JavaScriptデバッグのヒント:throw new Errorとthrow someObjectを活用してエラーを効率的に追跡する

2024-06-14

JavaScriptにおける throw new Error と throw someObject の違い

JavaScriptでエラーを処理する場合、throw キーワードを用いて例外をスローすることができます。このとき、throw new Errorthrow someObject のように、さまざまな書き方が見られます。一見似ているように見えますが、実は重要な違いがあります。

throw new Error

  • Error コンストラクタを使用して新しいエラーオブジェクトを作成し、それをスローします。
  • エラーメッセージやその他の情報をエラーオブジェクトに含めることができます。
  • デフォルトのエラーメッセージは空文字列ですが、引数として渡すことで設定できます。
  • 例外処理において、より詳細な情報と柔軟性を提供します。

例:

try {
  // 何かしらの処理を行う
  if (条件) {
    throw new Error('予期せぬエラーが発生しました');
  }
} catch (error) {
  console.error(error.message); // エラーメッセージを出力
}

throw someObject

  • 単にオブジェクトをスローします。
  • オブジェクトは、エラーオブジェクトである必要はありません。
  • エラーメッセージやその他の情報は、スローされたオブジェクトに依存します。
  • デバッグが難しくなり、エラー処理の信頼性が低下する可能性があります。
try {
  // 何かしらの処理を行う
  if (条件) {
    throw { message: '予期せぬエラーが発生しました' };
  }
} catch (error) {
  console.error(error.message); // エラーメッセージを出力
}
  • 一般的に、エラーをスローする場合は throw new Error を使用する方が推奨されます。
  • エラーオブジェクトは、エラーの詳細な情報と、より良いデバッグ体験を提供します。
  • throw someObject を使用する場合は、スローされるオブジェクトに十分な情報が含まれていることを確認する必要があります。

補足

  • 新しいエラーオブジェクトを作成する以外にも、Error コンストラクタは、既存のエラーオブジェクトを操作するために使用することもできます。



例 1: throw new Error を使用したエラー処理

function calculateArea(width, height) {
  if (isNaN(width) || isNaN(height)) {
    throw new Error('幅と高さは数値でなければなりません'); // エラーメッセージを指定
  }
  return width * height;
}

try {
  const area = calculateArea(10, '5'); // 幅に文字列を渡す
  console.log(`面積: ${area}`);
} catch (error) {
  console.error(error.message); // エラーメッセージを出力
}

この例では、calculateArea 関数は、幅と高さを引数として受け取り、その面積を計算します。しかし、どちらかの引数が数値でない場合、throw new Error を使用してエラーをスローします。エラーメッセージは、問題を明確に伝えるために指定されています。

function calculateArea(width, height) {
  if (isNaN(width) || isNaN(height)) {
    throw { message: '幅と高さは数値でなければなりません' }; // エラーオブジェクトをスロー
  }
  return width * height;
}

try {
  const area = calculateArea(10, '5'); // 幅に文字列を渡す
  console.log(`面積: ${area}`);
} catch (error) {
  console.error(error.message); // エラーメッセージを出力
}

この例は、例 1 とほぼ同じですが、throw someObject を使用してエラーオブジェクトをスローします。エラーオブジェクトには、message プロパティなど、エラーに関する情報を含めることができます。

比較

項目throw new Errorthrow someObject
エラーオブジェクト新しいオブジェクトを作成既存のオブジェクトを使用 (エラーオブジェクトである必要はない)
エラーメッセージ引数として指定エラーオブジェクトの message プロパティに格納
情報より詳細な情報を提供できるエラーオブジェクトに依存
デバッグ比較的容易困難な場合がある
信頼性高い低い場合がある



      • 最も一般的で推奨される方法です。
      • 新しいエラーオブジェクトを作成し、その中にエラーメッセージやその他の情報を格納することができます。
      • アサーションライブラリを使用する

        • Chai や Jest などのライブラリを使用して、エラー条件を検証することができます。
        • 読みやすく、テストコードをより明確にすることができます。
        • ただし、ライブラリの使用方法を覚える必要があるというデメリットがあります。

      それぞれの方法の例

      function calculateArea(width, height) {
        if (isNaN(width) || isNaN(height)) {
          throw new Error('幅と高さは数値でなければなりません');
        }
        return width * height;
      }
      
      try {
        const area = calculateArea(10, '5');
        console.log(`面積: ${area}`);
      } catch (error) {
        console.error(error.message);
      }
      
      function calculateArea(width, height) {
        if (isNaN(width) || isNaN(height)) {
          throw { message: '幅と高さは数値でなければなりません' };
        }
        return width * height;
      }
      
      try {
        const area = calculateArea(10, '5');
        console.log(`面積: ${area}`);
      } catch (error) {
        console.error(error.message);
      }
      
      const chai = require('chai');
      const assert = chai.assert;
      
      function calculateArea(width, height) {
        assert(typeof width === 'number' && typeof height === 'number', '幅と高さは数値でなければなりません');
        return width * height;
      }
      
      try {
        const area = calculateArea(10, '5');
        console.log(`面積: ${area}`);
      } catch (error) {
        console.error(error.message);
      }
      
      • 単純なエラーの場合は、throw new Error で十分です。
      • より詳細なエラー情報を提供したい場合は、throw new Error を使用し、エラーオブジェクトに情報を格納します。
      • テストコードを書く場合は、アサーションライブラリを使用すると、コードが読みやすくなり、テストケースの意図が明確になります。

      その他の考慮事項

      • エラーメッセージは、開発者だけでなく、ユーザーにも理解できるようなものにすることが重要です。
      • エラーが発生した場合は、適切なロギングを使用して問題をデバッグできるようにする必要があります。
      • 可能であれば、エラーを回避するための対策を講じることが重要です。

      javascript object error-handling


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