TypeScript宣言ファイルでC#クラスの型情報を活用
TypeScriptプロジェクトで既存のC#クラス定義を再利用する方法
C#とTypeScriptは、どちらもオブジェクト指向プログラミング言語ですが、異なるプラットフォームをターゲットとしています。C#は主に.NET FrameworkとWindows向けに開発されていますが、TypeScriptは主にWeb開発向けに開発されています。
プロジェクトで既にC#クラスを定義済みの場合、そのクラスをTypeScriptプロジェクトで再利用したい場合があります。これを実現するには、いくつかの方法があります。
方法
- .NET互換ライブラリを使用する
Telerik Prism、TypeLiteなどの.NET互換ライブラリを使用すると、C#クラスをTypeScriptでシームレスに呼び出すことができます。これらのライブラリは、C#クラスをメタデータに変換し、それをTypeScriptが理解できる形式に変換します。
- 手動で宣言する
.NET互換ライブラリを使用しない場合は、C#クラスを手動でTypeScriptに宣言できます。これには、C#クラスのプロパティ、メソッド、およびインターフェースをTypeScriptに対応する構文で宣言する必要があります。
- TypeScript宣言ファイル(*.d.ts)を使用する
C#クラスの宣言を含むTypeScript宣言ファイル(*.d.ts)を作成することもできます。このファイルにより、TypeScriptコンパイラはC#クラスの存在を認識し、それらのクラスに対して型安全なコードを書くことができます。
例
以下の例では、Person
という名前のC#クラスをTypeScriptプロジェクトで再利用する方法を示します。
C#
public class Person
{
public string Name { get; set; }
public int Age { get; set; }
public Person(string name, int age)
{
Name = name;
Age = age;
}
}
TypeScript
// .NET互換ライブラリを使用する場合
import { Person } from 'my-net-compatible-library';
const person = new Person('John Doe', 30);
console.log(person.name); // 'John Doe'
console.log(person.age); // 30
// 手動で宣言する場合
class Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number) {
this.name = name;
this.age = age;
}
}
const person = new Person('John Doe', 30);
console.log(person.name); // 'John Doe'
console.log(person.age); // 30
// TypeScript宣言ファイルを使用する場合
// person.d.ts
declare class Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number);
}
// main.ts
const person = new Person('John Doe', 30);
console.log(person.name); // 'John Doe'
console.log(person.age); // 30
C#クラスをTypeScriptプロジェクトで再利用するには、.NET互換ライブラリ、手動宣言、またはTypeScript宣言ファイルのいずれかを使用できます。使用する方法は、プロジェクトの要件に応じて異なります。
- TypeScriptプロジェクトでC#クラスを再利用する場合は、互換性とパフォーマンスの問題に注意する必要があります。
- C#とTypeScriptは異なる言語であることに注意することが重要です。そのため、C#コードをTypeScriptに完全に移植できない場合があります。
- 上記の例は単純化されています。実際のプロジェクトでは、より複雑なクラスと関係を扱う必要がある場合があります。
// .NET互換ライブラリを使用する場合
import { Person } from 'my-net-compatible-library';
const person = new Person('John Doe', 30);
console.log(person.name); // 'John Doe'
console.log(person.age); // 30
// 手動で宣言する場合
class Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number) {
this.name = name;
this.age = age;
}
}
const person = new Person('John Doe', 30);
console.log(person.name); // 'John Doe'
console.log(person.age); // 30
// TypeScript宣言ファイルを使用する場合
// person.d.ts
declare class Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number);
}
// main.ts
const person = new Person('John Doe', 30);
console.log(person.name); // 'John Doe'
console.log(person.age); // 30
説明
この例では、my-net-compatible-library
という架空の.NET互換ライブラリを使用しています。このライブラリは、Person
という名前のC#クラスをTypeScriptで公開します。
この例では、Person
という名前のC#クラスを手動でTypeScriptに宣言します。このクラスは、C#クラスの構造と機能を忠実に再現します。
TypeScript宣言ファイルを使用する
この例では、person.d.ts
という名前のTypeScript宣言ファイルを作成します。このファイルは、C#クラスの存在と型情報をTypeScriptコンパイラに提供します。
JavaScriptインターフェースを使用する
C#クラスのインターフェースをJavaScriptで定義し、そのインターフェースを実装するTypeScriptクラスを作成することができます。これにより、C#クラスの型情報と構造をTypeScriptで利用することができます。
// JavaScriptインターフェース
interface Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number);
}
// TypeScriptクラス
class PersonImpl implements Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number) {
this.name = name;
this.age = age;
}
}
WebAssemblyを使用する
C#コードをWebAssemblyモジュールにコンパイルし、そのモジュールをTypeScriptプロジェクトで呼び出すことができます。これにより、C#コードのパフォーマンスとネイティブな機能を利用することができます。
C#からJavaScriptを生成するツールを使用する
EmbassyやBridge.NETなどのツールを使用して、C#コードからJavaScriptコードを自動的に生成することができます。これにより、手動でコードを移植する時間を節約することができます。
検討すべき事項
どの方法を選択するかは、プロジェクトの要件と制約によって異なります。
- 移植性: C#からJavaScriptを生成するツールを使用すると、コードの移植にかかる時間を節約できます。
- パフォーマンス: WebAssemblyを使用すると、最も高いパフォーマンスを実現できます。
- 型安全性: TypeScript宣言ファイルを使用すると、最も強い型安全性を実現できます。
- シンプルさ: .NET互換ライブラリを使用するか、手動で宣言するのが最も簡単です。
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