TypeScriptでEvent.targetをElement型にキャストする方法

2024-04-02

TypeScriptにおける Event.target 型と Element 型の違い

問題点

以下のコードのように、Event.target のプロパティに直接アクセスしようとすると、EventTarget 型には存在しないプロパティのため、エラーが発生します。

const button = document.getElementById('button');

button.addEventListener('click', (event) => {
  const text = event.target.textContent; // エラー: Property 'textContent' does not exist on type 'EventTarget'.
});

解決方法

この問題を解決するには、以下のいずれかの方法で Event.targetElement 型にキャストする必要があります。

型ガードを使用する

const button = document.getElementById('button');

button.addEventListener('click', (event) => {
  if (event.target instanceof Element) {
    const text = event.target.textContent;
    console.log(text); // "ボタンが押されました"
  }
});

アサーションを使用する

const button = document.getElementById('button');

button.addEventListener('click', (event) => {
  const text = (event.target as Element).textContent;
  console.log(text); // "ボタンが押されました"
});

as キーワードを使用する

const button = document.getElementById('button');

button.addEventListener('click', (event) => {
  const text = event.target.textContent as string;
  console.log(text); // "ボタンが押されました"
});

これらの方法により、Event.targetElement 型にキャストすることで、プロパティに安全にアクセスできるようになります。

補足

  • EventTarget 型は、イベントの発生元を表す抽象的な型です。
  • Element 型は、HTML要素を表す具体的な型です。
  • TypeScript では、型の安全性のために、型変換が必要な場合があります。



<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>Event.target 型と Element 型の違い</title>
</head>
<body>
  <button id="button">ボタン</button>

  <script>
    const button = document.getElementById('button');

    // 型ガードを使用する
    button.addEventListener('click', (event) => {
      if (event.target instanceof Element) {
        const text = event.target.textContent;
        console.log(text); // "ボタンが押されました"
      }
    });

    // アサーションを使用する
    button.addEventListener('click', (event) => {
      const text = (event.target as Element).textContent;
      console.log(text); // "ボタンが押されました"
    });

    // `as` キーワードを使用する
    button.addEventListener('click', (event) => {
      const text = event.target.textContent as string;
      console.log(text); // "ボタンが押されました"
    });
  </script>
</body>
</html>

このコードを実行すると、いずれの方法でも "ボタンが押されました" という文字列がコンソールに出力されます。

  • 上記のコードは、イベントリスナーの例です。



Event.target を Element 型にキャストする他の方法

querySelector を使用する

const button = document.getElementById('button');

button.addEventListener('click', (event) => {
  const element = event.target.closest('button');
  if (element) {
    const text = element.textContent;
    console.log(text); // "ボタンが押されました"
  }
});

この方法では、querySelector メソッドを使用して、イベント発生元の要素を取得します。querySelector メソッドは、指定されたセレクターに一致する最初の要素を返します。

const button = document.getElementById('button');

button.addEventListener('click', (event) => {
  const element = event.currentTarget as HTMLButtonElement;
  const text = element.textContent;
  console.log(text); // "ボタンが押されました"
});

この方法では、イベントオブジェクトの currentTarget プロパティを使用して、イベントが発生した要素を取得します。currentTarget プロパティは、イベントリスナーが登録された要素を返します。

イベントオブジェクトの composedPath プロパティを使用する

const button = document.getElementById('button');

button.addEventListener('click', (event) => {
  const path = event.composedPath();
  const element = path.find((element) => element instanceof HTMLButtonElement);
  if (element) {
    const text = element.textContent;
    console.log(text); // "ボタンが押されました"
  }
});

この方法では、イベントオブジェクトの composedPath プロパティを使用して、イベント発生元の要素を含む要素の配列を取得します。composedPath プロパティは、イベント伝播の過程でイベントが発生した要素をすべて返します。

これらの方法は、いずれも Event.targetElement 型にキャストする方法として有効です。状況に応じて、適切な方法を選択してください。

補足

  • 上記の方法は、いずれもブラウザの互換性を考慮する必要があります。
  • 詳細については、ブラウザのドキュメントを参照してください。

typescript event-listener


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