Node.js, Express, body-parserにおける「extended」オプションの詳細解説

2024-07-27

Node.jsのWebフレームワークであるExpressにおいて、body-parserミドルウェアは、HTTPリクエストのボディを解析し、JavaScriptオブジェクトに変換する重要な役割を担います。

Express 4.0では、body-parserミドルウェアのurlencodedオプションにextendedというフラグが導入されました。このフラグは、URLエンコードされたデータの解析方法を制御します。

extendedオプションの役割

extendedオプションをtrueに設定すると、URLエンコードされたデータ内の複雑なオブジェクトや配列を解析することができます。一方、falseに設定すると、単純な文字列や配列のみを解析します。

具体的な動作

  • extendedtrueの場合:

    • URLエンコードされたデータ内のオブジェクトや配列は、JavaScriptオブジェクトや配列に変換されます。
    • ネストされたオブジェクトや配列も正しく解析されます。

以下の例は、extendedオプションがtruefalseの場合の動作の違いを示しています。

const bodyParser = require('body-parser');
const express = require('express');

const app = express();

app.use(bodyParser.urlencoded({ extended: true }));

app.post('/data', (req, res) => {
  const data = req.body;
  console.log(data); // { name: 'John Doe', age: 30, hobbies: ['coding', 'reading'] }
});

上記のコードでは、dataオブジェクトには、nameagehobbiesというプロパティを持つオブジェクトが格納されます。hobbiesプロパティには、codingreadingという文字列を含む配列が含まれます。

const bodyParser = require('body-parser');
const express = require('express');

const app = express();

app.use(bodyParser.urlencoded({ extended: false }));

app.post('/data', (req, res) => {
  const data = req.body;
  console.log(data); // { name: 'John Doe', age: '30', hobbies: 'coding,reading' }
});

extendedオプションの設定は、アプリケーションのニーズによって異なります。

  • ネストされたオブジェクトや配列を扱う場合は、extendedtrueに設定する必要があります。
  • 単純な文字列や配列のみを扱う場合は、extendedfalseに設定することで、パフォーマンスを向上させることができます。

body-parserミドルウェアのextendedオプションは、URLエンコードされたデータの解析方法を制御する重要なオプションです。アプリケーションのニーズに合わせて適切な設定を行うことで、より効率的なデータ処理を実現することができます。

  • Express 4.16.0以降では、body-parserミドルウェアはExpress本体に統合されています。そのため、body-parserパッケージをインストールする必要はありません。
  • Express 5.xでは、body-parserミドルウェアはexpress.json()express.urlencoded()という2つのミドルウェアに分かれています。extendedオプションは、express.urlencoded()ミドルウェアに設定します。



// サンプルコード:Node.js、Express、body-parserにおける「extended」オプションの動作

const bodyParser = require('body-parser');
const express = require('express');

const app = express();

// URLエンコードされたデータの解析
app.use(bodyParser.urlencoded({ extended: true }));

// データ受信時の処理
app.post('/data', (req, res) => {
  const data = req.body;

  // ネストされたオブジェクトや配列を含むデータの場合
  if (data.nested) {
    console.log('ネストされたオブジェクト:', data.nested);
  }

  // 単純な文字列や配列を含むデータの場合
  console.log('単純な文字列:', data.name);
  console.log('配列:', data.hobbies);

  res.send('データを受信しました');
});

// サーバー起動
app.listen(3000, () => {
  console.log('サーバーを起動しました:http://localhost:3000');
});

// テスト用データ
const testData = {
  name: 'John Doe',
  hobbies: ['coding', 'reading'],
  nested: {
    property1: 'value1',
    property2: {
      subProperty: 'subValue'
    }
  }
};

// POSTリクエスト送信
fetch('http://localhost:3000/data', {
  method: 'POST',
  headers: {
    'Content-Type': 'application/x-www-form-urlencoded'
  },
  body: new URLSearchParams(testData)
})
  .then(response => response.json())
  .then(data => console.log('レスポンス:', data));
  1. body-parserミドルウェアの導入:
    • const bodyParser = require('body-parser');body-parserミドルウェアをインポートします。
    • app.use(bodyParser.urlencoded({ extended: true })); で、URLエンコードされたデータの解析を有効にし、extendedオプションをtrueに設定します。
  2. データ受信時の処理:
    • app.post('/data', (req, res) => {...}); で、/dataへのPOSTリクエストに対する処理を定義します。
    • const data = req.body; で、リクエストボディを解析してJavaScriptオブジェクトに格納します。
    • if (data.nested) {...} で、nestedプロパティが存在するかどうかで処理を分岐します。
      • 存在する場合、console.log('ネストされたオブジェクト:', data.nested); でネストされたオブジェクトの内容を出力します。
    • console.log('単純な文字列:', data.name); で、nameプロパティの値を出力します。
    • res.send('データを受信しました'); で、クライアントにレスポンスを返します。
  3. サーバー起動:
  4. テスト用データ:
  5. POSTリクエスト送信:
    • response.json() で、レスポンスをJSON形式に変換します。
    • console.log('レスポンス:', data); で、レスポンスの内容を出力します。
  1. Node.jsとExpressをインストールします。
  2. コマンドプロンプトで、以下のコマンドを実行します。



  • qsライブラリは、URLエンコードされたデータを解析するための別のライブラリです。
  • body-parserurlencodedオプションと同様に、extendedオプションを使用して、ネストされたオブジェクトや配列を解析することができます。
  • 以下のコードは、qsライブラリを使用してURLエンコードされたデータを解析する例です。
const qs = require('qs');
const express = require('express');

const app = express();

app.use(express.urlencoded({ extended: false }));

app.post('/data', (req, res) => {
  const data = qs.parse(req.body, { extended: true });
  console.log(data);
  res.send('データを受信しました');
});

// ... (サーバー起動とテスト用データは省略)

JSON形式のデータ

  • アプリケーションでやり取りするデータがJSON形式の場合は、body-parserjson()ミドルウェアを使用することができます。
  • このミドルウェアは、自動的にJSONデータを解析してJavaScriptオブジェクトに変換します。
  • 以下のコードは、json()ミドルウェアを使用してJSONデータを解析する例です。
const bodyParser = require('body-parser');
const express = require('express');

const app = express();

app.use(bodyParser.json());

app.post('/data', (req, res) => {
  const data = req.body;
  console.log(data);
  res.send('データを受信しました');
});

// ... (サーバー起動とテスト用データは省略)

カスタムミドルウェア

  • より高度な制御が必要な場合は、カスタムミドルウェアを作成して、URLエンコードされたデータを独自に解析することができます。
const express = require('express');

const app = express();

app.use(express.urlencoded({ extended: false }));

app.use((req, res, next) => {
  const parsedData = {};
  for (const key in req.body) {
    const value = req.body[key];
    if (Array.isArray(value)) {
      parsedData[key] = value;
    } else {
      try {
        parsedData[key] = JSON.parse(value);
      } catch (error) {
        parsedData[key] = value;
      }
    }
  }
  req.body = parsedData;
  next();
});

app.post('/data', (req, res) => {
  const data = req.body;
  console.log(data);
  res.send('データを受信しました');
});

// ... (サーバー起動とテスト用データは省略)

各方法の比較

方法利点欠点
body-parser (extended: true)使いやすいパフォーマンスが若干低下する可能性がある
qsライブラリ柔軟性が高いbody-parserよりも複雑
json()ミドルウェアJSONデータに最適URLエンコードされたデータには不向き
カスタムミドルウェア完全な制御が可能開発・保守の手間がかかる

適切な方法の選択

上記で紹介した方法はそれぞれ長所と短所があるため、アプリケーションのニーズに合わせて適切な方法を選択する必要があります。

  • シンプルで使いやすい方法を求める場合は、body-parserextended: trueオプションがおすすめです。
  • より柔軟性やパフォーマンスが必要な場合は、qsライブラリやカスタムミドルウェアを検討することができます。
  • アプリケーションで主にJSONデータを使用する場合は、json()ミドルウェアが効率的です。

node.js express body-parser



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