Node.jsバッファからストリームへ

2024-10-10

Node.jsでは、バッファをReadableStreamに変換して、ストリーム処理を行うことができます。ReadableStreamは、ストリームデータを読み込むためのインターフェースです。

以下は、バッファをReadableStreamに変換するコードの例です。

const { Readable } = require('stream');

const buffer = Buffer.from('Hello, world!');

const readableStream = new Readable({
  read() {
    if (buffer.length > 0) {
      this.push(buffer);
      buffer = Buffer.alloc(0);
    } else {
      this.push(null);
    }
  }
});

readableStream.on('data', (chunk) => {
  console.log(chunk.toString());
});

readableStream.on('end', () => {
  console.log('Stream ended');
});

このコードでは、まず、バッファを作成します。次に、ReadableStreamを作成し、read()メソッドを実装します。read()メソッドは、バッファからデータを読み込み、ストリームにプッシュします。バッファが空になると、nullをプッシュしてストリームを終了します。

ストリームのデータを受け取るために、dataイベントを登録します。dataイベントが発生すると、ストリームから読み込まれたデータを受け取ることができます。ストリームが終了すると、endイベントが発生します。

このコードを実行すると、以下のように出力されます。

Hello, world!
Stream ended



コードの目的

Node.jsにおいて、バッファ(Buffer)は一度に読み込まれたデータの塊を表します。一方、ReadableStreamは、データが連続的に読み込まれるようなストリーム処理を可能にするインターフェースです。このコードは、一度に読み込まれたバッファ内のデータを、ストリームとして扱いやすくするために、ReadableStreamに変換する処理を示しています。

コードの解説

const { Readable } = require('stream');

const buffer = Buffer.from('Hello, world!');

const readableStream = new Readable({
  read() {
    if (buffer.length > 0) {
      this.push(buffer);
      buffer = Buffer.alloc(0);
    } else {
      this.push(null);
    }
  }
});

readableStream.on('data', (chunk) => {
  console.log(chunk.toString());
});

readableStream.on('end', () => {
  console.log('Stream ended');
});
  1. const { Readable } = require('stream');:

    • streamモジュールからReadableクラスをインポートします。これは、読み込み可能なストリームを作成するための基底クラスです。
  2. const buffer = Buffer.from('Hello, world!');:

    • 'Hello, world!'という文字列をバッファに変換します。このバッファが、ReadableStreamのデータ源となります。
  3. const readableStream = new Readable({ ... });:

    • Readableクラスのインスタンスを作成し、readableStream変数に代入します。
    • オブジェクト引数で、read()メソッドを指定します。このメソッドが、ストリームからデータを読み出す際に呼び出されます。
  4. read()メソッド:

    • バッファにデータが残っている場合は、this.push(buffer)でデータをストリームにプッシュします。
    • バッファが空になった場合は、this.push(null)でストリームの終了を通知します。
  5. readableStream.on('data', ...);:

    • dataイベントが発生するたびに、chunkという引数にデータのチャンクが渡されます。この例では、console.log()でチャンクの内容を出力しています。
    • ストリームが完全に終了した時に、endイベントが発生します。この例では、console.log()で終了を通知しています。

コードの動作

  1. bufferに格納されたデータが、readableStreamというストリームに渡されます。
  2. dataイベントが発生し、chunk'Hello, world!'というデータが渡されます。
  3. console.log()でデータが出力されます。
  4. ストリームが終了し、endイベントが発生します。

このコードは、バッファ内のデータをストリームとして扱いやすくするための基本的な例です。ReadableStreamに変換することで、パイプライン処理やバックプレッシャーなどのストリームならではの機能を活用することができます。

  • pipe()メソッド: ReadableStreamからWritableStreamへデータを転送する際に、pipe()メソッドを使用します。
  • destroy()メソッド: ストリームを意図的に終了させたい場合は、destroy()メソッドを使用します。
  • highWaterMarkオプション: Readableクラスのコンストラクタには、highWaterMarkオプションを指定することで、一度に読み込むデータの量を制御できます。

応用例

  • データの変換
  • データの圧縮/解凍
  • ネットワークからのデータの受信
  • ファイルの読み込み

これらの処理を、ストリーム処理を用いて効率的に行うことができます。




Readable.from()メソッド (Node.js 10.17.0以降)

Node.js 10.17.0以降では、Readableクラスにfrom()という静的メソッドが追加されました。このメソッドは、バッファやArrayBuffer、AsyncIterableといった様々なデータソースからReadableStreamを簡単に作成することができます。

const { Readable } = require('stream');

const buffer = Buffer.from('Hello, world!');

const readableStream = Readable.from(buffer);

// 以降は、先ほどの例と同様に、dataイベントやendイベントで処理する

この方法は、read()メソッドを実装する必要がなく、より簡潔にReadableStreamを作成できます。

streamifyモジュール

streamifyモジュールは、任意のオブジェクトをReadableStreamに変換するための汎用的なモジュールです。

const streamify = require('streamify');

const buffer = Buffer.from('Hello, world!');

const readableStream = streamify(buffer);

このモジュールを使用すると、バッファだけでなく、Array、Generatorなど、様々な種類のオブジェクトをReadableStreamに変換できます。

PassThroughストリーム

PassThroughストリームは、入力されたデータをそのまま出力するストリームです。バッファをPassThroughストリームに書き込むことで、ReadableStreamとして扱うことができます。

const { PassThrough } = require('stream');

const buffer = Buffer.from('Hello, world!');

const passThroughStream = new PassThrough();
passThroughStream.end(buffer);

// passThroughStreamは、ReadableStreamとして扱うことができる

この方法は、より柔軟なストリーム処理を行う際に便利です。例えば、バッファの内容を加工したり、複数のストリームを結合したりすることができます。

どの方法を選ぶべきか?

  • 柔軟性
    PassThroughストリームは、より高度なストリーム処理に適しています。
  • 汎用性
    streamifyモジュールは、様々なデータソースに対応できます。
  • 簡潔さ
    Readable.from()が最もシンプルです。

どの方法を選ぶかは、使用する状況や、必要な機能によって異なります。

Node.jsでバッファをReadableStreamに変換する方法は、複数の選択肢があります。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。

重要なポイント

  • PassThroughストリームは、柔軟性が高い。
  • streamifyモジュールは、汎用性が高い。
  • Readable.from()は、簡潔で使いやすい。

選択の基準

  • ストリーム処理の複雑さ
  • 変換したいデータの種類
  • コードの簡潔さ

javascript node.js stream



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