JavaScript プロトタイプベース vs クラスベース: オブジェクト指向プログラミングの違い

2024-07-27

JavaScriptはプロトタイプベース言語:オブジェクト指向プログラミングの理解を深める

JavaScriptは、Web開発で最も人気のあるプログラミング言語の一つですが、他の多くのオブジェクト指向言語とは異なり、プロトタイプベース言語という特徴があります。この仕組みを理解することは、JavaScriptで効率的にオブジェクト指向プログラミングを行う上で非常に重要です。

オブジェクト指向プログラミングとは?

オブジェクト指向プログラミングは、コードを再利用し、より効率的に開発するために、コードを「オブジェクト」と呼ばれるまとまりに分割するプログラミング手法です。オブジェクトには、データとそれを操作するための機能(メソッド)が含まれます。

クラスベースとプロトタイプベース

オブジェクト指向言語には、主に2つの種類があります。

  • プロトタイプベース
    オブジェクトの原型となる「プロトタイプ」と呼ばれるオブジェクトを作成し、そこから新しいオブジェクトを生成します。
  • クラスベース
    オブジェクトを生成するためのテンプレートとなる「クラス」を定義します。クラスは、オブジェクトの構造と動作を定義します。

JavaScriptにおけるプロトタイプベース

JavaScriptはプロトタイプベース言語であり、クラスではなくプロトタイプを使ってオブジェクトを作成します。

  • プロトタイプチェーン
    オブジェクトは、プロパティやメソッドを見つけるために、自身のプロトタイプだけでなく、そのプロトタイプも参照していく連鎖構造になっています。
  • 継承
    新しいオブジェクトは、既存のオブジェクトのプロトタイプからプロパティとメソッドを継承することができます。
  • プロトタイプ
    オブジェクトの構造と動作を定義するオブジェクトです。
  • シンプルさ
    クラスベース言語よりもコードがシンプルで分かりやすくなります。
  • 柔軟性
    オブジェクトを自由に作成、変更、拡張することができます。
  • 軽量性
    クラスベース言語と比べて、メモリ使用量が少なく、処理速度が速くなります。
  • 誤った継承
    意図せずして、プロトタイプから不要なプロパティやメソッドを継承してしまう可能性があります。
  • 複雑なコード
    継承関係が複雑になると、コードが分かりにくくなり、デバッグが難しくなる可能性があります。

JavaScriptはプロトタイプベース言語という特徴を持ち、クラスベース言語とは異なるオブジェクト指向プログラミングの仕組みを持っています。この仕組みを理解することは、JavaScriptで効率的に開発を行う上で重要です。

  • 本解説は、JavaScriptにおけるプロトタイプベースの基礎的な内容を説明しています。



シンプルなオブジェクト

// Personオブジェクトを作成
function Person(name, age) {
  this.name = name;
  this.age = age;
}

// PersonオブジェクトのプロトタイプにsayHelloメソッドを追加
Person.prototype.sayHello = function() {
  console.log(`Hello, my name is ${this.name} and I am ${this.age} years old.`);
};

// 新しいPersonオブジェクトを作成
const person1 = new Person('John Doe', 30);

// sayHelloメソッドを呼び出す
person1.sayHello();

継承

// Employeeオブジェクトを作成
function Employee(name, age, department) {
  // Personオブジェクトを継承
  Person.call(this, name, age);

  this.department = department;
}

// EmployeeオブジェクトのプロトタイプにgetSalaryメソッドを追加
Employee.prototype.getSalary = function() {
  console.log(`My salary is $50,000.`);
};

// 新しいEmployeeオブジェクトを作成
const employee1 = new Employee('Jane Doe', 35, 'Sales');

// sayHelloメソッドとgetSalaryメソッドを呼び出す
employee1.sayHello();
employee1.getSalary();
  • employee1オブジェクトは、Personオブジェクトのプロパティとメソッドだけでなく、Employeeオブジェクトのプロパティとメソッドも使用することができます。
  • Employeeオブジェクトは、departmentというプロパティと、getSalaryというメソッドを追加しています。
  • 2つ目の例では、Employeeオブジェクトを作成し、Personオブジェクトを継承しています。
  • 1つ目の例では、Personオブジェクトを作成し、nameageというプロパティと、sayHelloというメソッドを追加しています。



インタラクティブな学習ツール

書籍

これらの書籍は、JavaScriptのオブジェクト指向プログラミングについて詳しく解説されています。

チュートリアル

これらのチュートリアルは、プロトタイプベースの仕組みを段階的に学べるようになっています。

オンラインコース

これらのオンラインコースは、ビデオや演習を通して、プロトタイプベースの仕組みを学べるようになっています。

コミュニティ


javascript oop inheritance



テキストエリア自動サイズ調整 (Prototype.js)

Prototype. js を使用してテキストエリアのサイズを自動調整する方法について説明します。Prototype. js を読み込みます。window. onload イベントを使用して、ページの読み込み後にスクリプトを実行します。$('myTextarea') でテキストエリアの要素を取得します。...


JavaScript数値検証 IsNumeric() 解説

JavaScriptでは、入力された値が数値であるかどうかを検証する際に、isNaN()関数やNumber. isInteger()関数などを利用することが一般的です。しかし、これらの関数では小数点を含む数値を適切に検出できない場合があります。そこで、小数点を含む数値も正しく検証するために、IsNumeric()関数を実装することが有効です。...


jQueryによるHTMLエスケープ解説

JavaScriptやjQueryでHTMLページに動的にコンテンツを追加する際、HTMLの特殊文字(<, >, &, など)をそのまま使用すると、意図しないHTML要素が生成される可能性があります。これを防ぐために、HTML文字列をエスケープする必要があります。...


JavaScriptフレームワーク:React vs Vue.js

JavaScriptは、Webページに動的な機能を追加するために使用されるプログラミング言語です。一方、jQueryはJavaScriptライブラリであり、JavaScriptでよく行う操作を簡略化するためのツールを提供します。jQueryを学ぶ場所...


JavaScriptオブジェクトプロパティの未定義検出方法

JavaScriptでは、オブジェクトのプロパティが定義されていない場合、そのプロパティへのアクセスはundefinedを返します。この現象を検出して適切な処理を行うことが重要です。最も単純な方法は、プロパティの値を直接undefinedと比較することです。...



SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



JavaScript、HTML、CSSでWebフォントを検出する方法

CSS font-family プロパティを使用するCSS font-family プロパティは、要素に適用されるフォントファミリーを指定するために使用されます。このプロパティを使用して、Webページで使用されているフォントのリストを取得できます。


ポップアップブロック検知とJavaScript

ポップアップブロックを検知する目的ポップアップブロックはユーザーのプライバシーやセキュリティを保護するためにブラウザに組み込まれている機能です。そのため、ポップアップブロックが有効になっている場合、ポップアップを表示することができません。この状況を検知し、適切な対策を講じるために、JavaScriptを使用することができます。


HTML要素の背景色をJavaScriptでCSSプロパティを使用して設定する方法

JavaScriptを使用すると、CSSプロパティを動的に変更して、HTML要素の背景色を制御できます。この方法により、ユーザーの入力やページの状況に応じて、背景色をカスタマイズすることができます。HTML要素の参照を取得HTML要素の参照を取得


JavaScript オブジェクトの長さについて

JavaScriptにおけるオブジェクトは、プロパティとメソッドを持つデータ構造です。プロパティはデータの値を保持し、メソッドはオブジェクトに対して実行できる関数です。JavaScriptの標準的なオブジェクトには、一般的に「長さ」という概念はありません。これは、配列のようなインデックスベースのデータ構造ではないためです。


JavaScriptグラフ可視化ライブラリ解説

JavaScriptは、ウェブブラウザ上で動作するプログラミング言語です。その中で、グラフの可視化を行うためのライブラリが数多く存在します。これらのライブラリは、データ構造やアルゴリズムを視覚的に表現することで、理解を深める助けとなります。