非同期処理を Rxjs で表現:`toPromise()` から `firstValueFrom()` と `lastValueFrom()` へ移行

2024-07-27

Rxjs の toPromise() の非推奨化:詳細解説

Rxjs の toPromise() メソッドは、Observable を Promise に変換するために使用されていました。しかし、Rxjs 7 で非推奨化され、Rxjs 8 で削除される予定です。

この変更は、Rxjs のより明確な意味論と一貫性を追求するために行われました。toPromise() は、Observable が完了する前に値を発行しなかった場合、誤解を招く可能性のある undefined を返すという問題がありました。

代替手段

toPromise() の代わりに、以下の2つの新しいヘルパー関数を使用することを推奨します。

  • lastValueFrom(): Observable の最後の値を Promise として返します。Observable が値を発行しない場合は、エラーをスローします。

これらの新しいヘルパー関数は、toPromise() よりも明確で予測可能な動作を提供します。

影響を受けるコード

toPromise() を使用しているコードは、以下のいずれかの方法で更新する必要があります。

  • pipe() オペレーターを使用して、Observable を Promise に変換する別の方法を使用します。
  • firstValueFrom() または lastValueFrom() を使用して Observable を Promise に変換します。

以下のコードは、toPromise() を使用して Observable を Promise に変換しています。

const observable = of(1, 2, 3);

observable.toPromise().then(value => {
  console.log(value); // 3
});

このコードを firstValueFrom() を使用して更新するには、次のようにします。

const observable = of(1, 2, 3);

firstValueFrom(observable).then(value => {
  console.log(value); // 1
});

移行に関する注意事項

  • firstValueFrom()lastValueFrom() は、toPromise() とは異なる動作をすることに注意してください。

toPromise() は非推奨化されました。代わりに、firstValueFrom() または lastValueFrom() を使用することを推奨します。これらの新しいヘルパー関数は、より明確で予測可能な動作を提供します。

  • 実際のコードは、より複雑な場合があります。
  • コード例は、説明を明確にするために簡略化されています。



以下のサンプルシナリオにおいて、非同期処理を表現するために Observable を使用し、toPromise() を使って Promise に変換します。

import { of, interval } from 'rxjs';
import { firstValueFrom, lastValueFrom } from 'rxjs';

// 非同期処理を Observable で表現
const asyncData = of(1, 2, 3); // 1, 2, 3 を順に発行する Observable
const asyncInterval = interval(1000); // 1秒ごとに値を発行する Observable

// 非推奨化された toPromise() を使って Promise に変換
asyncData.toPromise().then(data => console.log('toPromise data:', data)); // 3 を出力
asyncInterval.toPromise().then(data => console.log('toPromise interval:', data)); // エラーを出力 (未定義)

// 代替手段: firstValueFrom() を使って Promise に変換
firstValueFrom(asyncData).then(data => console.log('firstValueFrom data:', data)); // 1 を出力
firstValueFrom(asyncInterval).catch(err => console.error('firstValueFrom interval error:', err)); // エラーハンドリング

// 代替手段: lastValueFrom() を使って Promise に変換
lastValueFrom(asyncData).then(data => console.log('lastValueFrom data:', data)); // 3 を出力
lastValueFrom(asyncInterval).then(data => console.log('lastValueFrom interval:', data)); // 1秒後に発行された最後の値を出力

解説

  • firstValueFrom()lastValueFrom() は、Observable が値を発行しない場合はエラーをスローするため、より明確な動作を提供します。
  • toPromise() は、Observable が値を発行しない場合は undefined を返し、エラーハンドリングが困難になります。
  • lastValueFrom() は、Observable の最後の値を Promise として返します。
  • toPromise() は、Observable を Promise に変換する非推奨化されたメソッドです。



pipe() オペレーター

pipe() オペレーターを使用して、Observable を Promise に変換することができます。この方法は、より柔軟な制御と、他の Rxjs オペレーターとの組み合わせが可能という利点があります。

import { of, interval, tap, takeLast } from 'rxjs';
import { from } from 'rxjs/operators';

const asyncData = of(1, 2, 3);
const asyncInterval = interval(1000);

// pipe() オペレーターを使って Promise に変換
from(asyncData.pipe(
  tap(data => console.log('pipe data:', data)), // 各値を出力
  takeLast(1) // 最後の値のみを抽出
)).toPromise().then(data => console.log('pipe last data:', data)); // 3 を出力

// pipe() オペレーターと lastValueFrom() の組み合わせ
lastValueFrom(asyncInterval.pipe(
  tap(data => console.log('pipe interval:', data)) // 各値を出力
)); // 1秒後に発行された最後の値を出力

reduce() オペレーター

reduce() オペレーターを使用して、Observable のすべての値を単一の値に集約し、Promise に変換することができます。

import { of, interval } from 'rxjs';
import { reduce } from 'rxjs/operators';

const asyncData = of(1, 2, 3);
const asyncInterval = interval(1000);

// reduce() オペレーターを使って Promise に変換
from(asyncData.pipe(
  reduce((acc, value) => acc + value, 0) // すべての値を足す
)).toPromise().then(data => console.log('reduce sum:', data)); // 6 を出力

// reduce() オペレーターと lastValueFrom() の組み合わせ
lastValueFrom(asyncInterval.pipe(
  reduce((acc, value) => value, 0) // 最後の値を保持
)); // 1秒後に発行された最後の値を出力

finalize() オペレーター

toPromise() を使用する代わりに、finalize() オペレーターを使用して、非同期処理の完了後に実行する後処理を定義することができます。

import { of, interval } from 'rxjs';
import { finalize } from 'rxjs/operators';

const asyncData = of(1, 2, 3);
const asyncInterval = interval(1000);

// finalize() オペレーターを使って後処理を実行
asyncData.pipe(
  finalize(() => console.log('Async data completed')) // 完了時にログを出力
).subscribe(data => console.log('data:', data));

asyncInterval.pipe(
  finalize(() => console.log('Async interval completed')) // 完了時にログを出力
).subscribe(data => console.log('interval:', data));

注意事項

  • コードの可読性とメンテナンス性を考慮することが重要です。
  • 具体的な使用方法を選択する際には、状況に合わせて適切な方法を選択する必要があります。
  • 上記の代替手段は、それぞれ異なるユースケースに適しています。

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