AngularJSにおけるスコーププロトタイプ継承とは？

2024-04-11

AngularJSにおけるスコーププロトタイプ継承の詳細

スコープとは？

スコープは、AngularJSアプリケーション内で変数や関数を格納するためのコンテナです。各スコープは、プロトタイプチェーンと呼ばれる階層構造に属します。

プロトタイプ継承とは、あるオブジェクト（子オブジェクト）が別のオブジェクト（親オブジェクト）のプロパティとメソッドを継承するメカニズムです。子オブジェクトは、親オブジェクトのプロパティを変更したり、新しいプロパティを追加したりすることができます。

AngularJSでは、スコープはプロトタイプチェーンを使用して、親スコープのプロパティとメソッドを継承します。これは、以下の利点があります。

コードの再利用性: 子スコープは、親スコープで定義された変数や関数を再利用することができます。
保守性の向上: コードの重複を減らすことで、コードの保守性を向上させることができます。
データの共有: 親スコープで定義された変数は、子スコープでアクセスすることができます。

スコーププロトタイプ継承の例

以下の例では、$scope という名前のスコープオブジェクトを作成し、その中に name という名前のプロパティを定義しています。

var app = angular.module('myApp', []);

app.controller('myCtrl', function($scope) {
  $scope.name = 'John Doe';
});

次に、$scope オブジェクトの子スコープである $childScope を作成します。

var $childScope = $scope.$new();

$childScope オブジェクトは、$scope オブジェクトのプロパティを継承します。そのため、$childScope オブジェクトは name プロパティにアクセスすることができます。

console.log($childScope.name); // 'John Doe'

スコーププロトタイプ継承を使用する際には、以下の点に注意する必要があります。

スコーププロトタイプ継承は、参照渡しです。つまり、子スコープで親スコープのプロパティを変更すると、親スコープのプロパティも変更されます。
スコーププロトタイプ継承は、プロパティのみを継承します。メソッドは継承されません。
スコーププロトタイプ継承は、複雑なコード構造になりやすいので、慎重に使用する必要があります。

AngularJSにおけるスコーププロトタイプ継承は、コードの再利用性と保守性を向上させるのに役立つメカニズムです。しかし、使用には注意が必要です。

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>AngularJS スコーププロトタイプ継承</title>
  <script src="https://ajax.googleapis.com/ajax/libs/angularjs/1.7.9/angular.min.js"></script>
</head>
<body>
  <div ng-app="myApp">
    <div ng-controller="myCtrl">
      <h1>親スコープ</h1>
      <p>名前: {{name}}</p>
      <button ng-click="addChild()">子スコープを追加</button>
    </div>
    <div ng-controller="childCtrl as child">
      <h1>子スコープ</h1>
      <p>名前: {{child.name}}</p>
    </div>
  </div>
</body>
</html>

var app = angular.module('myApp', []);

app.controller('myCtrl', function($scope) {
  $scope.name = 'John Doe';

  $scope.addChild = function() {
    var $childScope = $scope.$new();
    $childScope.name = 'Jane Doe';
  };
});

app.controller('childCtrl', function($scope) {
  // 親スコープから name プロパティを継承
  this.name = $scope.name;
});

このコードを実行すると、以下のようになります。

親スコープには、name という名前のプロパティが定義されています。
子スコープは、親スコープのプロパティを継承します。
子スコープは、name プロパティを変更することができます。

この例は、スコーププロトタイプ継承を使用して、親スコープと子スコープ間でデータを共有する方法を示しています。

スコーププロトタイプ継承の代替方法

サービスは、コードを再利用するための優れた方法です。サービスは、スコープに依存せずに、アプリケーション全体で使用することができます。

app.service('myService', function() {
  this.getName = function() {
    return 'John Doe';
  };
});

app.controller('myCtrl', function($scope, myService) {
  $scope.name = myService.getName();
});

ファクトリーは、サービスに似ていますが、より軽量なオブジェクトです。ファクトリーは、単一の値またはオブジェクトを返す関数です。

app.factory('myFactory', function() {
  return {
    name: 'John Doe'
  };
});

app.controller('myCtrl', function($scope, myFactory) {
  $scope.name = myFactory.name;
});

app.controller('myCtrl', function($scope) {
  $scope.$on('myEvent', function(event, data) {
    $scope.name = data.name;
  });
});

app.controller('childCtrl', function($scope) {
  $scope.$emit('myEvent', {
    name: 'Jane Doe'
  });
});