JavaScript ファイル キャッシュ 更新方法
JavaScript ファイルのキャッシュ更新を強制する方法
問題
JavaScript ファイルがブラウザにキャッシュされ、更新されたファイルが読み込まれないことがあります。これにより、新しい機能やバグ修正が反映されないことが起こります。
解決策
ファイル名にバージョン番号を付ける
- 方法
バージョン番号を変更するたびに、新しいファイルがダウンロードされます。<script src="main.js?v=1.2.3"></script>
- 原理
ファイル名にバージョン番号を含めることで、ブラウザがキャッシュされたファイルと新しいファイルが異なることを認識し、新しいファイルをダウンロードします。
HTTPヘッダを活用する
- 方法
- Cache-Controlヘッダ
これを設定すると、ブラウザはキャッシュを使用せず、常にサーバーからファイルをダウンロードします。Cache-Control: no-cache
- Expiresヘッダ
このヘッダを過去の日時に設定することで、ブラウザはキャッシュを無効と判断します。Expires: Thu, 01 Jan 1970 00:00:00 GMT
- Cache-Controlヘッダ
- 原理
サーバーからブラウザに送信するHTTPヘッダを使って、キャッシュの有効期限を設定したり、キャッシュを無効化することができます。
ブラウザのキャッシュを直接クリアする
- 方法
- ユーザーにブラウザの設定からキャッシュをクリアするように伝える。
- 原理
ユーザーにブラウザのキャッシュをクリアするように指示する方法です。
注意
- 頻繁にキャッシュを更新すると、サーバーの負荷が増加する可能性があります。
- キャッシュの更新を強制すると、ページの読み込み時間が遅くなる可能性があります。
<script src="main.js?v=1.2.3"></script>
- 解説
v=1.2.3
の部分がバージョン番号を表します。- ブラウザは
?v=
以降の文字列を元に、キャッシュされたファイルと比較します。 - バージョン番号を変更する度に、ブラウザは新しいファイルをダウンロードします。
ビルドツールを利用してファイル名にハッシュ値を付与する
# 例: Webpack を使用した場合
webpack --mode production
- 解説
- Webpack などのビルドツールは、ビルド時にファイルの内容に基づいたハッシュ値を生成し、ファイル名に付与することができます。
- ファイルの内容が少しでも変更されると、ハッシュ値が変わり、新しいファイル名になります。
- この方法により、手動でバージョン番号を管理する手間が省けます。
サーバーサイドで HTTP ヘッダを設定する
// Node.js (Express) の例
const express = require('express');
const app = express();
app.get('/main.js', (req, res) => {
res.setHeader('Cache-Control', 'no-cache');
res.sendFile(__dirname + '/main.js');
});
- 解説
Cache-Control
ヘッダにno-cache
を設定することで、ブラウザにキャッシュを使用しないように指示します。- この設定により、ブラウザは常にサーバーにリクエストを送信し、最新のファイルをダウンロードします。
HTML ファイルにタイムスタンプを追加する
<script src="main.js?t=<?= time(); ?>"></script>
- 解説
?t=
の後に PHP のtime()
関数で取得したタイムスタンプを付与します。- サーバー側のスクリプトで動的にタイムスタンプを生成し、ファイル名に付与することで、毎回異なるファイル名として扱われます。
どの方法を選ぶべきか
- シンプルな実装で良い場合
ファイル名にバージョン番号を付与する方法が簡単です。 - 細かい制御が必要な場合
HTTP ヘッダの設定が柔軟です。 - 頻繁に更新されるファイル
ビルドツールによるハッシュ値付与が効率的です。
注意点
- CDNとの連携
CDN を利用している場合は、CDN のキャッシュ設定も考慮する必要があります。 - ブラウザのキャッシュクリア
ユーザーにブラウザのキャッシュをクリアしてもらうよう促すことも有効です。 - 過度なキャッシュ無効化
サーバーへの負荷が増加し、パフォーマンスが低下する可能性があります。
- HTTP/2
HTTP/2 では、サーバープッシュなどにより、キャッシュ制御の必要性が減る場合があります。 - Service Worker
Service Worker を利用することで、より高度なキャッシュ制御を行うことができます。
- 環境やプロジェクトの規模に合わせて、最適な方法を選択してください。
- JavaScript ファイルだけでなく、CSS ファイルや画像ファイルなど、他の静的ファイルにも同様の対策を適用できます。
より詳細な情報については、以下のキーワードで検索してみてください。
- HTTP/2
- Service Worker
- ビルドツール
- Webpack
- HTTP キャッシュ
- JavaScript キャッシュ
Service Worker の利用
Service Worker は、ブラウザと Web サーバーの間で動作するスクリプトで、より高度なキャッシング制御を可能にします。
例
// service-worker.js self.addEventListener('fetch', event => { event.respondWith( caches.match(event.request) .then(response => { // キャッシュヒット時の処理 return response || fetch(event.request); }) ); });
デメリット
- 設定が複雑になる可能性がある
- 古いブラウザではサポートされていない
- オフラインでの動作や、ネットワーク状況が悪い環境でのパフォーマンス向上
- 柔軟なキャッシュ戦略の実現
HTTP/2 の Server Push
HTTP/2 の Server Push を利用することで、クライアントがリクエストする前に、必要なリソースを事前に送信することができます。
- デメリット
- HTTP/2 をサポートしているサーバーが必要
- 誤ったリソースを送信してしまうと、無駄な通信が発生する
- メリット
- ページの読み込み速度が向上する
- キャッシュ制御の必要性が減る
CDN (Content Delivery Network) の活用
CDN を利用することで、世界中に分散されたサーバーからコンテンツを配信できます。
- デメリット
- CDN の設定が必要
- コストがかかる場合がある
- メリット
- アクセス速度の向上
- サーバーへの負荷軽減
- CDN 側でキャッシュ制御を行うことができる
ブラウザの開発者ツールを利用した強制更新
- デメリット
- メリット
- JavaScript コードで動的に URL を変更
JavaScript コードで、スクリプトファイルの URL にランダムなパラメータを追加することで、毎回異なるファイルとして扱わせることができます。 - HTML の meta タグ
Cache-Control
やExpires
などの meta タグを使用して、ブラウザにキャッシュの指示を与えることができます。
- オフライン機能
Service Worker - 開発環境
ブラウザの開発者ツール - シンプルな実装
ファイル名にバージョン番号を付与、HTTP ヘッダの設定 - パフォーマンスを重視する場合
HTTP/2 Server Push, CDN - 頻繁に更新されるファイル
Service Worker, ビルドツールによるハッシュ値付与
- 各方法のメリット・デメリットを考慮し、プロジェクトの要件に合った方法を選択してください。
- 過度なキャッシュ無効化は、サーバー負荷の増加やユーザーエクスペリエンスの低下につながる可能性があります。
- Expires
- Cache-Control
- CDN
javascript caching versioning