JavaScriptの厳格モード解説

2024-08-24

JavaScriptのuse strictについて

use strictの役割

JavaScriptのuse strictディレクティブは、コードの実行モードを厳格モード(strict mode)に設定します。このモードでは、JavaScriptのエラー処理がより厳密になり、潜在的な問題を早期に検出することができます。

厳格モードは、次の理由で導入されました:

  1. エラー検出の強化
    厳格モードでは、JavaScriptの仕様に準拠していないコードがエラーとして扱われます。これにより、潜在的なバグを早期に発見し、修正することができます。
  2. コードの保守性向上
    厳格モードでは、コードの構造がより整頓され、読みやすくなります。これにより、コードの保守性が向上します。
  3. パフォーマンスの改善
    厳格モードでは、JavaScriptエンジンの最適化がより効果的に行われることがあります。
'use strict';

// 厳格モードでのエラー例
function myFunction() {
  x = 10; // 参照エラーが発生します
}

myFunction();

上記のコードでは、xが宣言されていないため、厳格モードでは参照エラーが発生します。通常のモードでは、xがグローバル変数として暗黙的に宣言されるため、エラーは発生しません。

JSLintとuse strict

JSLintは、JavaScriptのコード品質チェックツールです。JSLintは、コードのエラーやスタイル違反を検出し、修正を提案します。JSLintは、厳格モードの使用を推奨しており、コードの品質向上に役立ちます。




JavaScriptの厳格モード解説:コード例

厳格モードの有効化

'use strict';

このコード行をスクリプトの先頭に配置することで、そのスクリプト全体で厳格モードが有効になります。

厳格モードでのエラー例

宣言されていない変数の使用

'use strict';

x = 10; // ReferenceError: x is not defined

厳格モードでは、宣言されていない変数を使用すると参照エラーが発生します。

重複する変数の宣言

'use strict';

var x = 10;
var x = 20; // SyntaxError: Duplicate declaration "x"

厳格モードでは、同じスコープ内で同じ変数を複数回宣言することはできません。

オブジェクトのプロパティの削除

'use strict';

var obj = { x: 10 };
delete obj.x; // SyntaxError: Cannot delete property 'x' of object

厳格モードでは、オブジェクトのプロパティを削除することはできません。

厳格モードでの機能の違い

thisキーワード

'use strict';

function myFunction() {
  console.log(this); // ログにはグローバルオブジェクトが表示される
}

myFunction();

厳格モードでは、関数内のthisキーワードは、呼び出し元のオブジェクトではなく、グローバルオブジェクトを参照します。

argumentsオブジェクト

'use strict';

function myFunction(a, b) {
  arguments[0] = 100;
  console.log(a); // ログには100が表示される
}

myFunction(10);

厳格モードでは、argumentsオブジェクトの要素を変更すると、対応する関数のパラメータも変更されます。

デフォルトパラメータ

'use strict';

function myFunction(x = 10) {
  console.log(x); // ログには10が表示される
}

myFunction();



ESLintやJSHintの使用

ESLintやJSHintなどのJavaScriptのコードリンターを使用することで、厳格モードに準拠したコーディングスタイルを強制することができます。これらのツールは、コードのエラーやスタイル違反を検出し、修正を提案します。

命名規則の遵守

適切な命名規則に従うことで、コードの可読性と保守性を向上させることができます。これにより、潜在的なエラーを減らすことができます。

TypeScriptの使用

TypeScriptは、JavaScriptのスーパーセットであり、静的型付けをサポートします。TypeScriptを使用することで、コンパイル時にエラーを検出することができます。

コードレビュー

コードレビューを実施することで、他の開発者からフィードバックを受け取り、コードの品質を向上させることができます。

テスト駆動開発(TDD)

TDDの原則に従って開発することで、コードの品質とテストカバレッジを向上させることができます。

継続的インテグレーション(CI)

CIツールを使用して、コードのビルド、テスト、デプロイを自動化することで、エラーを早期に検出することができます。

経験と知識の蓄積

JavaScriptのベストプラクティスや最新の仕様を学び、経験を積むことで、エラーを回避し、高品質なコードを開発することができます。


javascript syntax jslint



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