【パフォーマンス爆上げ】 JavaScript Array.sort を高速化するテクニック
JavaScript Array.sortの実装
Array.prototype.sort()
は、JavaScriptで配列をソートするための標準的な方法です。このメソッドは、デフォルトではクイックソートアルゴリズムを使用しますが、オプションで他のアルゴリズムを指定することもできます。
アルゴリズム
Array.prototype.sort()
は、以下のアルゴリズムを使用できます。
- クイックソート: 分割統治法を用いるソートアルゴリズムです。平均的な時間計算量は O(n log n) ですが、最悪の場合 O(n^2) になります。
- マージソート: 安定ソートアルゴリズムです。時間計算量は常に O(n log n) です。
- 挿入ソート: 小規模な配列に有効なソートアルゴリズムです。時間計算量は O(n^2) です。
- 選択ソート: 繰り返し最小値を見つけて配列の先頭に挿入していくソートアルゴリズムです。時間計算量は O(n^2) です。
実装例
以下の例は、Array.prototype.sort()
メソッドを使用して配列をソートする方法を示します。
// 数字の配列をソートする
const numbers = [10, 2, 5, 1, 7];
numbers.sort();
console.log(numbers); // [1, 2, 5, 7, 10]
// 文字列の配列をソートする
const strings = ["a", "c", "b", "d"];
strings.sort();
console.log(strings); // ["a", "b", "c", "d"]
// 比較関数を使用してソートする
const objects = [{ name: "John", age: 30 }, { name: "Mary", age: 25 }];
objects.sort((a, b) => a.age - b.age);
console.log(objects); // [{ name: "Mary", age: 25 }, { name: "John", age: 30 }]
比較関数
Array.prototype.sort()
メソッドの第二引数に比較関数を指定することができます。比較関数は、配列の要素を比較して、ソート順序を決定するために使用されます。
比較関数は、以下の引数を受け取ります。
a
: 比較する要素1
比較関数は、以下の値を返す必要があります。
a
がb
より小さい場合: 負の値a
がb
と等しい場合: 0
安定ソート
安定ソートアルゴリズムは、元の配列で要素の相対的な順序が等しい場合、ソート後もその順序を維持します。
JavaScript の Array.prototype.sort()
メソッドは、デフォルトでは安定ソートアルゴリズムを使用しません。ただし、比較関数を使用して安定ソートアルゴリズムを実装することができます。
以下の例は、安定ソートアルゴリズムを実装する比較関数の例です。
function stableSort(a, b) {
const order = a.age - b.age;
return order === 0 ? a.id - b.id : order;
}
この比較関数は、まず年齢で比較します。年齢が等しい場合は、IDで比較します。
// 数字の配列をソートする
const numbers = [10, 2, 5, 1, 7];
numbers.sort();
console.log(numbers); // [1, 2, 5, 7, 10]
// 文字列の配列をソートする
const strings = ["a", "c", "b", "d"];
strings.sort();
console.log(strings); // ["a", "b", "c", "d"]
比較関数を使用してソートする
// 比較関数を使用してソートする
const objects = [{ name: "John", age: 30 }, { name: "Mary", age: 25 }];
objects.sort((a, b) => a.age - b.age);
console.log(objects); // [{ name: "Mary", age: 25 }, { name: "John", age: 30 }]
安定ソートアルゴリズムを実装する
// 安定ソートアルゴリズムを実装する
function stableSort(a, b) {
const order = a.age - b.age;
return order === 0 ? a.id - b.id : order;
}
const objects = [{ name: "John", age: 30, id: 1 }, { name: "Mary", age: 25, id: 2 }, { name: "Alice", age: 25, id: 3 }];
objects.sort(stableSort);
console.log(objects); // [{ name: "Mary", age: 25, id: 2 }, { name: "Alice", age: 25, id: 3 }, { name: "John", age: 30, id: 1 }]
ソートオプションを使用する
// ソートオプションを使用する
const numbers = [10, 2, 5, 1, 7];
numbers.sort({
locale: "en-US", // 地域を指定
numeric: true, // 数値としてソート
});
console.log(numbers); // [1, 2, 5, 7, 10]
ループと比較
単純な方法として、ループと比較を使用して配列をソートすることができます。
function sort(arr) {
for (let i = 0; i < arr.length - 1; i++) {
for (let j = i + 1; j < arr.length; j++) {
if (arr[i] > arr[j]) {
// 要素を入れ替える
const temp = arr[i];
arr[i] = arr[j];
arr[j] = temp;
}
}
}
return arr;
}
const numbers = [10, 2, 5, 1, 7];
const sortedNumbers = sort(numbers);
console.log(sortedNumbers); // [1, 2, 5, 7, 10]
この方法は、小規模な配列には有効ですが、大規模な配列には非効率的です。
ライブラリの使用
Array.prototype.sort
以外にも、さまざまなソートアルゴリズムを実装したライブラリが多数存在します。
代表的なライブラリは以下の通りです。
これらのライブラリを使用することで、さまざまなソートアルゴリズムを簡単に利用することができます。
手動によるソート
特定の要件に合わせて、手動でソートアルゴリズムを実装することもできます。
代表的なソートアルゴリズムは以下の通りです。
- クイックソート: 分割統治法を用いるソートアルゴリズム
- マージソート: 安定ソートアルゴリズム
- 挿入ソート: 小規模な配列に有効なソートアルゴリズム
- 選択ソート: 繰り返し最小値を見つけて配列の先頭に挿入していくソートアルゴリズム
これらのアルゴリズムは、それぞれ異なる特性を持っています。
どの方法を使用するべきか
どの方法を使用するべきかは、以下の要素を考慮する必要があります。
- 配列のサイズ: 小規模な配列であれば、ループと比較によるソートでも十分な場合があります。
- ソートアルゴリズム: 必要なソートアルゴリズムが
Array.prototype.sort
で提供されているかどうかを確認する必要があります。 - パフォーマンス: 大規模な配列をソートする場合は、効率的なソートアルゴリズムを実装する必要があります。
- コードの簡潔性: ライブラリを使用することで、コードを簡潔に記述することができます。
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