React カスタムフックのテスト:モック化で実現する完全ガイド

2024-06-26

React カスタムフックの戻り値をモックする方法(React、Jest、React Hooks を使用)

モックが必要な理由

  • カスタムフックが外部 API やライブラリに依存している場合、テスト中にそれらの依存関係を実際に呼び出す必要はありません。
  • テストをより予測可能にし、特定の条件下でのフックの動作を分離して検証することができます。
  • コードカバレッジを高め、テストスイートの信頼性を向上させることができます。

モックの手順

  1. jest.mock を使用する: テスト対象のフックをモックするには、jest.mock を使用してモックモジュールを作成します。このモジュールは、フックが返す値をシミュレートする関数を提供します。
jest.mock('./my-custom-hook');
  1. モック関数を定義する: モックモジュール内で、フックが返す値をシミュレートする関数を定義します。この関数は、テストシナリオに必要な値を返すようにする必要があります。
const mockUseMyCustomHook = jest.fn(() => ({
  data: 'mocked data',
  error: null,
}));

jest.mock('./my-custom-hook', () => ({
  useMyCustomHook: mockUseMyCustomHook,
}));
  1. renderHook を使用する: react-hooks-testing-libraryrenderHook を使用して、テスト対象のフックをレンダリングします。result オブジェクトには、フックの戻り値にアクセスするためのプロパティが含まれています。
const { result } = renderHook(() => useMyCustomHook());
  1. モックされた値を検証する: result.current を使用して、フックの現在の戻り値にアクセスし、それが期待した値であることを確認します。
expect(result.current.data).toEqual('mocked data');
expect(result.current.error).toBeNull();

補足

  • モック化された関数は、テストごとに異なる値を返すように設定することができます。
  • 複数のフックが相互依存している場合は、それらをすべてモックする必要があります。
  • テスト後にモックを解除するのを忘れないでください。

以下の例では、useFetchData カスタムフックがモックされ、API フェッチをシミュレートしています。

// my-custom-hook.js
import { useState, useEffect } from 'react';

function useFetchData() {
  const [data, setData] = useState(null);
  const [error, setError] = useState(null);

  useEffect(() => {
    fetch('https://api.example.com/data')
      .then((response) => response.json())
      .then((responseData) => setData(responseData))
      .catch((err) => setError(err));
  }, []);

  return { data, error };
}

// test/my-custom-hook.test.js
jest.mock('./my-custom-hook');

const mockUseFetchData = jest.fn(() => ({
  data: { message: 'Mocked data' },
  error: null,
}));

jest.mock('./my-custom-hook', () => ({
  useFetchData: mockUseFetchData,
}));

import { renderHook } from '@testing-library/react-hooks';
import useFetchData from './my-custom-hook';

test('useFetchData fetches data correctly', () => {
  const { result } = renderHook(() => useFetchData());

  expect(result.current.data).toEqual({ message: 'Mocked data' });
  expect(result.current.error).toBeNull();
});

この例では、useFetchData フックがモックされ、API 応答をシミュレートする mocked data オブジェクトを返します。テストでは、フックの戻り値が期待した値であることを確認しています。

このモック化の手法を活用することで、React カスタムフックのテストを効果的に行い、コードの信頼性と安定性を向上させることができます。




サンプルコード:React カスタムフックの戻り値をモックする

useCounter カスタムフック

// useCounter.js
import { useState } from 'react';

function useCounter() {
  const [count, setCount] = useState(0);

  const increment = () => setCount(count + 1);

  return { count, increment };
}

export default useCounter;

テストコード

// useCounter.test.js
jest.mock('./useCounter');

import useCounter from './useCounter';
import { renderHook } from '@testing-library/react-hooks';

describe('useCounter hook', () => {
  test('should return initial count of 0', () => {
    const { result } = renderHook(() => useCounter());

    expect(result.current.count).toBe(0);
  });

  test('should increment count when increment function is called', () => {
    const { result } = renderHook(() => useCounter());

    result.current.increment();

    expect(result.current.count).toBe(1);
  });

  test('should mock custom increment function', () => {
    const mockIncrement = jest.fn();
    const useMockedCounter = jest.fn(() => ({ count: 0, increment: mockIncrement }));

    jest.mock('./useCounter', () => ({
      useCounter: useMockedCounter,
    }));

    const { result } = renderHook(() => useCounter());

    result.current.increment();

    expect(mockIncrement).toHaveBeenCalledTimes(1);
  });
});

説明

  1. jest.mock を使用する: 最初に、jest.mock を使用して useCounter フックをモックします。
  2. モック関数を定義する: 次に、モックモジュール内で、フックが返す値をシミュレートする関数を定義します。この例では、useMockedCounter 関数はカウント値とカスタムインクリメント関数を返すように設定されています。
  3. renderHook を使用する: renderHook を使用して、テスト対象のフックをレンダリングします。
  4. モックされた値を検証する: テストでは、フックの戻り値が期待した値であることを確認します。最初のテストでは、初期カウントが 0 であることを確認します。 2 番目のテストでは、increment 関数を呼び出した後にカウントが 1 になっていることを確認します。 3 番目のテストでは、モックされたカスタムインクリメント関数が呼び出されたことを確認します。

このサンプルコードは、React カスタムフックのテストにおいてモックを使用する方法を理解するための出発点として役立ちます。モックを活用することで、テストをより分離し、制御し、信頼性の高いものにすることができます。

このサンプルコードをさらに拡張して、より複雑なシナリオやテストケースを追加することができます。例えば、非同期処理やエラー処理をテストしたり、複数のフックが相互作用する状況を検証したりすることができます。

モックは、React カスタムフックのテストにおいて強力なツールですが、使い過ぎには注意する必要があります。テスト対象となる実際のコードを十分にテストするようにし、モックだけに頼らないようにすることが重要です。




React カスタムフックのテスト方法:代替手段と詳細情報

代替手段

  • テスト対象のコンポーネントをレンダリング: 一部の状況では、テスト対象のフックを直接使用するコンポーネントをレンダリングしてテストすることができます。これは、シンプルなフックや、その動作を完全に理解している場合に役立ちます。
  • カスタムレンダラーを使用する: react-test-renderer のようなカスタムレンダラーを使用すると、フックをコンポーネントのコンテキスト外でテストし、より詳細な制御を行うことができます。
  • 統合テストを行う: エンドツーエンドテストツールを使用して、フックがアプリケーション全体でどのように使用されているかをテストすることもできます。

その他の考慮事項

  • テスト対象となるコードを十分にテストする: モックだけに頼らず、常にテスト対象となる実際のコードを十分にテストするようにしてください。
  • モックの適切な使用: モックは、テストを分離し、制御しやすくするために使用してください。テスト対象となる実際のコードを隠すために使用しないでください。
  • パフォーマンスの考慮: モックは、テストを遅くする可能性があります。パフォーマンスが問題になる場合は、モックの使用を控え、代替手段を検討してください。

これらの代替手段と詳細情報を参考に、状況に合った適切な方法でReact カスタムフックをテストしてください。

追加リソース


reactjs jestjs react-hooks


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