ASP.NET MVCにおけるグリッドコントロール (ASP.NET MVC でのグリッド制御)
ASP.NET MVC でデータを視覚的に表現する際によく使われるのが「グリッドコントロール」です。これは、表形式でデータを並べて表示するのに役立つライブラリのことです。代表的な用語としては以下が挙げられます。
- Grid: 表形式でデータを並べる要素を指します。
- jQuery: JavaScript ライブラリで、DOM操作やイベント処理などを簡潔に記述できます。
- ASP.NET MVC: ウェブアプリケーション開発フレームワークの一つです。
ASP.NET MVC でグリッドコントロールを利用する方法はいくつかあります。代表的なものとしては以下が挙げられます。
前提
- NuGet パッケージマネージャーを使用して
jQuery
とDataTables
ライブラリがインストール済みであること - ASP.NET MVC プロジェクトが作成済みであること
モデルの作成
まず、表示するデータのモデルクラスを作成します。ここでは、以下の単純なモデルクラスを定義します。
public class Product
{
public int Id { get; set; }
public string Name { get; set; }
public decimal Price { get; set; }
}
コントローラーの作成
次に、グリッドに表示するデータを取得するアクションメソッドをコントローラー内に定義します。
public class ProductController : Controller
{
public ActionResult Index()
{
// データを生成 (今回はサンプルのため、ダミーデータを使用)
List<Product> products = new List<Product>();
products.Add(new Product { Id = 1, Name = "商品1", Price = 1000 });
products.Add(new Product { Id = 2, Name = "商品2", Price = 2000 });
products.Add(new Product { Id = 3, Name = "商品3", Price = 3000 });
return View(products);
}
}
ビューの作成
最後に、グリッドを表示するビューを定義します。
@model List<Product>
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>商品一覧</title>
<script src="~/Scripts/jquery-3.6.0.min.js"></script>
<script src="~/Scripts/jquery.dataTables.min.js"></script>
<link rel="stylesheet" href="~/Content/dataTables.bootstrap5.min.css" />
</head>
<body>
<h1>商品一覧</h1>
<table id="productsTable" class="table table-striped table-bordered">
<thead>
<tr>
<th>ID</th>
<th>商品名</th>
<th>価格</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
@foreach (var product in Model)
{
<tr>
<td>@product.Id</td>
<td>@product.Name</td>
<td>@product.Price</td>
</tr>
}
</tbody>
</table >
<script>
$(document).ready(function () {
$('#productsTable').DataTable();
});
</script>
</body>
</html>
説明
script
タグ内では、jQuery を使って#productsTable
を DataTables プラグインで初期化しています。<tbody>
セクションには、@foreach
ループを使って取得したデータをもとに各行のデータを表示します。<thead>
セクションにはヘッダー行を定義します。#productsTable
としてテーブル要素を作成し、クラス名にtable table-striped table-bordered
を指定することで、Bootstrap によるスタイリングが適用されます。- ビュー側では、
jquery-3.6.0.min.js
とjquery.dataTables.min.js
を読み込んでいます。
このコードを実行すると、商品一覧をシンプルなグリッドで表示することができます。DataTables では、ソートやフィルタリングなどの機能も標準でサポートされているので、必要に応じて設定を追加することができます。
ASP.NET MVC グリッドコントロールの代替手段 (代替プログラミング方法)
ASP.NET MVC でグリッドコントロールを実装する方法はいくつかあります。先ほど紹介した jQuery DataTables 以外にも、以下のような選択肢があります。
サードパーティライブラリ
Telerik や DevExpress などの商用ライブラリは、jQuery DataTables よりも豊富な機能を備えています。主な特徴としては以下が挙げられます。
- チャート統合: グリッド内のデータを元にチャートを表示する機能も備えているライブラリもあります。
- カスタマイズ性: 見た目や挙動を細かくカスタマイズできます。
- ページング: 大量のデータを扱う場合に、表示するページを切り替えることができます。
- 編集機能: グリッド上で直接データの編集が可能です。
- 高度なソート・フィルタリング: 日付範囲検索、複数列での同時ソートなど、複雑な条件による絞り込みが可能です。
ただし、商用ライブラリは基本的に有料であるため、予算や必要な機能に応じて検討する必要があります。
HTML ヘルパー
ASP.NET MVC には、 Html.Grid
ヘルパーが用意されています。こちらはシンプルなグリッド表示に適しており、基本的な列表示やヘッダーの作成が可能です。
コード例
@model List<Product>
@Html.Grid(Model)
.Columns(columns =>
{
columns.Add(col => col.Id).Title("ID");
columns.Add(col => col.Name).Title("商品名");
columns.Add(col => col.Price).Title("価格").Format("{0:#,0}");
})
このコードでは、 Model
に格納された Product
クラスのリストをグリッドで表示します。 Columns
メソッドを使って、表示する列を定義しています。
ソートやフィルタリングなどの機能はサポートされていないため、複雑なグリッドが必要な場合は、他の方法が適しています。
カスタム グリッド作成
ライブラリに頼らず、HTML と JavaScript を組み合わせて、完全にカスタマイズされたグリッドを作成することも可能です。こちらは高度な技術が必要になりますが、完全に独自の挙動と見た目を作り込むことができます。
グリッドコントロールを実装する際は、以下の点を考慮して選択しましょう。
- カスタマイズ性
- 予算
- 開発工期
- 必要とする機能 (ソート、フィルタリング、編集など)
jquery asp.net-mvc grid