未使用CSS特定と最適化
複数のCSSファイルから未使用のCSS定義を特定する方法 (日本語)
プロジェクト内の複数のCSSファイルから、実際に使用されていないCSS定義を特定することは、パフォーマンスの最適化に役立ちます。未使用のCSS定義は、ブラウザのレンダリング時間を増やし、ファイルサイズを無駄に大きくします。
方法
-
CSS分析ツールを使用する
- CSSLint
構文エラーや未使用の規則を検出します。 - Stylelint
カスタマイズ可能なルールセットで、より厳密なチェックが可能です。 - PurifyCSS
使用されているセレクタのみを残し、未使用の定義を削除します。
- CSSLint
-
ブラウザの開発者ツールを活用する
- ネットワークパネル
リクエストされたCSSファイルを確認し、どのセレクタが実際に使用されているかを確認します。 - Elementsパネル
ページの要素を検査し、どのCSSルールが適用されているかを確認します。
- ネットワークパネル
-
手動チェック
- コードをレビューして、使用されていないセレクタやプロパティがないか確認します。
- CSSファイル内のコメントや注釈を参照して、特定のスタイルがなぜ存在するかを確認します。
例 (CSSLint)
csslint mystyle.css
例 (PurifyCSS)
purifycss --css mystyle.css --html index.html --output purified.css
注意点
- フレームワークやライブラリ
使用しているフレームワークやライブラリが提供するCSSを考慮し、必要に応じて調整する必要があります。 - 偽陰性
複雑なセレクタや条件付きスタイルが、特定の状況でのみ使用される場合、偽陰性が発生する可能性があります。 - 偽陽性
使用されていないように見えるセレクタが、JavaScriptや他の手段で動的に追加される場合、偽陽性が発生する可能性があります。
未使用CSS特定と最適化のコード例解説
CSSLint
CSSLintは、CSSの構文エラーや未使用の規則などを検出するツールです。Node.jsで実行できます。
# CSSLintのインストール
npm install -g csslint
# CSSファイルのLint
csslint mystyle.css
このコマンドを実行すると、mystyle.cssファイル内のエラーや未使用の規則に関する詳細なレポートが表示されます。
Stylelint
Stylelintは、CSSLintよりもカスタマイズ性が高く、より厳密なチェックが可能なツールです。
# Stylelintのインストール
npm install -g stylelint
# CSSファイルのLint
stylelint mystyle.css
Stylelintは、様々なプラグインやルールセットをサポートしており、プロジェクトのコーディング規約に合わせて設定できます。
PurifyCSS
PurifyCSSは、HTMLファイルとCSSファイルから、実際に使用されているセレクタのみを抽出し、未使用の定義を削除するツールです。
# PurifyCSSのインストール
npm install -g purifycss
# 未使用CSSの削除
purifycss --css mystyle.css --html index.html --output purified.css
このコマンドを実行すると、index.htmlで実際に使用されているセレクタのみを含むpurified.cssファイルが生成されます。
ブラウザの開発者ツール
ブラウザの開発者ツールは、CSSの分析に非常に役立ちます。
例:Chromeの開発者ツール
- Chromeでページを開く
- F12キーを押して開発者ツールを開く
- ネットワークパネルでCSSファイルを選択
- Coverageタブで、使用されていないCSSを確認
JavaScriptによる動的スタイルの特定
JavaScriptで動的にスタイルを適用している場合は、上記のツールだけでは正確な分析ができない場合があります。このような場合は、JavaScriptコードを分析したり、専用のツールを使用したりする必要があります。
例:JavaScriptでスタイルを動的に追加する場合
const element = document.getElementById('myElement');
element.style.color = 'red';
この場合、PurifyCSSはelement.style.colorを未使用と判断してしまう可能性があります。
- CSS-in-JS
JavaScriptでCSSを記述し、動的なスタイルを簡単に管理できる。 - CSS Modules
CSSのスコープを限定し、名前の衝突を防ぐことができる。
未使用CSSの特定には、CSSLint、Stylelint、PurifyCSSなどのツールや、ブラウザの開発者ツールが有効です。JavaScriptで動的にスタイルを適用している場合は、JavaScriptコードも分析する必要があります。これらのツールを組み合わせることで、より正確かつ効率的に未使用CSSを特定し、Webサイトのパフォーマンスを向上させることができます。
- メンテナンス
CSSは頻繁に変更されるため、定期的に未使用CSSのチェックを行うことが重要です。 - 偽陽性/偽陰性
ツールによっては、偽陽性(使用されているCSSが未使用と判定される)や偽陰性(未使用のCSSが使用されていると判定される)が発生する場合があります。
- プロジェクトの規模や複雑さによって、最適な手法は異なります。
- より詳細な解説については、各ツールの公式ドキュメントを参照してください。
未使用CSS特定と最適化の代替手法 (日本語)
CSS Modules
CSS Modulesは、CSSのスコープを限定し、名前の衝突を防ぐことができる手法です。CSSファイルにモジュール名を指定し、セレクタにモジュール名をプレフィックスとして付けることで、他のCSSファイルとの名前の衝突を回避します。
例
// my-module.css
.my-module__button {
// ...
}
CSS-in-JS
CSS-in-JSは、JavaScriptでCSSを記述し、動的なスタイルを簡単に管理できる手法です。Styled ComponentsやEmotionなどのライブラリを使用することで、CSSをJavaScriptのテンプレートリテラル内に記述し、コンパイル時にCSSファイルに変換します。
例 (Styled Components)
import styled from 'styled-components';
const Button = styled.button`
background-color: blue;
color: white;
`;
PostCSS プラグイン
PostCSSは、CSSのトランスパイルや解析を行うためのツールです。PostCSSのプラグインを使用することで、未使用CSSの特定や最適化を行うことができます。
# PurgeCSSのインストール
npm install -g postcss-cli postcss-purgecss
# 未使用CSSの削除
postcss --use postcss-purgecss --content index.html mystyle.css -o purified.css
Webpack Loader
Webpackのloaderを使用することで、CSSファイルの処理をカスタマイズすることができます。css-loaderやpostcss-loaderと組み合わせて、未使用CSSの特定や最適化を行うことができます。
// webpack.config.js
module.exports = {
module: {
rules: [
{
test: /\.css$/,
use: [
'style-loader',
'css-loader',
{
loader: 'postcss-loader',
options: {
plugins: [
require ('postcss-purgecss')({
// ...
})
]
}
}
]
}
]
}
};
手動チェックとレビュー
最も基本的な方法ですが、手動でコードをレビューし、未使用のセレクタやプロパティがないか確認することも有効です。特に、複雑なCSSやJavaScriptとの連携がある場合は、手動チェックが重要になります。
css performance optimization