React Hooks 順序変更エラー解説

Reactで発生する「Hooksが順序変更された」エラーの解説 (日本語)

エラーメッセージ
「React has detected a change in the order of Hooks.」

エラーの意味
このエラーは、Reactコンポーネント内でHooksが呼び出される順序が、前回のレンダリングと比べて変更されたことを示しています。Reactは、Hooksの順序が変更されると、コンポーネントの挙動が予測できなくなる可能性があるため、これをエラーとして報告します。

Hooksの順序が変更される原因

• カスタムHooksの内部でのHooksの呼び出し
  
  • カスタムHooksの中でHooksを呼び出す場合、その呼び出し順序が適切であることを確認する必要があります。
  • 例:

    function useMyCustomHook() {
      const [count, setCount] = useState(0);
      useEffect(() => {
        // ...
      }, [count]);
    
      return [count, setCount];
    }
    

• ループ内のHooksの呼び出し
  
  • ループ内でHooksを呼び出すと、ループの各反復でHooksが呼び出され、その順序が変化します。
• 条件文によるHooksの呼び出し
  
  • 条件文の中でHooksを呼び出すと、条件式の結果によってHooksの呼び出し順序が変化することがあります。

エラーを回避する方法

• カスタムHooksの内部でHooksを適切に呼び出す
  
  • カスタムHooksの内部でHooksを呼び出す場合は、その順序が正しいことを確認します。
  • 必要に応じて、カスタムHooksの内部で条件文やループを使用することができますが、Hooksの順序が変更されないように注意します。
• Hooksを常に同じ順序で呼び出す
  
  • コンポーネントのロジックに合わせて、Hooksを常に同じ順序で呼び出すようにします。
  • 条件文やループ内でHooksを呼び出す必要がある場合は、適切なロジックを使用して順序を制御します。

React Hooksの順序変更エラー解説: コード例 (日本語)

エラーの原因と解決方法

条件文によるHooksの呼び出し

解決方法
Hooksを常に同じ順序で呼び出すようにします。条件文を使用する必要がある場合は、Hooksを条件文の外側に移動するか、適切なロジックを使用して順序を制御します。

コード例

function MyComponent() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  // 誤り: 条件文の中でHooksを呼び出している
  if (count > 0) {
    useEffect(() => {
      // ...
    }, [count]);
  }

  // 正しい: Hooksを条件文の外側に移動する
  useEffect(() => {
    if (count > 0) {
      // ...
    }
  }, [count]);

  return <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Click me</button>;
}

ループ内のHooksの呼び出し

解決方法
ループ内でHooksを呼び出す必要がある場合は、適切なロジックを使用して順序を制御します。例えば、useEffectをループの外側に移動し、ループ内で必要な処理を行うための依存値を適切に管理します。

function MyComponent() {
  const items = ['item1', 'item2', 'item3'];

  // 誤り: ループ内でHooksを呼び出している
  return (
    <ul>
      {items.map((item, index) => (
        <li key={index}>
          <useEffect(() => {
            // ...
          }, [item]);
          {item}
        </li>
      ))}
    </ul>
  );
}

// 正しい: Hooksをループの外側に移動し、依存値を適切に管理する
useEffect(() => {
  items.forEach((item) => {
    // ループ内で必要な処理を行う
  });
}, [items]);

return (
  <ul>
    {items.map((item, index) => (
      <li key={index}>{item}</li>
    ))}
  </ul>
);

カスタムHooksの内部でのHooksの呼び出し

function useMyCustomHook() {
  // 誤り: Hooksの順序が間違っている
  useEffect(() => {
    // ...
  }, [count]);

  const [count, setCount] = useState(0);

  // 正しい: Hooksの順序を適切に調整する
  const [count, setCount] = useState(0);

  useEffect(() => {
    // ...
  }, [count]);

  return [count, setCount];
}

代替アプローチ

• Memoization
  
  • useMemoフックを使用して、条件式の結果に基づいて計算される値をキャッシュし、再レンダリング時に再計算を避けることができます。
  • これにより、Hooksの呼び出しが条件式の結果に依存しないようになり、順序変更エラーを回避できます。

function MyComponent() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  const memoizedValue = useMemo(() => {
    if (count > 0) {
      return calculateValue(count);
    }
    return null;
  }, [count]);

  useEffect(() => {
    if (memoizedValue) {
      // ...
    }
  }, [memoizedValue]);

  return <button onClick={() => setCount(count + 1)}>Click me</button>;
}

• Custom Hook
  
  • ループ内で共通のロジックをカプセル化するためにカスタムフックを作成し、その中でHooksを適切に呼び出すことができます。
  • これにより、ループ内のHooksの呼び出しを整理し、順序変更エラーを回避できます。

function useItemEffect(item) {
  useEffect(() => {
    // ...
  }, [item]);
}

function MyComponent() {
  const items = ['item1', 'item2', 'item3'];

  return (
    <ul>
      {items.map((item, index) => (
        <li key={index}>
          <useItemEffect(item) />
          {item}
        </li>
      ))}
    </ul>
  );
}

• Nested Custom Hooks
  

function useMyCustomHook() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  useOtherCustomHook(count);

  return [count, setCount];
}