IIFEの解説と使い方

2024-09-22

JavaScriptにおける(function() { })()構文の解説

JavaScriptにおける(function() { })()構文は、Immediately Invoked Function Expression (IIFE) と呼ばれます。これは、関数定義と同時にその関数を呼び出すための特別な構文です。

構文

(function() {
  // 関数の本体
})();

解説

  1. 関数定義
    function() { }の部分は、通常の関数定義と同じです。
  2. 括弧で囲む
    関数を括弧で囲むことで、JavaScriptパーサーにこれを関数式として解釈させることができます。
  3. すぐに呼び出す
    ()を付けて関数をすぐに呼び出します。

目的

IIFEの主な目的は、次のとおりです。

  • クリーンアップ
    IIFEは、一時的な変数や関数を定義して、使用後にスコープから削除することができます。これにより、メモリリークを防ぐことができます。
  • モジュールパターン
    IIFEは、JavaScriptのモジュールパターンの実装に利用されます。モジュールパターンは、コードの再利用性や保守性を向上させるための設計パターンです。
  • スコープの分離
    IIFEは、その内部で定義された変数や関数を外部のスコープから隠すことができます。これにより、コードのモジュール化や名前空間の管理が容易になります。

(function() {
  var name = "John Doe";
  function greet() {
    console.log("Hello, " + name);
  }
  greet();
})();

// 外部からnameやgreetにアクセスすることはできません

注意

  • IIFEは、他の関数や式と組み合わせて使用することができます。
  • IIFEは、通常、匿名関数として使用されますが、名前付き関数としても定義できます。



IIFEの解説と使い方の例

IIFE (Immediately Invoked Function Expression) の基本的な例

(function() {
  console.log("IIFEが実行されました");
})();

このコードは、関数定義と同時にその関数を呼び出します。関数内のコードは、外部のスコープから隔離されます。

スコープの分離

var name = "John Doe";

(function() {
  var name = "Jane Smith";
  console.log("内部のスコープ:", name);
})();

console.log("外部のスコープ:", name);

この例では、IIFE内部で定義された name 変数は、外部のスコープの name 変数とは異なるスコープを持ちます。そのため、外部のスコープから name にアクセスすると、"John Doe" が出力されます。

モジュールパターン

var myModule = (function() {
  var privateVariable = "秘密の値";

  function privateFunction() {
    console.log("秘密の関数");
  }

  return {
    publicMethod: function() {
      console.log("公開メソッド");
      privateFunction();
    }
  };
})();

myModule.publicMethod(); // 公開メソッドを呼び出す
// privateVariableやprivateFunctionには外部からアクセスできません

この例では、IIFEを使用してモジュールパターンを実装しています。モジュール内部の変数や関数はプライベートであり、外部からアクセスできません。公開するメソッドやプロパティは、モジュールを返すオブジェクトに含まれます。

クリーンアップ

(function() {
  var temporaryVariable = "一時的な変数";

  // 処理

  // 変数を削除
})();

IIFEと他の関数や式との組み合わせ

var result = (function() {
  return 10 + 5;
})();

console.log(result); // 15



IIFEの代替方法

IIFEは、JavaScriptのコードをモジュール化し、スコープを分離するための便利な構文です。しかし、IIFE以外の方法でも同様の目的を達成することができます。

ES6モジュール

ES6モジュールは、JavaScriptのモジュールシステムであり、ファイル単位でコードをモジュール化することができます。モジュールは、exportキーワードを使用して公開され、importキーワードを使用して他のモジュールからインポートされます。

// module.js
export const PI = 3.14159;

export function greet(name) {
  console.log("Hello, " + name);
}

// main.js
import { PI, greet } from './module.js';

console.log(PI);
greet("John Doe");

クラス

JavaScriptのクラスは、オブジェクト指向プログラミングの概念をサポートします。クラスは、プロパティとメソッドをカプセル化し、スコープを分離することができます。

class Calculator {
  constructor() {
    this.result = 0;
  }

  add(value) {
    this.result += value;
  }

  subtract(value) {
    this.result -= value;
  }

  getResult() {
    return this.result;
  }
}

const calculator = new Calculator();
calculator.add(5);
calculator.subtract(2);
console.log(calculator.getResult());

名前付き関数

名前付き関数は、関数に名前を付けることで、再利用が可能になります。名前付き関数を直接呼び出すことで、スコープを分離することができます。

function myModule() {
  const privateVariable = "秘密の値";

  function privateFunction() {
    console.log("秘密の関数");
  }

  return {
    publicMethod: function() {
      console.log("公開メソッド");
      privateFunction();
    }
  };
}

const moduleInstance = myModule();
moduleInstance.publicMethod();

クロージャ

クロージャは、関数とその関数が定義されたスコープへの参照を組み合わせたものです。クロージャを使用することで、外部のスコープから変数や関数を隠すことができます。

function createCounter() {
  let count = 0;

  return function() {
    count++;
    return count;
  };
}

const counter = createCounter();
console.log(counter()); // 1
console.l   og(counter()); // 2

javascript iife



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