CORSとAccess-Control-Allow-Originヘッダ

2024-08-18

JavaScript、クロスドメイン、CORSに関連して

Access-Control-Allow-Origin (以下、ACAO) ヘッダは、異なるドメイン間でのリソース共有(Cross-Origin Resource Sharing、CORS)を可能にするためのHTTPレスポンスヘッダです。

CORSとは、異なるドメイン間の通信制限を緩和する仕組みで、ブラウザがセキュリティ上の理由から、異なるドメイン間での直接的なリソースアクセスを制限しているため、必要になります。

ACAOヘッダは、サーバからクライアントに送信されるレスポンスに含まれ、どのドメインからのリクエストを許可するかを指定します。

仕組み

  1. クライアントからのリクエスト
    クライアント(ブラウザ)が異なるドメインのリソース(例えば、画像、データなど)を要求します。
  2. プリフライトリクエスト(オプション)
    リクエストメソッドがPOST、PUT、DELETEなどの場合、ブラウザは事前に「OPTIONS」メソッドのリクエストを送り、サーバが許可するリクエストメソッドやヘッダを確認します。
  3. サーバからのレスポンス
    サーバは、リクエストが許可された場合、レスポンスヘッダにACAOヘッダを含めます。ヘッダの値には、許可するドメインのURLを指定します。
  4. クライアント側の処理
    クライアントは、レスポンスヘッダのACAOヘッダを確認し、自身のドメインが許可されている場合、リソースを取得します。そうでない場合、エラーが発生します。

ACAOヘッダの値

  • null: クредиシャル付きリクエスト(認証情報を含む)を許可します。
  • 特定のドメインのURL: 指定したドメインからのリクエストのみを許可します。
  • *: すべてのドメインからのリクエストを許可します(セキュリティリスクがあるため、推奨されません)。

注意点

  • ブラウザによっては、CORSの実装に違いがある場合があります。
  • CORSには、他にも関連するヘッダ(Access-Control-Allow-Methods、Access-Control-Allow-Headersなど)が存在します。
  • ACAOヘッダは、サーバ側で適切に設定する必要があります。



Access-Control-Allow-Origin (ACAO) ヘッダは、CORSの実現に欠かせないヘッダで、サーバからクライアントに送信されるレスポンスに含まれます。このヘッダには、どのドメインからのリクエストを許可するかを指定します。

サーバ側のコード例 (Node.js/Express)

const express = require('express');
const cors = require('cors');
const app = express();

// CORSミドルウェアの適用(全てのドメインを許可)
app.use(cors());

app.get('/api/data', (req, res) => {
  res.json({ message: 'Hello from server!' });
});

app.listen(3000, () => {
  console.log('Server listening on port 3000');
});

上記のコードでは、cors() ミドルウェアを使用することで、全てのドメインからのリクエストを許可しています。より厳密な制御が必要な場合は、cors オプションを指定します。

app.use(cors({
  origin: 'https://example.com' // 特定のドメインのみ許可
}));

クライアント側のコード例 (JavaScript)

fetch('https://api.example.com/data')
  .then(response => {
    if (!response.ok) {
      throw new Error('Network response was not ok');
    }
    return response.json();
  })
  .then(data => {
    console.log(data   );
  })
  .catch(error => {
    console.error('Error:', error);
  });

上記のコードでは、fetch APIを使用して別のドメインのAPIエンドポイントにリクエストを送信しています。CORSが正しく設定されていない場合、ブラウザはエラーを発生させます。  

プリフライトリクエスト

POST、PUT、DELETEなどのメソッドを使用する場合は、ブラウザは事前に「OPTIONS」メソッドのリクエストを送信します。これをプリフライトリクエストと言います。サーバは、このリクエストに対して適切なレスポンスを返す必要があります。

  • ACAOヘッダの値にワイルドカード(*)を使用すると、セキュリティリスクが高まるため、推奨されません。



CORSの代替手法

CORS (Cross-Origin Resource Sharing) は、異なるドメイン間のリソース共有を可能にするメカニズムで、Access-Control-Allow-Origin (ACAO) ヘッダが重要な役割を果たします。しかし、CORS以外の方法も存在します。

JSONP (JSON with Padding)

  • コード例
    • サーバ側
      res.send('callbackName({"data": "some data"})');
      
    • クライアント側
      function callbackName(data) {
        // データの処理
      }
      
  • 特徴
    シンプルですが、セキュリティリスクが高く、現代的なアプリケーションにはあまり推奨されません。

WebSocket

  • コード例
    const socket = new WebSocket('ws://example.com/websocket');
    
  • 特徴
    CORSとは異なるプロトコルですが、クロスドメイン通信を実現できます。

プロキシサーバ

  • コード例
  • 特徴
    サーバ側の設定変更が不要ですが、追加のインフラが必要となります。

ドメインのホワイトリスト化

  • コード例
    app.use(cors({
      origin: 'https://example.com'
    }));
    
  • 特徴
    ACAOヘッダの設定と組み合わせることで、より安全な通信を実現できます。
  • プロキシサーバやドメインのホワイトリスト化は、追加のインフラや設定が必要となります。
  • WebSocketはリアルタイム通信に適していますが、全てのケースに適用できるわけではありません。
  • JSONPはセキュリティリスクが高く、現代的なアプリケーションでは使用を避けるべきです。

重要なポイント

  • 可能であれば、CORSを使用することを推奨します。
  • アプリケーションの要件と制約を考慮してください。
  • セキュリティは常に優先事項です。

javascript cross-domain cors



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