Node.js ユーザー認証入門

2024-10-30

Node.jsでサーバーサイドアプリケーションを開発する際、ユーザーの認証は重要な機能の一つです。ユーザーの身元を確認し、適切な権限を付与することで、セキュリティとアプリケーションの信頼性を確保します。

Node.jsには、ユーザー認証を簡素化するさまざまなライブラリが存在します。以下に、よく使用されるライブラリとその特徴をいくつか紹介します。

Passport.js

  • 欠点
    設定がやや複雑になる場合があります。
  • 利点
    ミドルウェアとして使用できるため、既存のExpressアプリケーションに容易に組み込むことができます。
  • 特徴
    柔軟性が高く、さまざまな認証戦略(ローカル認証、OAuth、OpenID Connectなど)に対応しています。

JSON Web Token (JWT)

  • 欠点
    トークンの有効期限管理やセキュリティ対策が必要となります。
  • 利点
    ステートレスな認証が可能であり、サーバー側のセッション管理が不要です。
  • 特徴
    セキュアなトークンベースの認証を提供します。
  • Express-Session
    セッションベースの認証を実装するためのミドルウェアです。
  • Firebase Authentication
    Firebaseの認証機能を利用できます。
  • Auth0
    クラウドベースの認証プラットフォームで、Node.js SDKを提供しています。

認証の一般的な手順

  1. ユーザー登録
    ユーザーが新規アカウントを作成する際に、ユーザー名、パスワードなどの情報を収集し、データベースに保存します。
  2. ログイン
    ユーザーがログイン情報を提供すると、サーバー側で認証を行います。
  3. セッション管理
    ユーザーが認証されると、セッションが開始され、ユーザーの情報を保持します。
  4. 権限チェック
    ユーザーの権限に基づいて、アクセス可能なリソースや機能を制限します。

セキュリティの考慮事項

  • 入力バリデーション
    ユーザーからの入力データを検証し、不正な入力を受け付けないようにします。
  • CSRF保護
    Cross-Site Request Forgery攻撃を防ぐための対策を講じます。
  • HTTPSの使用
    通信を暗号化して、データの漏洩を防ぎます。
  • パスワードハッシュ化
    パスワードをハッシュ化して保存し、セキュリティを強化します。



const passport = require('passport');
const LocalStrategy = require('passport-local').Strategy;

passport.use(new LocalStrategy(
    function(username, password, d   one) {
        User.findOne({ username: username }, function(err, user) {
            if (err) { return done(err); }
            if (!user) { return done(null, false); }
            if (!user.verifyPassword(password)) { return done(null, false); }
            return done(null, u   ser);
        });
    }
));

passport.serializeUser(function(user, done) {
    done(null, user.id);
});

passport.deserializeUser(function(id, done) {
    User.findById   (id, function(err, user) {
        done(e   rr, user);
    });
});

解説

  1. ローカル戦略の定義

    • LocalStrategy を使用して、ユーザー名とパスワードによる認証を実装します。
    • User.findOne でデータベースからユーザー情報を取得し、パスワードの検証を行います。
  2. シリアライズとデシリアライズ

    • serializeUser でユーザーの ID をセッションに保存します。
    • deserializeUser でセッションからユーザー ID を取得し、データベースからユーザー情報を取得します。

JWTを使ったトークンベース認証

const jwt = require('jsonwebtoken');

function generateToken(user) {
    const token = jwt.sign({ userId: user.id }, 'your-secret-key', { expiresIn: '1h' });
    return token;
}

function verifyToken(token) {
    try {
        const decoded = jwt.verify(token, 'your-secret-key');
        return decoded.userId;
    } catch (err) {
        return null;
    }
}
  1. トークンの生成

注意

  • データベース操作
    データベースとの通信は適切な ORM やデータベースドライバを使用して行います。
  • セキュリティ
    セキュリティベストプラクティスに従い、トークンの有効期限、HTTPS の使用、CSRF 保護などの対策を講じてください。
  • パスワードのハッシュ化
    パスワードをプレーンテキストで保存しないように、ハッシュ化が必要です。



自作の認証システム

  • デメリット
    開発コストが高く、セキュリティの確保が難しい。
  • メリット
    柔軟性が高く、特定のニーズに合わせたカスタマイズが可能。

手順

  1. ユーザー登録
    ユーザー情報をデータベースに保存する。
  2. ログイン
    ユーザー名とパスワードを受け取り、データベースと照合する。
  3. セッション管理
    セッション ID を発行し、ブラウザの Cookie に保存する。
  4. 権限チェック
    ユーザーのロールや権限に基づいてアクセス制御を行う。

OAuth 2.0

  • デメリット
    複雑な認証フローを理解する必要がある。
  • メリット
    第三者認証プロバイダーを利用することで、ユーザーの認証を委託できる。
  1. リダイレクト
    ユーザーを認証プロバイダーにリダイレクトする。
  2. 認証
    ユーザーが認証プロバイダーでログインする。
  3. トークン取得
    認証プロバイダーからアクセストークンを取得する。
  4. ユーザー情報取得
    アクセストークンを使用してユーザー情報を取得する。

Session-Based Authentication

  • デメリット
    ステートフルな認証であり、サーバー側の負荷が増える。
  • メリット
    シンプルな実装が可能。
  1. ログイン
    ユーザー名とパスワードを受け取り、認証を行う。
  2. リクエスト処理
    各リクエストでセッション ID をチェックし、ユーザー情報を取得する。
  • デメリット
    トークンのセキュリティ管理が必要。
  1. トークン発行
    JWT などのトークンを発行し、クライアントに返す。

選択のポイント

  • カスタマイズ性
    特定のニーズに合わせた認証が必要な場合は、自作の認証システムが適している。
  • シンプルさ
    簡単な認証が必要な場合は、セッションベース認証やライブラリを利用した方法が適している。
  • セキュリティ
    セキュリティを重視する場合は、OAuth 2.0 やトークンベース認証が適している。

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