していないことに注意が必要です。
  • tsconfig.json ファイルに skipLibCheck: true オプションを追加することで、型定義ファイルのチェックをスキップできます。

型定義ファイルを編集する

  • これは自己責任で行う必要があり、型定義ファイルの更新によって他の問題が発生する可能性があります。
  • Node.js の型定義ファイル (@types/node) または ES2015 標準ライブラリの型定義ファイル (lib.es2015.iterable.d.ts) のうち、一方の IteratorResult インターフェースの定義をコメントアウトすることで、重複を解消できます。

サードパーティライブラリの型定義を更新する

  • ライブラリの作者に連絡して、型定義の更新を依頼することもできます。
  • 使用しているサードパーティライブラリの型定義に IteratorResult と同じ名前の型が定義されている場合は、その型定義を更新して名前を変更する必要があります。

型エイリアスを使用する

  • IteratorResult インターフェースに型エイリアスを定義することで、名前の衝突を回避できます。
type MyIteratorResult<T> = IteratorResult<T>;
  • この方法を使用すると、コード内で MyIteratorResult という名前を使用できます。

予防策

以下の方法で、このエラーが発生するのを防ぐことができます。

  • コードを書く前に、tsc --strict オプションを使用して、厳格な型チェックを行う。
  • 使用しているサードパーティライブラリの型定義が最新であることを確認する。
  • 最新バージョンの TypeScript と Node.js の型定義を使用する。
  • このエラーは、主に Node.js を使用しているプロジェクトで発生します。
  • このエラーは、TypeScript 2.x 以降で発生する可能性があります。



// Node.js の型定義と ES2015 標準ライブラリの型定義の重複
import * as fs from 'fs'; // Node.js の型定義で IteratorResult が定義されている

function myIterator(): Iterator<number> {
  let i = 0;
  return {
    next() {
      if (i < 10) {
        return { value: i++, done: false };
      } else {
        return { value: undefined, done: true };
      }
    }
  };
}

for (const value of myIterator()) {
  console.log(value);
}

このコードでは、fs モジュールのインポートによって Node.js の型定義が読み込まれます。この型定義には、IteratorResult インターフェースが定義されています。

一方、myIterator 関数は、ジェネレータを使用してイテレータを返します。イテレータは、next() メソッドを使用して値をイテレートできるオブジェクトです。next() メソッドは、IteratorResult インターフェースの値を返します。

このため、IteratorResult インターフェースが 2 回定義されていることになり、エラーが発生します。

このエラーを解決するには、以下のいずれかの方法を使用できます。

{
  "compilerOptions": {
    "skipLibCheck": true
  }
}

この設定により、型定義ファイルのチェックがスキップされ、エラーが発生しなくなります。

ただし、skipLibCheck オプションを使用すると、型定義ファイルのエラーを見逃してしまう可能性があることに注意が必要です。




  • これは、型定義ファイルを編集するよりも柔軟な方法です。
  • tsconfig.json ファイルの paths オプションを使用して、IteratorResult インターフェースのエイリアスを定義できます。
{
  "compilerOptions": {
    // ...
  },
  "paths": {
    "IteratorResult": ["@types/node/modules/iterator/iterator"]
  }
}

この設定により、TypeScript は IteratorResult インターフェースを @types/node/modules/iterator/iterator ファイルから参照するようになります。

--baseUrl オプションを使用する

  • これにより、TypeScript は型定義ファイルをより効率的に検索できます。
  • tsc コマンドの --baseUrl オプションを使用して、型定義ファイルのベースパスを指定できます。
tsc --baseUrl src myCode.ts

このコマンドは、src ディレクトリを型定義ファイルのベースパスとして指定します。

型注釈を省略する

  • ただし、これはコードの可読性と保守性を低下させる可能性があることに注意が必要です。
  • 一部の場合は、型注釈を省略することでエラーを回避できます。

コードを分割する

  • 複雑なコードを複数のファイルに分割することで、IteratorResult インターフェースが重複する可能性を減らすことができます。

異なるバージョンの TypeScript または Node.js を使用する

  • 問題が特定のバージョンの TypeScript または Node.js に固有のものである場合は、異なるバージョンを使用することで解決できる場合があります。

注意事項

  • 一部の解決策は、コードの可読性や保守性に影響を与える可能性があります。
  • 上記の解決策を使用する前に、それぞれの方法の利点と欠点を考慮する必要があります。

typescript types import



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