TypeScriptで開発をもっと快適に!.tsと.d.tsファイルを使いこなすためのガイド
TypeScriptにおける*.d.tsと*.tsの違い
*1. .tsファイル:
- TypeScriptソースコードを含むファイルです。
- 変数、関数、クラス、インターフェースなどのプログラム要素を定義します。
- プログラミングロジックを実装します。
- ブラウザやNode.jsで直接実行することはできません。
- 型定義情報を含むファイルです。
- 型情報のみを含み、プログラミングロジックは記述しません。
- TypeScriptコンパイラに型情報を提供し、型エラーの検出などに役立ちます。
- *.tsファイル: プログラミングロジックを含むソースコード
- *.d.tsファイル: 型情報を含む定義ファイル
例:
// example.ts (TypeScriptソースコード)
function add(x: number, y: number): number {
return x + y;
}
const result = add(10, 20);
console.log(result); // 30を出力
// example.d.ts (型定義ファイル)
declare function add(x: number, y: number): number;
上記のように、.tsファイルには実際のロジックが記述され、.d.tsファイルにはその型情報のみが記述されます。*.d.tsファイルは、型エラーの検出やIDEの補完機能などに役立ちます。
TypeScript 1.4では、*.d.tsファイルに宣言的な型パラメーターを追加できるようになりました。これにより、より柔軟で強力な型定義が可能になりました。
TypeScript サンプルコード
example.ts
// Personクラスを定義する
class Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number) {
this.name = name;
this.age = age;
}
greet() {
console.log(`Hello, my name is ${this.name} and I am ${this.age} years old.`);
}
}
// Personクラスのインスタンスを作成
const person = new Person('Taro', 30);
// greetメソッドを呼び出す
person.greet();
// Personクラスの型定義
declare class Person {
name: string;
age: number;
constructor(name: string, age: number);
greet(): void;
}
説明:
- example.ts:
Person
クラスを定義します。このクラスは、名前と年齢を持つ人を表します。constructor
メソッドは、クラスのインスタンスを作成する際に呼び出されます。greet
メソッドは、名前と年齢を出力します。person
変数に、Person
クラスのインスタンスを作成します。person.greet()
メソッドを呼び出し、"Hello, my name is Taro and I am 30 years old."を出力します。
- example.d.ts:
Person
クラスの型定義を記述します。name
とage
プロパティの型を定義します。constructor
とgreet
メソッドの型を定義します。
この例では、.tsファイルで実際のロジックを記述し、.d.tsファイルで型定義を記述することで、TypeScriptの利点を活かした開発を行うことができます。
以下のサイトでは、様々なTypeScriptのサンプルコードを見ることができます。
ぜひ、これらのサンプルコードを参考に、TypeScriptの学習を進めてみてください。
TypeScriptにおける*.d.tsと*.tsファイルのその他の違い
コンパイル:
- *.tsファイル: TypeScriptコンパイラによって、JavaScriptコードにコンパイルされます。
- *.d.tsファイル: コンパイルされません。TypeScriptコンパイラに型情報のみを提供します。
実行:
- *.tsファイル: コンパイルされたJavaScriptコードは、ブラウザやNode.jsで実行できます。
- *.d.tsファイル: 実行できません。型情報のみを含むためです。
コード記述:
- *.tsファイル: TypeScriptの機能を利用したコードを記述できます。
- *.d.tsファイル: 型定義のみを記述できます。TypeScriptの構文規則に従う必要はありませんが、一般的にはTypeScriptに近い構文で記述されます。
ファイル拡張子:
- *.tsファイル: 標準的なTypeScriptソースコードファイルの拡張子です。
- *.d.tsファイル: 型定義ファイル専用の拡張子です。
項目 | *.tsファイル | *.d.tsファイル |
---|---|---|
コンパイル | JavaScriptコードにコンパイル | コンパイルされない |
実行 | 実行可能 | 実行不可 |
コード記述 | TypeScriptの機能を利用可能 | 型定義のみ記述可能 |
ファイル拡張子 | *.ts | *.d.ts |
// example.ts (TypeScriptソースコード)
function add(x: number, y: number): number {
return x + y;
}
const result = add(10, 20);
console.log(result); // 30を出力
// example.d.ts (型定義ファイル)
declare function add(x: number, y: number): number;
上記のように、.tsファイルは実際に実行されるコードを含むのに対し、.d.tsファイルは型情報のみを含むという違いがあります。
- TypeScriptは、JavaScriptを拡張した静的に型付けされたプログラミング言語です。
- .tsファイルと.d.tsファイルは、TypeScript開発において重要な役割を果たします。
- TypeScriptを習得することで、より安全で保守しやすいコードを書くことができます。
typescript typescript1.4