JavaScriptにおける定数について

2024-09-15

日本語

JavaScriptでは、厳密に「定数」という概念は存在しません。しかし、定数のような挙動を実現するために、いくつかの手法が用いられます。

変数の宣言時にconstキーワードを使用

  • 例:
  • これは定数に近い挙動を示しますが、厳密には定数ではありません。
  • constで宣言された変数は、一度値が割り当てられると変更できません。
const PI = 3.14159;

オブジェクトのプロパティとして定数を定義

  • 通常、大文字でプロパティ名を定義して定数であることを示します。
  • オブジェクトの内部でプロパティを定義し、そのプロパティを定数として扱うことができます。
const myObject = {
    MAX_VALUE: 100,
    MIN_VALUE: 0
};

Object.freeze()メソッドを使用

  • これは定数に近い挙動を実現する方法です。
  • オブジェクトを凍結することで、そのオブジェクトのプロパティを変更できなくします。
const myObject = {
    name: "John",
    age: 30
};
Object.freeze(myObject);

注意

  • 実際の開発では、定数のような挙動が必要な場合に適切な手法を選択し、変数の値を変更しないように注意する必要があります。
  • JavaScriptの定数は、厳密な意味での定数とは異なります。変数の再宣言やオブジェクトのプロパティの変更は可能です。



constキーワードを用いた定数の宣言

const PI = 3.14159;
const GRAVITY = 9.8;
  • 解説
    • constキーワードを用いることで、変数PIGRAVITYを定数として宣言しています。
    • 一度値が代入されると、後からこれらの値を変更することはできません。
    • 数学的な定数や物理定数のように、一度定義したら変更されない値を表現する際に適しています。
const myConfig = {
  MAX_USERS: 100,
  BASE_URL: 'https://api.example.com'
};
  • 解説
    • オブジェクトmyConfigMAX_USERSBASE_URLプロパティを定数として扱います。
    • オブジェクト自体を変更することは可能ですが、これらのプロパティの値は変更できません。
    • アプリケーションの設定値などを定数として管理する際に便利です。

Object.freeze()メソッドを用いたオブジェクトの凍結

const person = {
  name: 'Alice',
  age: 30
};
Object.freeze(person);
  • 解説
    • Object.freeze()メソッドを用いて、オブジェクトpersonを凍結します。
    • 凍結されたオブジェクトのプロパティは、追加、削除、変更することができなくなります。
    • オブジェクト全体を定数のように扱う必要がある場合に有効です。

enumのような定数の定義(ES2020以降)

const Direction = {
  UP: 'up',
  DOWN: 'down',
  LEFT: 'left',
  RIGHT: 'right'
};
  • 定義済みの値から選択する必要がある場合に便利です。
  • Directionオブジェクトの各プロパティが定数を表します。
  • ES2020から導入されたオブジェクト初期化子によるenumのような定数の定義方法です。
  • 解説

readonly属性(TypeScript)

interface Person {
  readonly name: string;
  readonly age: number;
}
  • より厳密な型付けを行う際に役立ちます。
  • JavaScriptのconstObject.freeze()と同様に、値の変更を防ぎます。
  • TypeScriptでは、readonly属性を用いて、プロパティの値を読み取り専用にすることができます。

JavaScriptにおける定数は、constキーワード、オブジェクトのプロパティ、Object.freeze()メソッド、enumのような定義、TypeScriptのreadonly属性など、さまざまな方法で実現できます。

どの方法を選ぶべきか

  • TypeScriptでより厳密な型付けを行いたい
    readonly属性
  • 定数値を列挙したい
    enumのような定義
  • オブジェクト全体を凍結したい
    Object.freeze()メソッド
  • オブジェクトのプロパティを定数として扱いたい
    オブジェクトのプロパティとして定義
  • シンプルに定数を定義したい
    constキーワード

注意点

  • Object.freeze()は浅い凍結であり、ネストされたオブジェクトのプロパティは変更できる可能性があります。
  • constで宣言された変数も、その変数がオブジェクトを指している場合、オブジェクトのプロパティは変更可能です。
  • 定数は、一度定義したら変更しない値を表現する際に特に有効です。
  • 定数を用いることで、コードの可読性向上やバグの防止に繋がります。



  • 用途
    • 基本的な定数の定義に適している。
  • 特徴
    • 一度代入された値を変更できない。
    • 再代入はできないが、オブジェクトのプロパティは変更できる場合がある。
  • 特徴
    • オブジェクトの内部で定数を定義する。
  • 用途
    • オブジェクト全体を完全に変更できないようにしたい場合に使用する。
    • ライブラリやフレームワークで、外部からの変更を防ぎたいオブジェクトを定義する場合に利用される。
  • 特徴
    • オブジェクトを凍結し、プロパティの追加、削除、変更を禁止する。
    • 深いネストされたオブジェクトのプロパティは、変更できる可能性がある。
  • 用途
    • 状態やモードを表す値を定義する場合に利用される。
  • 特徴
    • オブジェクト初期化子を使用して、定数を列挙する。
    • 型チェックの際に役立つ。
  • 用途
    • TypeScriptでより厳密な型付けを行いたい場合に使用する。
    • オブジェクトの不変性を保証したい場合に利用される。
  • 特徴
    • 型安全性を高める。
  • クラス
    • クラスの静的プロパティを定数として利用できる。
    • 大規模なアプリケーションで、定数を管理する場合に有効。
  • シンボル
    • ユニークな識別子として使用できる。
    • プロパティ名を衝突させることなく、定数のような値を定義できる。
  • クラスのレベルで定数を管理したい
    クラスの静的プロパティ
  • ユニークな識別子が必要
    シンボル

JavaScriptにおける定数の概念は、他の言語と比較してやや複雑ですが、適切な手法を選択することで、コードの可読性向上やバグの防止に繋がります。状況に応じてこれらの手法を組み合わせることで、より柔軟なコードを作成することができます。

重要な点

  • TypeScriptのreadonly属性は、TypeScript固有の機能です。

javascript constants



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