multipart/form-data境界解説

2024-09-09

multipart/form-dataの境界について(日本語)

multipart/form-dataは、HTTPリクエストのボディ内で複数の異なるデータ型を同時に送信するためのエンコーディング形式です。これは主に、HTMLフォームからのファイルアップロードや、複数の異なるデータ型を同時に送信する必要がある場合に使用されます。

境界(Boundary)とは?

境界は、multipart/form-dataの各パートを区切るための特殊な文字列です。この文字列は、フォーム送信時にサーバーによって生成され、リクエストのヘッダに設定されます。

境界の役割

  • データ型の指定
    各パートのヘッダには、そのパートのデータ型(例えば、text/plainimage/jpegなど)が指定されます。これにより、サーバーは各パートのデータを適切に処理することができます。
  • パートの区別
    境界は、各パートの開始と終了を明確に示すことで、サーバーが異なるパートを正確に識別できるようにします。

境界の構文

境界は、ダッシュ(-)とハイフン(-)で囲まれた任意の文字列です。例えば、--boundary1234567890という境界を使用することができます。

multipart/form-dataの構造

--boundary
Content-Disposition: form-data; name="field1"

value1
--boundary
Content-Disposition: form-data; name="file"; filename="image.jpg"
Content-Type: image/jpeg

<binary data of the image>
--boundary--
  • --boundary--
    境界の終了を示します。
  • <binary data>
    パートのデータ内容です。
  • Content-Type
    パートのデータ型を指定します。
  • filename
    ファイルのパートの場合はファイル名を指定します。
  • name
    パートの名前を指定します。
  • Content-Disposition
    パートの情報を指定します。

境界の処理

サーバーは、受信したmultipart/form-dataリクエストの境界を解析し、各パートを抽出して処理します。各パートのデータ型に基づいて、適切な処理が行われます。例えば、ファイルのパートはサーバーにアップロードされ、テキストのパートはデータベースに保存されるなどです。




--boundary
Content-Disposition: form-data; name="field1"

value1
--boundary
Content-Disposition: form-data; name="file"; filename="image.jpg"
Content-Type: image/jpeg

<binary data of the image>
--boundary--

コード例(サーバー側)

PHP

<?php
// multipart/form-dataの処理
$boundary = "--boundary1234567890"; // 実際にはサーバーによって生成される

$data = file_get_contents('php://input');

// 境界を解析して各パートを抽出
$parts = explode($boundary, $data);

// 各パートを処理
foreach ($parts as $part) {
    if (empty($part)) {
        continue;
    }

    // ヘッダとデータの分離
    $header = substr($part, 0, strpos($part, "\r\n\r\n"));
    $body = substr($part, strpos($part, "\r\n\r\n") + 4);

    // ヘッダを解析して情報を取得
    $headers = explode("\r\n", $header);
    $name = preg_match('/name="([^"]+)"/', $headers[0], $matches) ? $matches[1] : '';
    $filename = preg_match('/filename="([^"]+)"/', $headers[0], $matches) ? $matches[1] : '';

    // パートの処理
    if ($name == 'field1') {
        // テキストフィールドの処理
        echo "Field 1: $body";
    } elseif (!empty($filename)) {
        // ファイルアップロードの処理
        $target_file = 'uploads/' . $filename;
        file_put_contents($target_file, $body);
        echo "File uploaded: $target_file";
    }
}

Node.js

const formidable = require('formidable');

app.post('/upload', (req, res) => {
    const form = new formidable.IncomingForm();

    form.parse(req, (err, fields, files) => {
        if (err) {
            return res.status(500).send(   err);
        }

        // fieldsにはテキストフィールドの値が、filesにはファイル情報が保存されます
        console.log(fields);
        console.log(files);

        // ファイルをアップロードする処理
        // ...
    });
});

コード例(クライアント側)

HTML

<form action="upload.php" method="POST" enctype="multipart/form-data">
    <input type="text" name="field1">
    <input type="file" name="file">
    <input type="submit" value="Submit">
</form>



--boundary
Content-Disposition: form-data; name="field1"

value1
--boundary
Content-Disposition: form-data; name="file"; filename="image.jpg"
Content-Type: image/jpeg

<binary data of the image>
--boundary--

代替方法

URLエンコード


  • http://example.com/form?field1=value1&field2=value2
  • 方法
    各フィールドの値をURLエンコードし、?で区切ってURLに追加します。
  • 用途
    複数のテキストフィールドの値を同時に送信する場合。

JSON


  • 方法
    データをJSONオブジェクトとしてエンコードし、HTTPリクエストのボディにJSON形式で送信します。
  • 用途
    構造化されたデータを送信する場合。
{
    "field1": "value1",
    "field2": "value2"
}

XML

  • 方法
    データをXML形式でエンコードし、HTTPリクエストのボディにXML形式で送信します。
<data>
    <field1>value1</field1>
    <field2>value2</field2>
</data>

Base64エンコード

  • 方法
    バイナリデータをBase64エンコードし、HTTPリクエストのボディに送信します。
  • 用途
    バイナリデータをテキスト形式に変換して送信する場合。
<binary data>

選択の基準

  • エンコード方法
    URLエンコードはシンプルなテキストデータの送信に適しています。Base64エンコードはバイナリデータをテキスト形式に変換する場合に使用されます。
  • 構造
    JSONやXMLは構造化されたデータを送信する場合に適しています。
  • データ型
    multipart/form-dataは複数のデータ型を同時に送信できるため、ファイルアップロードや複数の異なるデータ型が必要な場合に適しています。

html http forms



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