Mongooseサブドキュメントの_id無効化
Mongooseでサブドキュメント配列の_idプロパティを生成させない方法
問題
Mongooseでは、サブドキュメント配列の各要素に自動的に_id
プロパティが生成されます。これは、MongoDBのデフォルト動作ですが、特定のユースケースでは不要な場合があります。
解決方法
Mongooseのスキーマ定義で、サブドキュメント配列の_id
プロパティを無効化することができます。
コード例
const mongoose = require('mongoose');
const userSchema = new mongoose.Schema({
name: String,
addresses: [
{
street: String,
city: String,
state: String,
_id: false // ここで_idプロパティを無効化
}
]
});
const User = mongoose.model('User', userSchema);
解説
_id: false
をサブドキュメント配列の定義内に追加します。- これにより、Mongooseはサブドキュメント配列の各要素に
_id
プロパティを生成しなくなります。
注意
- 適切なユースケースでこの手法を使用し、必要に応じて代替的な方法を検討してください。
_id
プロパティを無効化すると、サブドキュメント配列の要素を個別に更新したり削除したりすることが難しくなる場合があります。
- この手法は、サブドキュメント配列の要素を外部リソースと関連付ける場合などに便利です。
- Mongooseの最新のバージョンでは、
_id: false
に加えて、type: Schema.Types.ObjectId
を指定することで、サブドキュメント配列の要素をObjectIdとして扱うこともできます。
Mongooseでサブドキュメントの_idを無効化する方法の解説
なぜ_idを無効化するのか?
Mongooseでは、サブドキュメント配列に含まれる各要素にデフォルトで_id
プロパティが生成されます。これはMongoDBの一般的な動作ですが、全てのケースで必要となるわけではありません。
- パフォーマンス
不要な_id
フィールドは、データベースのストレージサイズを増加させ、クエリのパフォーマンスを低下させる可能性があります。 - 不要なデータ
一部のユースケースでは、_id
は単なるインデックスとして機能し、実際のデータとして扱う必要がない場合があります。
Mongooseでの_id無効化
Mongooseのスキーマ定義で、サブドキュメント配列の_id
プロパティをfalse
に設定することで、_id
の生成を抑制できます。
const mongoose = require('mongoose');
// サブドキュメントのスキーマ
const addressSchema = new mongoose.Schema({
street: String,
city: String,
state: String
}, { _id: false }); // ここで_idを無効化
// メインドキュメントのスキーマ
const userSchema = new mongoose.Schema({
name: String,
addresses: [addressSchema]
});
const User = mongoose.model('User', userSchema);
- サブドキュメントのスキーマ定義
- メインドキュメントのスキーマ定義
重要な注意点
- ユースケース
_id
の無効化は、全てのケースで最適な解決策ではありません。サブドキュメントの構造や操作方法を考慮して、適切な方法を選択する必要があります。 - 代替方法
_id
を無効化する代わりに、カスタムのIDフィールドを定義することも可能です。 - _idの役割
_id
は、MongoDBドキュメントを一意に識別するための重要なフィールドです。無効化すると、サブドキュメントを個別に更新したり削除したりすることが難しくなる場合があります。
Mongooseでサブドキュメントの_id
を無効化することで、不要なデータの生成を抑制し、データベースの効率化を図ることができます。ただし、_id
の役割を理解し、適切なユースケースで利用することが重要です。
- MongoDBの機能
MongoDBには、_id
以外の方法でドキュメントを識別する方法も存在します。 - パフォーマンス
_id
の有無がパフォーマンスに与える影響は、データ量やクエリの複雑さによって異なります。 - ObjectId
Mongooseでは、ObjectId
型を使用して、サブドキュメントのIDをカスタムで管理することも可能です。
深掘りしたい方へ
- MongoDBのドキュメント
MongoDBのObjectIdやインデックスに関する情報が記載されています。 - Mongooseの公式ドキュメント
Mongooseのサブドキュメントに関する詳細な情報が記載されています。
カスタムIDフィールドの利用
- デメリット
- メリット
- 任意のデータ型をIDとして使用できる(数値、文字列など)。
- ビジネスロジックに合わせたIDを設計できる。
- 方法
サブドキュメントに、独自のIDフィールドを定義します。
const addressSchema = new mongoose.Schema({
id: Number, // カスタムIDフィールド
street: String,
city: String,
state: String
});
ObjectIdの利用 (型指定)
- デメリット
- メリット
- MongoDBのObjectIdの機能を利用できる。
- ObjectIdは高性能なユニークID生成アルゴリズムを採用している。
- 方法
サブドキュメントのIDフィールドに、Schema.Types.ObjectId
を指定します。
const addressSchema = new mongoose.Schema({
id: { type: Schema.Types.ObjectId },
street: String,
city: String,
state: String
});
インデックスによる管理
- デメリット
- インデックスの管理オーバーヘッドが発生する。
- ユニークインデックスの作成は、パフォーマンスに影響を与える可能性がある。
- メリット
- 方法
サブドキュメント配列にユニークインデックスを作成します。
addressSchema.index({ 'street': 1, 'city': 1, 'state': 1 }, { unique: true });
MongoDBのEmbedded Documentsの利用
- デメリット
- メリット
どの方法を選ぶべきか?
- Mongooseの機能をあまり利用しない場合
MongoDBのEmbedded Documents - 重複を厳密に防ぎたい場合
ユニークインデックス - ObjectIdの機能を利用したい場合
Schema.Types.ObjectId
- カスタムIDで管理したい場合
カスタムIDフィールド - シンプルに_idを無効化したい場合
_id: false
選択のポイント
- メンテナンス性
将来的にデータ構造を変更する可能性がある場合は、柔軟な方法を選ぶ。 - パフォーマンス
読み書きの頻度やデータ量によって、最適な方法が変わる。 - データの構造
どの程度の複雑なデータ構造が必要か。
- MongooseのバージョンやMongoDBのバージョンによって、利用可能な機能や動作が異なる場合があります。
- 上記以外にも、Virtual TypesやPluginsを利用して、より高度なカスタマイズを行うことができます。
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