文字列からストリーム作成 (Node.js)

2024-10-08

Node.jsで文字列からストリームを作成する

Node.jsでは、文字列をストリームに変換して、非同期処理やパイプライン処理を活用することができます。以下に、文字列からストリームを作成する方法を解説します。

Readableストリームの作成

Readableストリームは、データを読み込むためのストリームです。文字列から Readable ストリームを作成するには、streamモジュールの Readable クラスを使用します。

const { Readable } = require('stream');

const string = 'This is a sample string.';

const readableStream = new Readable({
  read(size) {
    // 文字列をチャンクごとに読み込む
    const chunk = this.push(string.slice(0, size));
    // 文字列が読み込まれたら終了
    if (!chunk) this.push(null);
  }
});

作成した Readable ストリームは、他のストリームや処理関数にパイプライン処理を適用することができます。

readableStream.pipe(process.stdout); // ストリームを標準出力にパイプ

Readable ストリームは、以下のイベントを発行します。

  • error: エラーが発生したとき
  • end: ストリームが終了したとき
  • data: データが読み込まれたとき

これらのイベントを使用して、ストリームの処理を制御することができます。

例: 文字列をファイルに書き込む

const fs = require('fs');

readableStream.pipe(fs.createWriteStream('output.txt'));



コードの解説

const { Readable } = require('stream');

const string = 'This is a sample string.';

const readableStream = new Readable({
  read(size) {
    // 文字列をチャンクごとに読み込む
    const chunk = this.push(string.slice(0, size));
    // 文字列が読み込まれたら終了
    if (!chunk) this.push(null);
  }
});

コードの各部分の説明

  • read(size)関数

    • この関数は、ストリームからデータが要求されたときに呼び出されます。
    • size引数は、要求されたデータのサイズを表します。
    • this.push(string.slice(0, size))で、文字列の一部をチャンクとしてストリームにプッシュします。sliceメソッドを使用して、指定されたサイズ分の文字列を切り出します。
    • this.push(null)で、全てのデータが読み込まれたことを示し、ストリームを終了します。
  • const readableStream = new Readable({ ... });

    • Readableクラスの新しいインスタンスを作成し、readableStream変数に代入します。オブジェクト引数には、ストリームの動作をカスタマイズするためのオプションを渡します。
  • const string = 'This is a sample string.';

    • ストリームに変換したい文字列を定義します。
  • const { Readable } = require('stream');

    • streamモジュールからReadableクラスをインポートします。Readableクラスは読み込み可能なストリームを作成するために使用されます。

コードの動作

  1. ストリームの作成
    上記のコードを実行すると、string変数の文字列をデータとするReadableストリームが作成されます。
  2. データの読み込み
    ストリームからデータを読み込む処理(例えば、パイプライン処理など)が実行されると、read(size)関数が呼び出されます。
  3. チャンクの生成
    read(size)関数内で、指定されたサイズ分の文字列がチャンクとして生成され、ストリームにプッシュされます。
  4. ストリームの終了
    全てのデータがプッシュされると、this.push(null)が呼び出され、ストリームが終了します。

ストリームの利用例

readableStream.pipe(process.stdout); // ストリームを標準出力にパイプ
  • pipeメソッドを使用して、readableStreamprocess.stdout(標準出力)にパイプします。これにより、ストリームから読み込まれたデータがコンソールに出力されます。

Node.jsで文字列からストリームを作成することで、非同期処理やパイプライン処理を柔軟に行うことができます。Readableクラスのreadメソッドをオーバーライドすることで、様々な種類のストリームを作成することができます。

ポイント

  • パイプライン処理によって、複数のストリームを連結し、複雑なデータ処理を実現することができます。
  • ストリームは、一度に全てのデータをメモリに読み込むのではなく、必要に応じて少しずつデータを読み込むため、大規模なデータ処理に適しています。

応用例

  • データの変換やフィルタリングを行う
  • HTTPリクエストのレスポンスを処理する
  • ファイルからデータを読み込む



fromメソッドを利用する

Node.js v10以降では、streamモジュールにfromメソッドが追加されました。このメソッドは、IterableやAsyncIteratorからReadableストリームを簡単に作成できる便利な方法です。

const { from } = require('stream');

const string = 'This is a sample string.';

const readableStream = from(string);

この方法は、従来のReadableクラスを継承して_readメソッドを実装するよりも簡潔に記述できます。

サードパーティライブラリを利用する

  • resumer
    • resumerは、文字列やバッファを簡単にReadableストリームに変換するための小さなライブラリです。
    • 一行でストリームを作成できる簡潔さが特徴です。
const resumer = require('resumer');

const readableStream = resumer(string);
  • streamify
    • streamifyは、様々なオブジェクトをストリームに変換するための汎用的なライブラリです。
    • 文字列だけでなく、関数やPromiseなど、様々なオブジェクトをストリームに変換できます。
const streamify = require('streamify');

const readableStream = streamify(string);

カスタムストリームを作成する

より高度なカスタマイズが必要な場合は、Readableクラスを継承して、_readメソッドをオーバーライドすることで、独自のストリームを作成することも可能です。

const { Readable } = require('stream');

class CustomReadable extends Readable {
  constructor(string) {
    super();
    this.string = string;
  }

  _read(size) {
    // 独自のロジックでデータを読み込む
    const chunk = this.string.slice(0, size);
    this.push(chunk);
    if (chunk.length < size) this.push(null);
  }
}

const readableStream = new CustomReadable(string);

各方法の比較

方法特徴適しているケース
Readableクラスを継承自由度が高い複雑なロジックが必要な場合
fromメソッド簡潔IterableやAsyncIteratorからストリームを作成する場合
resumer簡潔文字列をストリームに変換する場合
streamify汎用的様々なオブジェクトをストリームに変換する場合

Node.jsで文字列からストリームを作成する方法は、様々な選択肢があります。どの方法を選ぶかは、プロジェクトの要件や開発者の好みによって異なります。

  • 汎用的な変換
    streamifyがおすすめです。
  • 高度なカスタマイズ
    Readableクラスを継承する方法がおすすめです。
  • シンプルなケース
    fromメソッドやresumerがおすすめです。

これらの方法を理解することで、より柔軟なストリーム処理が可能になります。

  • 大量のデータを処理する際には、ストリームを使うことでメモリ使用量を抑えることができます。
  • ストリームは、非同期処理やパイプライン処理において非常に強力なツールです。
  • 上記以外にも、様々なライブラリや手法が存在します。

注意点

  • ストリームのエラー処理は適切に行う必要があります。
  • ストリームは、一度読み込んだデータは破棄されるため、何度も読み込む必要がある場合は、バッファにデータを保存する必要があります。

javascript string node.js



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