Node.jsバッファからストリームへ
Node.jsでは、バッファをReadableStreamに変換して、ストリーム処理を行うことができます。ReadableStreamは、ストリームデータを読み込むためのインターフェースです。
以下は、バッファをReadableStreamに変換するコードの例です。
const { Readable } = require('stream');
const buffer = Buffer.from('Hello, world!');
const readableStream = new Readable({
read() {
if (buffer.length > 0) {
this.push(buffer);
buffer = Buffer.alloc(0);
} else {
this.push(null);
}
}
});
readableStream.on('data', (chunk) => {
console.log(chunk.toString());
});
readableStream.on('end', () => {
console.log('Stream ended');
});
このコードでは、まず、バッファを作成します。次に、ReadableStreamを作成し、read()
メソッドを実装します。read()
メソッドは、バッファからデータを読み込み、ストリームにプッシュします。バッファが空になると、null
をプッシュしてストリームを終了します。
ストリームのデータを受け取るために、data
イベントを登録します。data
イベントが発生すると、ストリームから読み込まれたデータを受け取ることができます。ストリームが終了すると、end
イベントが発生します。
このコードを実行すると、以下のように出力されます。
Hello, world!
Stream ended
コードの目的
Node.jsにおいて、バッファ(Buffer)は一度に読み込まれたデータの塊を表します。一方、ReadableStreamは、データが連続的に読み込まれるようなストリーム処理を可能にするインターフェースです。このコードは、一度に読み込まれたバッファ内のデータを、ストリームとして扱いやすくするために、ReadableStreamに変換する処理を示しています。
コードの解説
const { Readable } = require('stream');
const buffer = Buffer.from('Hello, world!');
const readableStream = new Readable({
read() {
if (buffer.length > 0) {
this.push(buffer);
buffer = Buffer.alloc(0);
} else {
this.push(null);
}
}
});
readableStream.on('data', (chunk) => {
console.log(chunk.toString());
});
readableStream.on('end', () => {
console.log('Stream ended');
});
-
const { Readable } = require('stream');
:stream
モジュールからReadable
クラスをインポートします。これは、読み込み可能なストリームを作成するための基底クラスです。
-
const buffer = Buffer.from('Hello, world!');
:'Hello, world!'
という文字列をバッファに変換します。このバッファが、ReadableStreamのデータ源となります。
-
const readableStream = new Readable({ ... });
:Readable
クラスのインスタンスを作成し、readableStream
変数に代入します。- オブジェクト引数で、
read()
メソッドを指定します。このメソッドが、ストリームからデータを読み出す際に呼び出されます。
-
read()
メソッド:- バッファにデータが残っている場合は、
this.push(buffer)
でデータをストリームにプッシュします。 - バッファが空になった場合は、
this.push(null)
でストリームの終了を通知します。
- バッファにデータが残っている場合は、
-
readableStream.on('data', ...);
:data
イベントが発生するたびに、chunk
という引数にデータのチャンクが渡されます。この例では、console.log()
でチャンクの内容を出力しています。
-
- ストリームが完全に終了した時に、
end
イベントが発生します。この例では、console.log()
で終了を通知しています。
- ストリームが完全に終了した時に、
コードの動作
buffer
に格納されたデータが、readableStream
というストリームに渡されます。data
イベントが発生し、chunk
に'Hello, world!'
というデータが渡されます。console.log()
でデータが出力されます。- ストリームが終了し、
end
イベントが発生します。
このコードは、バッファ内のデータをストリームとして扱いやすくするための基本的な例です。ReadableStreamに変換することで、パイプライン処理やバックプレッシャーなどのストリームならではの機能を活用することができます。
pipe()
メソッド:ReadableStream
からWritableStream
へデータを転送する際に、pipe()
メソッドを使用します。destroy()
メソッド: ストリームを意図的に終了させたい場合は、destroy()
メソッドを使用します。highWaterMark
オプション:Readable
クラスのコンストラクタには、highWaterMark
オプションを指定することで、一度に読み込むデータの量を制御できます。
応用例
- データの変換
- データの圧縮/解凍
- ネットワークからのデータの受信
- ファイルの読み込み
これらの処理を、ストリーム処理を用いて効率的に行うことができます。
Readable.from()メソッド (Node.js 10.17.0以降)
Node.js 10.17.0以降では、Readable
クラスにfrom()
という静的メソッドが追加されました。このメソッドは、バッファやArrayBuffer、AsyncIterableといった様々なデータソースからReadableStreamを簡単に作成することができます。
const { Readable } = require('stream');
const buffer = Buffer.from('Hello, world!');
const readableStream = Readable.from(buffer);
// 以降は、先ほどの例と同様に、dataイベントやendイベントで処理する
この方法は、read()
メソッドを実装する必要がなく、より簡潔にReadableStreamを作成できます。
streamifyモジュール
streamify
モジュールは、任意のオブジェクトをReadableStreamに変換するための汎用的なモジュールです。
const streamify = require('streamify');
const buffer = Buffer.from('Hello, world!');
const readableStream = streamify(buffer);
このモジュールを使用すると、バッファだけでなく、Array、Generatorなど、様々な種類のオブジェクトをReadableStreamに変換できます。
PassThroughストリーム
PassThrough
ストリームは、入力されたデータをそのまま出力するストリームです。バッファをPassThrough
ストリームに書き込むことで、ReadableStreamとして扱うことができます。
const { PassThrough } = require('stream');
const buffer = Buffer.from('Hello, world!');
const passThroughStream = new PassThrough();
passThroughStream.end(buffer);
// passThroughStreamは、ReadableStreamとして扱うことができる
この方法は、より柔軟なストリーム処理を行う際に便利です。例えば、バッファの内容を加工したり、複数のストリームを結合したりすることができます。
どの方法を選ぶべきか?
- 柔軟性
PassThrough
ストリームは、より高度なストリーム処理に適しています。 - 汎用性
streamify
モジュールは、様々なデータソースに対応できます。 - 簡潔さ
Readable.from()
が最もシンプルです。
どの方法を選ぶかは、使用する状況や、必要な機能によって異なります。
Node.jsでバッファをReadableStreamに変換する方法は、複数の選択肢があります。それぞれの方法には特徴があり、状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。
重要なポイント
PassThrough
ストリームは、柔軟性が高い。streamify
モジュールは、汎用性が高い。Readable.from()
は、簡潔で使いやすい。
選択の基準
- ストリーム処理の複雑さ
- 変換したいデータの種類
- コードの簡潔さ
javascript node.js stream