TypeScriptで関数の戻り型を宣言する方法

2024-09-20

JavaScriptでは、関数の戻り型を明示的に指定することは必須ではありません。関数が返す値の型は、実行時に動的に決定されます。

TypeScriptでは、関数の戻り型を明示的に指定することが推奨されています。これにより、コードの可読性と保守性を向上させることができます。戻り型の宣言は、関数名の後にコロン(:)を付けて、戻り型の型を指定します。


function add(a: number, b: number): number {
  return a + b;
}

const result: number = add(1, 2);

この例では、add関数の戻り型はnumberと宣言されています。これは、関数が常に数値を返すことを示しています。

戻り型の利点

  • 自動補完
    IDEが戻り型の情報に基づいて自動補完を提供することができます。
  • 保守性
    型チェックにより、エラーを早期に検出することができます。
  • 可読性
    コードの意図が明確になり、他の開発者が理解しやすくなります。

戻り型の宣言方法

  • ジェネリクス
    Tなどの型変数を使用して、任意の型を指定することができます。
  • オブジェクト
    { property: type }形式でプロパティと型を指定します。
  • 配列
    number[], string[]など。
  • 基本型
    number, string, boolean, null, undefinedなど。

注意

  • never
    関数が決して正常に終了しない場合は、neverを指定します。
  • void
    関数が何も返さない場合は、voidを指定します。

OOP (Object-Oriented Programming)との関係

TypeScriptはオブジェクト指向プログラミングをサポートしており、関数はメソッドとしてクラスに定義されることもあります。メソッドの戻り型も同様に宣言されます。

class Person {
  name: string;

  constructor(name: string) {
    this.name = name;
  }

  getName(): string {
    return this.name;
  }
}



基本的な例

// 数値を返す関数
function add(a: number, b: number): number {
  return a + b;
}

// 文字列を返す関数
function greet(name: string): string {
  return "Hello, " + name + "!";
}

// 値を返さない関数 (void)
function logMessage(message: string): void {
  console.log(message);
}

配列を返す関数

function getNumbers(): number[] {
  return [1, 2, 3, 4, 5];
}

オブジェクトを返す関数

interface Person {
  name: string;
  age: number;
}

function createPerson(name: string, age: number): Person {
  return {
    name,
    age
  };
}

ジェネリクスを使用する関数

function identity<T>(value: T): T {
  return value;
}

クラスのメソッドにおける戻り型

class Calculator {
  add(a: number, b: number): number {
    return a + b;
  }
}



型推論

TypeScriptの型推論機能は、関数の戻り型を自動的に推測することができます。戻り値の型が明確な場合は、明示的に宣言しなくても構いません。

function add(a: number, b: number) {
  return a + b; // TypeScriptは戻り型を自動的に推測し、numberとします
}

インターフェースや型エイリアス

関数の戻り型が複雑な場合は、インターフェースや型エイリアスを使用して定義することができます。これにより、コードの可読性と再利用性を向上させることができます。

interface Person {
  name: string;
  age: number;
}

function createPerson(name: string, age: number): Person {
  return {
    name,
    age
  };
}

戻り値の型アノテーション

関数の戻り値の型を直接アノテーションすることもできます。これは、特に関数が複数の戻り値型を持つ場合に便利です。

function getLengthOrUndefined(value: string | null): number | undefined {
  if (value === null) {
    return undefined;
  }
  return value.length;
}

ジェネリクス

ジェネリクスを使用することで、関数の戻り型を柔軟に指定することができます。これにより、さまざまなデータ型を受け入れる関数を定義することができます。

function identity<T>(value: T): T {
  return value;
}

javascript typescript oop



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