Node.js ユーザー認証入門
Node.jsでサーバーサイドアプリケーションを開発する際、ユーザーの認証は重要な機能の一つです。ユーザーの身元を確認し、適切な権限を付与することで、セキュリティとアプリケーションの信頼性を確保します。
Node.jsには、ユーザー認証を簡素化するさまざまなライブラリが存在します。以下に、よく使用されるライブラリとその特徴をいくつか紹介します。
Passport.js
- 欠点
設定がやや複雑になる場合があります。 - 利点
ミドルウェアとして使用できるため、既存のExpressアプリケーションに容易に組み込むことができます。 - 特徴
柔軟性が高く、さまざまな認証戦略(ローカル認証、OAuth、OpenID Connectなど)に対応しています。
JSON Web Token (JWT)
- 欠点
トークンの有効期限管理やセキュリティ対策が必要となります。 - 利点
ステートレスな認証が可能であり、サーバー側のセッション管理が不要です。 - 特徴
セキュアなトークンベースの認証を提供します。
- Express-Session
セッションベースの認証を実装するためのミドルウェアです。 - Firebase Authentication
Firebaseの認証機能を利用できます。 - Auth0
クラウドベースの認証プラットフォームで、Node.js SDKを提供しています。
認証の一般的な手順
- ユーザー登録
ユーザーが新規アカウントを作成する際に、ユーザー名、パスワードなどの情報を収集し、データベースに保存します。 - ログイン
ユーザーがログイン情報を提供すると、サーバー側で認証を行います。 - セッション管理
ユーザーが認証されると、セッションが開始され、ユーザーの情報を保持します。 - 権限チェック
ユーザーの権限に基づいて、アクセス可能なリソースや機能を制限します。
セキュリティの考慮事項
- 入力バリデーション
ユーザーからの入力データを検証し、不正な入力を受け付けないようにします。 - CSRF保護
Cross-Site Request Forgery攻撃を防ぐための対策を講じます。 - HTTPSの使用
通信を暗号化して、データの漏洩を防ぎます。 - パスワードハッシュ化
パスワードをハッシュ化して保存し、セキュリティを強化します。
const passport = require('passport');
const LocalStrategy = require('passport-local').Strategy;
passport.use(new LocalStrategy(
function(username, password, d one) {
User.findOne({ username: username }, function(err, user) {
if (err) { return done(err); }
if (!user) { return done(null, false); }
if (!user.verifyPassword(password)) { return done(null, false); }
return done(null, u ser);
});
}
));
passport.serializeUser(function(user, done) {
done(null, user.id);
});
passport.deserializeUser(function(id, done) {
User.findById (id, function(err, user) {
done(e rr, user);
});
});
解説
-
ローカル戦略の定義
LocalStrategy
を使用して、ユーザー名とパスワードによる認証を実装します。User.findOne
でデータベースからユーザー情報を取得し、パスワードの検証を行います。
-
シリアライズとデシリアライズ
serializeUser
でユーザーの ID をセッションに保存します。deserializeUser
でセッションからユーザー ID を取得し、データベースからユーザー情報を取得します。
JWTを使ったトークンベース認証
const jwt = require('jsonwebtoken');
function generateToken(user) {
const token = jwt.sign({ userId: user.id }, 'your-secret-key', { expiresIn: '1h' });
return token;
}
function verifyToken(token) {
try {
const decoded = jwt.verify(token, 'your-secret-key');
return decoded.userId;
} catch (err) {
return null;
}
}
-
トークンの生成
注意
- データベース操作
データベースとの通信は適切な ORM やデータベースドライバを使用して行います。 - セキュリティ
セキュリティベストプラクティスに従い、トークンの有効期限、HTTPS の使用、CSRF 保護などの対策を講じてください。 - パスワードのハッシュ化
パスワードをプレーンテキストで保存しないように、ハッシュ化が必要です。
自作の認証システム
- デメリット
開発コストが高く、セキュリティの確保が難しい。 - メリット
柔軟性が高く、特定のニーズに合わせたカスタマイズが可能。
手順
- ユーザー登録
ユーザー情報をデータベースに保存する。 - ログイン
ユーザー名とパスワードを受け取り、データベースと照合する。 - セッション管理
セッション ID を発行し、ブラウザの Cookie に保存する。 - 権限チェック
ユーザーのロールや権限に基づいてアクセス制御を行う。
OAuth 2.0
- デメリット
複雑な認証フローを理解する必要がある。 - メリット
第三者認証プロバイダーを利用することで、ユーザーの認証を委託できる。
- リダイレクト
ユーザーを認証プロバイダーにリダイレクトする。 - 認証
ユーザーが認証プロバイダーでログインする。 - トークン取得
認証プロバイダーからアクセストークンを取得する。 - ユーザー情報取得
アクセストークンを使用してユーザー情報を取得する。
Session-Based Authentication
- デメリット
ステートフルな認証であり、サーバー側の負荷が増える。 - メリット
シンプルな実装が可能。
- ログイン
ユーザー名とパスワードを受け取り、認証を行う。 - リクエスト処理
各リクエストでセッション ID をチェックし、ユーザー情報を取得する。
- デメリット
トークンのセキュリティ管理が必要。
- トークン発行
JWT などのトークンを発行し、クライアントに返す。
選択のポイント
- カスタマイズ性
特定のニーズに合わせた認証が必要な場合は、自作の認証システムが適している。 - シンプルさ
簡単な認証が必要な場合は、セッションベース認証やライブラリを利用した方法が適している。 - セキュリティ
セキュリティを重視する場合は、OAuth 2.0 やトークンベース認証が適している。
authentication node.js serverside-javascript