Node.js ストリーム エラー処理 解説

2024-10-27

Node.js のストリームは、データの非同期なフローを扱うための強力なツールです。しかし、ストリームの操作中にエラーが発生する可能性があります。適切なエラー処理は、アプリケーションの安定性を確保するために重要です。

エラーイベントのリスニング

ストリームは EventEmitter を継承しているため、error イベントをリスニングすることでエラーをキャッチできます。

const fs = require('fs');
const Readable = require('stream').Readable;

const readableStream = fs.createReadStream('nonexistent_file.txt');

readableStream.on('error', (err) => {
    console.error('Error reading file:', err);
});

パイプラインにおけるエラー処理

ストリームをパイプラインで繋げるとき、エラーはパイプラインのどこで発生しても伝播します。各ストリームで error イベントをリスニングして、適切なエラー処理を行う必要があります。

const fs = require('fs');
const zlib = require('zlib');

const readableStream = fs.createReadStream('large_file.txt');
const gzipStream = zlib.createGzip();
const writableStream = fs.createWriteSt   ream('large_file.txt.gz');

readableStream.pipe(gzipStream).pipe(writableStream);

readableStream.on('error', (err) => {
    console.error('Error reading file:', err);
});

gzipStream.on('error', (err) => {
    console.error('Error compressing data:', err);
});

writableStream.on('error', (err) => {
    console.error('Error writing to file:', err);
});

エラーの伝播と終了

ストリームのエラーは、パイプラインを上流に伝播します。エラーが発生すると、ストリームは通常終了します。

エラーハンドリングのベストプラクティス

  • ユーザーにエラーを通知する
    ユーザーにエラーを通知する場合は、わかりやすいメッセージを表示してください。
  • エラーを回復可能な場合は回復する
    一部のエラーは回復可能かもしれません。例えば、ファイルが存在しない場合は、ファイルを作成するなどの処理を行うことができます。
  • エラーを適切に伝播させる
    エラーを適切に伝播させ、アプリケーションの適切なレベルで処理してください。
  • エラーを適切にログする
    エラーメッセージをログに記録することで、デバッグやトラブルシューティングに役立ちます。
  • 常に error イベントをリスニングする
    すべてのストリームで error イベントをリスニングして、エラーを適切に処理してください。



ファイル読み込みエラーの例

const fs = require('fs');

const readableStream = fs.createReadStream('nonexistent_file.txt');

readableStream.on('error', (err) => {
    console.error('ファイル読み込みエラー:', err);
});
  • console.error
    エラーメッセージをコンソールに出力します。
  • on('error')
    ストリームでエラーが発生した場合に呼び出されるイベントリスナーを設定します。
  • fs.createReadStream
    指定したファイルを読み込むための Readable ストリームを作成します。

この例では、存在しないファイルを読み込もうとするため、error イベントが発生し、エラーメッセージが出力されます。

const fs = require('fs');
const zlib = require('zlib');

const readableStream = fs.createReadStream('large_file.txt');
const gzipStream = zlib.createGzip();
const writableStream = fs.createWriteSt   ream('large_file.txt.gz');

readableStream.pipe(gzipStream).pipe(writableStream);

// 各ストリームでエラーイベントをリスニング
readableStream.on('error', (err) => {
    console.error('ファイル読み込みエラー:', err);
});

gzipStream.on('error', (err) => {
    console.error('圧縮エラー:', err);
});

writableStream.on('error', (err) => {
    console.error('ファイル書き込みエラー:', err);
});
  • 各ストリームでの on('error')
    各ストリームでエラーが発生した場合に、それぞれのエラーに対応した処理を行います。
  • pipe
    ストリームを繋ぎ、データを順次処理します。

この例では、ファイルの読み込み、圧縮、書き込みの各段階でエラーが発生する可能性があり、それぞれのストリームで error イベントをリスニングすることで、エラーの原因を特定し、適切な処理を行うことができます。

ストリームのエラーは、パイプラインを上流に伝播します。例えば、writableStream でエラーが発生した場合、gzipStreamreadableStream にも影響が及ぶ可能性があります。

// writableStream でエラーが発生した場合、パイプライン全体が停止する可能性がある

Node.js のストリームでは、error イベントをリスニングすることで、エラーを検知し、適切な処理を行うことができます。パイプラインで複数のストリームを繋ぐ場合、各ストリームでエラーが発生する可能性があるため、すべてのストリームで error イベントをリスニングすることが重要です。

エラー処理のベストプラクティス

  • カスタムエラー
    独自のエラーオブジェクトを作成することで、より詳細なエラー情報を扱うことができます。
  • stream.pipeline
    Node.js v10 以降では、stream.pipeline を使用することで、パイプラインのエラー処理を簡潔に記述できます。
  • async/await との組み合わせ
    async/await を使用すると、より直感的なエラー処理を行うことができます。



async/await と try-catch


  • シンプルで直感的なエラー処理
    非同期処理を同期的に記述できる async/await と、エラーを捕捉する try-catch を組み合わせることで、エラー処理をより直感的に行うことができます。
const fs = require('fs').promises;

async function readFile() {
  try {
    const data = await fs.readFile('nonexistent_file.txt');
    console.log(data);
  } catch (err) {
    console.error('エラー:', err);
  }
}

readFile();
  • メリット
    • error イベントをリスナー登録する必要がないため、コードが簡潔になる
    • try-catch ブロック内でエラーの種類に応じて異なる処理を行うことができる

Promise

  • エラー処理の標準的な方法
    Promise は、非同期処理の結果を表すオブジェクトです。then メソッドで成功時の処理を、catch メソッドで失敗時の処理を記述します。
const fs = require('fs').promises;

fs.readFile('nonexistent_file.txt')
  .then(data => {
    console.log(data);
  })
  .catch(err => {
    console.error('エラー:', err);
  });
  • メリット
    • async/await と同様に、エラー処理をシンプルに記述できる
    • Promise チェーンで複数の非同期処理を繋げることができる

stream.pipeline (Node.js v10 以降)

  • パイプライン全体のエラー処理
    stream.pipeline は、複数のストリームをパイプラインで繋ぎ、エラーが発生した場合にパイプライン全体を停止させることができます。
const fs = require('fs');
const zlib = require('zlib');
const { pipeline } = require('stream');

pipeline(
  fs.createReadStream('large_file.txt'),
  zlib.createGzip(),
  fs.createWriteStream('large_file.txt.gz'),
  (err) => {
    if (err) {
      console.error('エラー:', err);
    }
  }
);
  • メリット
    • パイプライン全体のエラー処理を簡潔に記述できる
    • エラーが発生した場合に、パイプラインを自動的に停止させることができる

カスタムエラー

  • 詳細なエラー情報の提供
    独自のエラーオブジェクトを作成することで、エラーの種類や原因をより詳細に表すことができます。
class MyError extends Error {
  constructor(message) {
    super(message);
    this.name = 'MyError';
  }
}

// ...
throw new MyError('カスタムエラーが発生しました');
  • メリット
    • エラーの種類に応じて異なる処理を行うことができる
    • デバッグに役立つ

どの方法を選ぶべきか?

  • 詳細な情報
    カスタムエラーは、エラーの種類や原因を詳細に把握したい場合に有効です。
  • パイプライン
    stream.pipeline は、複数のストリームを繋ぐ場合に便利です。
  • シンプルさ
    async/await や Promise は、シンプルで直感的なエラー処理が可能です。

Node.js のストリームにおけるエラー処理には、複数の方法があります。それぞれの方法にメリットとデメリットがあり、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。

  • 詳細なエラー情報
    カスタムエラー
  • パイプラインのエラー処理
    stream.pipeline
  • シンプルなエラー処理
    async/await や Promise

これらの方法を組み合わせることで、より堅牢なアプリケーションを開発することができます。

  • エラー監視
    エラー発生時に通知を送信したり、ログに記録したりすることで、問題を早期に検知することができます。
  • エラー回復
    一部のエラーは、再試行やエラー処理によって回復できる場合があります。
  • エラーバブルアップ
    エラーは、ストリームを上流に伝播します。

node.js stream



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