JavaScriptプロトタイプ解説

2024-10-04

JavaScriptにおける.prototype.__proto__の違い

.prototype.__proto__は、JavaScriptにおけるオブジェクトのプロトタイプチェーンに関する重要な概念です。どちらもプロトタイプ継承に関わるものですが、その役割と使用方法が異なります。

.prototype

  • コンストラクタ関数による使用
    多くの場合、コンストラクタ関数を使用してオブジェクトを作成するとき、そのコンストラクタ関数の.prototypeプロパティがオブジェクトの親オブジェクトとなります。
  • プロパティとメソッドの定義
    .prototypeオブジェクトに定義されたプロパティやメソッドは、そのオブジェクトのすべてのインスタンスに継承されます。
  • オブジェクトのプロトタイプ
    あるオブジェクトの親オブジェクト、またはテンプレートとなるオブジェクトです。


function Person(name, age) {
  this.name = name;
  this.age = age;
}

Person.prototype.greet = function() {
  console.log("Hello, my name is " + this.name);
};

const john = new Person("John   ", 30);
john.greet(); // Output: Hello, my name is John

.__proto__

  • オブジェクトの継承
    オブジェクトがアクセスできないプロパティやメソッドを検索するとき、.__proto__プロパティを使用してプロトタイプチェーンを辿り、そのプロパティやメソッドが存在するオブジェクトを探します。
  • プロトタイプチェーンのリンク
    .__proto__プロパティは、オブジェクトのプロトタイプチェーンを辿るためのリンクとして機能します。
  • 個々のオブジェクトのプロトタイプ
    あるオブジェクトの親オブジェクトへの参照です。
const john = new Person("John", 30);
console.log(john.__proto__ === Person.prototype); // Output: true
  • .__proto__は、個々のオブジェクトのプロトタイプへの参照であり、プロトタイプチェーンを辿るためのリンクとして機能します。
  • .prototypeは、コンストラクタ関数に関連付けられたプロトタイプオブジェクトであり、そのオブジェクトのすべてのインスタンスに継承されます。



function Person(name, age) {
  this.name = name;
  this.age = age;
}

// Person.prototypeにgreetメソッドを追加
Person.prototype.greet = function() {
  console.log("Hello, my name is " + this.name);
};

// Personオブジェクトのインスタンスを作成
const john = new Person("John", 30);

// johnオブジェクトはgreetメソッドを継承している
john.greet(); // Output: Hello, my name is John
  • インスタンスへの継承
    johnオブジェクトはPersonコンストラクタ関数のインスタンスなので、greetメソッドを継承しています。そのため、john.greet()を実行すると、greetメソッドが呼び出され、"Hello, my name is John"が出力されます。
  • .prototypeの役割
    Personコンストラクタ関数の.prototypeプロパティにgreetメソッドを追加しています。これにより、Personオブジェクトのすべてのインスタンスがgreetメソッドを継承します。
const john = new Person("John", 30);

// johnオブジェクトの__proto__プロパティはPerson.prototypeを参照している
console.log(john.__proto__ === Person.prototype); // Output: true
  • プロトタイプチェーン
    johnオブジェクトがgreetメソッドを呼び出すとき、まず自身のプロパティにgreetメソッドが存在するかチェックします。存在しない場合、.__proto__プロパティを使用してプロトタイプチェーンを辿り、greetメソッドが存在するオブジェクトを探します。この場合、Person.prototypeにgreetメソッドが存在するため、それが呼び出されます。
  • .__proto__の役割
    johnオブジェクトの.__proto__プロパティは、そのオブジェクトのプロトタイプへの参照です。この場合、johnオブジェクトのプロトタイプはPerson.prototypeです。



クラス構文 (ES6以降)

  • インスタンスの作成
    newキーワードを使用してクラスのインスタンスを作成します。
  • プロパティとメソッドの定義
    クラス内部でプロパティとメソッドを定義します。
  • クラスの定義
    classキーワードを使用してクラスを定義します。
class Person {
  constructor(name, age) {
    this.name = name;
    this.age = age;
  }

  greet() {
    console.log("Hello, my name is " + this.name);
  }
}

const john = new Person("John", 30);
john.gre   et(); // Output: Hello, my name is John

Object.create()

  • オブジェクトの作成
    Object.create()メソッドを使用して、指定したプロトタイプオブジェクトを持つ新しいオブジェクトを作成します。
const personPrototype = {
  greet() {
    console.log("Hello, my name is " + this.name);
  }
};

const john = Object.create(personPrototype);
john.name = "John";
john.greet(); // Output: Hello, my name is John

プロトタイプチェーンの操作ライブラリ

  • ライブラリの使用
    lodashunderscoreなどのライブラリには、プロトタイプチェーンを操作するためのメソッドが提供されています。
const _ = require('lodash');

const personPrototype = {
  greet() {
    console.log("Hello, my name is " + this.name);
  }
};

const john = _.extend({}, personPrototype);
john.name = "John";
john.greet(); // Output: Hello, my name is John

ミックスイン

  • 複数のオブジェクトの結合
    ミックスインを使用して、複数のオブジェクトのプロパティやメソッドを1つのオブジェクトに結合します。
function mixin(target, ...sources) {
  sources.forEach(source => {
    for (const key in source) {
      if (source.hasOwnProperty(key)) {
        target[key] = source[key];
      }
    }
  });
  return    target;
}

const person = {
  name: "John"
};

const greeter = {
  greet() {
    console.log("Hello, my name is " + this.name);
  }
};

const john = mixin({}, person, greeter);
john.greet(); // Output: Hello, my name is John
 
javascript prototype javascript-objects



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