クッキーとローカルストレージの比較
Local Storage vs. Cookies: HTML, Cookies, and Browser
Local Storage と Cookies は、ブラウザ上でデータを保存するためのメカニズムですが、その使用方法と機能にはいくつかの違いがあります。
Cookies
- アクセス
サーバーが設定したドメインやパスに制限されます。 - 有効期限
サーバーが設定した有効期限があるため、自動的に削除されることがあります。 - 制限
データのサイズが制限されており、通常は数キロバイト程度です。 - 用途
セッション管理、ユーザーの好みや設定の保存、ショッピングカートの管理など。 - 定義
ブラウザとサーバー間で情報をやり取りするために、サーバーがブラウザに送信する小さなテキストファイルです。
Local Storage
- アクセス
同じオリジンのウェブサイトからアクセスできます。 - 有効期限
手動で削除しない限り、永続的に保存されます。 - 用途
アプリケーションのデータ、ユーザーの設定、オフラインキャッシュなど。 - 定義
ブラウザがローカルにデータを保存するためのメカニズムで、ブラウザのストレージ領域を使用します。
両者の比較
特徴 | Cookies | Local Storage |
---|---|---|
データサイズ | 小さい (数キロバイト) | 大きい (数メガバイト) |
有効期限 | サーバー設定 | 永続的 |
アクセス | サーバー設定 | 同じオリジン |
用途 | セッション管理、ユーザー設定 | アプリケーションデータ、オフラインキャッシュ |
HTML では、JavaScript を使用して Cookies と Local Storage にアクセスすることができます。例えば、JavaScript の document.cookie
プロパティを使用して Cookies を操作し、 localStorage
オブジェクトを使用して Local Storage にアクセスできます。
Local Storage と Cookies のプログラミング例
// データの保存
localStorage.setItem('username', 'taro');
localStorage.setItem('age', 30);
// データの取得
let username = localStorage.getItem('username');
let age = localStorage.getItem('age');
// 全てのデータを削除
localStorage.clear();
localStorage.clear()
: 全てのデータを削除します。localStorage.getItem(key)
: 指定したキーの値を取得します。localStorage.setItem(key, value)
: キーと値のペアでデータを保存します。
// クッキーの設定
document.cookie = "username=taro; expires=Thu, 18 Dec 2023 12:00:00 UTC";
// クッキーの取得
function getCookie(name) {
const value = "; " + document.cookie;
const parts = value.split("; " + name + "=");
if (parts.length == 2) return parts.pop().split(";").shift();
}
l et username = getCookie('username');
getCookie(name)
: 指定した名前のクッキーの値を取得する関数document.cookie = "name=value; expires=date; path=path; domain=domain; secure"
: クッキーを設定します。name
: クッキーの名前value
: クッキーの値expires
: 有効期限 (省略時はセッションクッキー)path
: アクセス可能なパスdomain
: アクセス可能なドメインsecure
: HTTPS通信でのみ送信
クッキーとローカルストレージの比較と使い分け
特徴 | Cookies | Local Storage |
---|---|---|
データサイズ | 小さい (数キロバイト) | 大きい (数メガバイト) |
有効期限 | サーバー設定 (セッションクッキー、永続クッキー) | 永続的 (手動で削除しない限り) |
アクセス | サーバー設定 (ドメイン、パス) | 同じオリジン |
用途 | セッション管理、ユーザー認証、サイト間追跡 | アプリケーションデータ、オフラインキャッシュ |
安全性 | 相対的に安全性は低い (盗聴のリスク) | 相対的に安全性は高い |
使い分けのポイント
- 機密性の高いデータ
ローカルストレージが望ましい (ただし、絶対安全ではない) - サイト間追跡
クッキー (サードパーティクッキー) - オフラインキャッシュ
ローカルストレージ - ユーザー設定の保存
ローカルストレージ - セッション管理
クッキー (セッションクッキー) が一般的
注意
- プライバシー
ユーザーのプライバシー保護の観点から、Cookies の使用には注意が必要です。 - セキュリティ
Cookies は盗聴のリスクがあるため、機密性の高いデータの保存には向きません。 - ブラウザの制限
ブラウザによっては、Cookies や Local Storage の容量や機能に制限がある場合があります。
Local Storage と Cookies は、それぞれ異なる特徴と用途を持つブラウザ上のデータストレージメカニズムです。開発するアプリケーションの要件に合わせて、適切な方法を選択することが重要です。
より詳細な情報
- HTTP-only クッキー
JavaScript からアクセスできないクッキーで、XSS攻撃から保護するのに役立ちます。
ご希望に応じて、より具体的な例や、特定の機能の実装方法について解説することも可能です。
例
- オフラインで使えるWebアプリケーションを作る
- ユーザーのテーマ設定を保存する
- ログイン状態を管理する
IndexedDB
- 例
- ブラウザベースのデータベースとして利用
- Webアプリケーションのキャッシュ
- 用途
- オフラインアプリケーションのデータ保存
- 複雑なデータ構造の管理
- 特徴
- 大量の構造化データを保存できる
- SQLに似たクエリでデータ操作が可能
- 非同期なAPIで高速な処理が可能
Web SQL Database
- 注意点
- 用途
- 特徴
- SQLデータベースの機能をブラウザ上で利用できる
- 構造化クエリ言語 (SQL) でデータ操作が可能
Session Storage
- 用途
- 一時的なデータの保存
- フォーム入力の保存
- 特徴
- ブラウザのセッション中にのみデータを保存
- タブやウィンドウを閉じるとデータが消える
Cookie Alternatives
- Secure Cookie
- HTTPS通信でのみ送信されるため、盗聴のリスクを軽減できる
- HTTP-only Cookie
- JavaScriptからアクセスできないため、XSS攻撃から保護できる
サーバーサイドストレージ
- 用途
- 大量のデータを安全に保存する場合
- 複数のデバイスからアクセスする必要がある場合
- 特徴
選択のポイント
- セキュリティ
機密性の高いデータならサーバーサイドストレージやHTTP-only Cookie - データの存続期間
一時的なデータならSession Storage、永続的なデータならLocal Storageやサーバーサイドストレージ - データの構造
構造化データならIndexedDBやWeb SQL Database - データのサイズ
小さいデータならCookies、大きなデータならIndexedDB
どの方法を選ぶべきか迷った場合は、以下の点を考慮しましょう。
- アクセス頻度
データにどのくらいの頻度でアクセスする必要があるか? - セキュリティ
データのセキュリティレベルはどの程度必要か? - データの存続期間
どのくらいの期間データを保存する必要があるか? - データの種類
どのような種類のデータを保存する必要があるか? (テキスト、数値、オブジェクトなど)
具体的な例
- ゲーム
ゲームの進捗状況をLocal Storageに保存し、次回起動時に復元する。 - ブログ
記事のドラフトをIndexedDBに保存し、オフラインでも編集できるようにする。 - オンラインストア
商品のカート情報をLocal Storageに保存し、購入手続きの際にサーバーに送信する。
- プライバシー
ユーザーのプライバシー保護に配慮する必要がある。 - パフォーマンス
大量のデータを扱う場合は、パフォーマンスに影響が出る可能性がある。 - ブラウザの互換性
各ブラウザのサポート状況を確認する必要がある。
- Service Workerを使ってオフラインで動作するWebアプリケーションを作成する
- IndexedDBを使ってToDoリストアプリを作成する
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