JavaScriptでBlobからファイルをダウンロードする方法(HTMLリンク不要)
JavaScript で Blob からファイルをダウンロードする方法(リンクなし)
このチュートリアルでは、HTML リンクを使用せずに JavaScript で Blob からファイルをダウンロードする方法を説明します。この方法は、ダウンロードファイル名にリンクテキストとは異なる名前を指定したい場合や、ユーザーの操作なしにファイルを自動的にダウンロードしたい場合に役立ちます。
手順
- Blobを作成する
まず、ダウンロードするデータから Blob オブジェクトを作成する必要があります。Blob オブジェクトは、バイナリデータを表す JavaScript オブジェクトです。
const data = [/* ダウンロードするデータ */];
const blob = new Blob(data, {type: 'application/octet-stream'});
次に、Blob オブジェクトから Blob URL を作成する必要があります。Blob URL は、一時的な URL であり、ブラウザが Blob オブジェクトにアクセスするために使用されます。
const blobURL = URL.createObjectURL(blob);
- ファイルをダウンロードする
Blob URL を作成したら、以下のコードを使用してファイルをダウンロードできます。
const anchor = document.createElement('a');
anchor.href = blobURL;
anchor.download = 'filename.ext'; // ダウンロードファイル名
anchor.click();
// 使用後は Blob URL を解放する
URL.revokeObjectURL(blobURL);
説明
上記のコードは、次の操作を実行します。
createElement('a')
メソッドを使用して、新しい HTML<a>
要素を作成します。href
属性に Blob URL を設定します。これにより、ブラウザはダウンロードするファイルがどこにあるのかを知ることができます。download
属性にダウンロードファイル名を設定します。これは、ユーザーがファイルを保存するときに表示される名前になります。click()
メソッドを呼び出して<a>
要素をクリックします。これにより、ブラウザはダウンロードプロセスを開始します。- 最後に、
URL.revokeObjectURL()
メソッドを使用して Blob URL を解放します。これは、不要になった Blob URL をメモリから削除するために行います。
例
以下の例は、上記のコードを使用してテキストファイルをダウンロードする方法を示しています。
const data = ['これはダウンロードするテキストです。'];
const blob = new Blob(data, {type: 'text/plain'});
const blobURL = URL.createObjectURL(blob);
const anchor = document.createElement('a');
anchor.href = blobURL;
anchor.download = 'data.txt';
anchor.click();
URL.revokeObjectURL(blobURL);
補足
- この方法は、ほとんどのブラウザで動作します。ただし、Internet Explorer 9 以前ではサポートされていない場合があります。
- ファイルを自動的にダウンロードするには、
anchor.click()
を呼び出す前にsetTimeout()
関数を使用できます。 - Blob オブジェクトを使用して、画像、動画、その他のバイナリデータファイルをダウンロードすることもできます。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>JavaScript で Blob からファイルをダウンロード</title>
</head>
<body>
<button onclick="downloadFile()">ファイルをダウンロード</button>
<script>
function downloadFile() {
const data = ['これはダウンロードするテキストです。'];
const blob = new Blob(data, {type: 'text/plain'});
const blobURL = URL.createObjectURL(blob);
const anchor = document.createElement('a');
anchor.href = blobURL;
anchor.download = 'data.txt';
anchor.click();
URL.revokeObjectURL(blobURL);
}
</script>
</body>
</html>
- HTML ファイルにボタンとスクリプト要素を追加します。
downloadFile()
関数を作成します。この関数は、以下の処理を実行します。- ダウンロードするデータの配列を作成します。
- Blob オブジェクトを作成します。
<a>
要素を作成します。<a>
要素のhref
属性に Blob URL を設定します。<a>
要素のdownload
属性にダウンロードファイル名を設定します。<a>
要素をクリックしてファイルをダウンロードします。
- ボタンの
onclick
属性にdownloadFile()
関数を設定します。
このコードを実行すると、ボタンをクリックすると "data.txt" という名前のテキストファイルがダウンロードされます。
応用例
このサンプルコードを応用して、以下のようなことができます。
- ユーザーがアップロードしたファイルをダウンロードできるようにする
- サーバーからファイルをダウンロードしてブラウザで表示する
- 生成されたレポートを PDF ファイルとしてダウンロードする
注意事項
- このコードはあくまで例であり、状況に応じて変更する必要があります。
- ファイルをダウンロードする前に、ユーザーの許可を得る必要があります。
他の方法
FileSaver.js ライブラリを使用する
FileSaver.js は、JavaScript でファイルをダウンロードするためのライブラリです。このライブラリを使用すると、Blob オブジェクトからファイルをダウンロードするコードを簡単に記述できます。
const data = ['これはダウンロードするテキストです。'];
const blob = new Blob(data, {type: 'text/plain'});
saveAs(blob, 'data.txt');
const data = ['これはダウンロードするテキストです。'];
const blob = new Blob(data, {type: 'text/plain'});
const reader = new FileReader();
reader.onload = function(event) {
const content = event.target.result;
const anchor = document.createElement('a');
anchor.href = 'data:text/plain;charset=utf-8,' + encodeURIComponent(content);
anchor.download = 'data.txt';
anchor.click();
};
reader.readAsText(blob);
FormData オブジェクトは、HTML フォームデータを送信するためのオブジェクトです。このオブジェクトを使用して、Blob オブジェクトをフォームデータに格納し、それを送信できます。
const data = ['これはダウンロードするテキストです。'];
const blob = new Blob(data, {type: 'text/plain'});
const formData = new FormData();
formData.append('file', blob, 'data.txt');
const request = new XMLHttpRequest();
request.open('POST', '/download');
request.setRequestHeader('Content-Type', 'multipart/form-data');
request.onload = function() {
if (request.status === 200) {
// ダウンロード成功
} else {
// ダウンロード失敗
}
};
request.send(formData);
WebSockets は、クライアントとサーバー間で双方向のリアルタイム通信を可能にする Web API です。この API を使用すると、サーバーから Blob オブジェクトを受信し、それをダウンロードできます。
const socket = new WebSocket('ws://localhost:8080');
socket.onmessage = function(event) {
const blob = event.data;
const anchor = document.createElement('a');
anchor.href = URL.createObjectURL(blob);
anchor.download = 'data.txt';
anchor.click();
URL.revokeObjectURL(blob);
};
それぞれの方法の比較
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
Blob URL | シンプル | ブラウザによってはサポートされていない場合がある |
FileSaver.js | 簡単 | ライブラリの読み込みが必要 |
FileReader API | 詳細な制御が可能 | コードが長くなる |
FormData | 他のフォームデータと組み合わせることができる | サーバー側の処理が必要 |
WebSockets | リアルタイム通信が可能 | サーバー側の開発が必要 |
どの方法を使用するかは、状況に応じて異なります。シンプルな方法が必要な場合は、Blob URL または FileSaver.js を使用します。詳細な制御が必要な場合は、FileReader API を使用します。他のフォームデータと組み合わせる必要がある場合は、FormData を使用します。リアルタイム通信が必要な場合は、WebSockets を使用します。
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