複数行テキスト省略方法
HTML, CSS で複数行テキストに省略記号を適用する
HTML と CSS を組み合わせて、複数行のテキストを省略して表示することができます。これは、テキストがコンテナのサイズを超えて溢れる場合に、テキストの末尾に省略記号 (「...」) を表示する手法です。
HTML の基本構造
まず、テキストを収めるためのコンテナ要素を作成します。通常は <div>
や <p>
などのブロック要素を使用します。
<div class="container">
<p>This is a long paragraph of text that might overflow the container.</p>
</div>
CSS で省略記号を適用する
次に、CSS を使用して、コンテナのテキストを省略するようにスタイルを設定します。
.container {
overflow: hidden; /* コンテンツがコンテナの外に出ないように */
text-overflow: ellipsis; /* 末尾に省略記号を表示 */
white-space: nowrap; /* 行の折り返しを禁止 */
}
white-space: nowrap
: 行の折り返しを禁止します。これにより、テキストが単一行として扱われ、省略記号が効果的に表示されます。text-overflow: ellipsis
: テキストがオーバーフローした場合に、末尾に省略記号を表示します。overflow: hidden
: コンテンツがコンテナの外に出るのを防ぎます。
複数行テキストの省略
複数行のテキストを省略するには、いくつかの方法があります。
行数を制限
max-height
プロパティを使用して、コンテナの最大高さを設定し、テキストの行数を制限します。
.container {
max-height: 3 lines; /* 最大3行 */
/* その他のスタイルは同じ */
}
- JavaScript を使用して、テキストの文字数をチェックし、必要に応じて省略記号を挿入します。
複雑なロジック
- より複雑なロジックが必要な場合は、JavaScript を使用して、特定の単語やフレーズに基づいて省略を制御することができます。
注意点
- 複数行のテキストを省略する場合には、
max-height
や文字数制限などの方法を組み合わせて、適切な省略方法を選択してください。 white-space: nowrap
を使用すると、テキストが単一行として扱われるため、コンテナの幅が狭すぎると、テキストが省略されることなくスクロールバーが表示される可能性があります。
HTML, CSS で複数行テキストを省略するコード例の詳細解説
コード例1: CSSのみで複数行を省略(-webkit-line-clamp)
.container {
display: -webkit-box;
-webkit-line-clamp: 3;
-webkit-box-orient: vertical;
overflow: hidden;
}
overflow: hidden;
: 余分な部分を隠します。-webkit-box-orient: vertical;
: ボックス内の要素を縦方向に配置します。-webkit-line-clamp: 3;
: 最大3行まで表示し、それ以降を省略します。display: -webkit-box;
: 要素をボックスモデルに変換します。
解説
このコードは、Webkit系ブラウザ(Safari、Chromeなど)で特に有効な方法です。指定した行数を超える部分が見えないようにすることで、自然な省略効果を実現できます。
コード例2: JavaScriptで文字数を制限し、省略
function truncateText(element, maxLength) {
if (element.textContent.length > maxLength) {
element.textContent = element.textContent.substring(0, maxLength) + '...';
}
}
// 使用例
const paragraph = document.getElementById('myParagraph');
truncateText(paragraph, 50); // 最多50文字まで表示
JavaScriptを用いて、要素のテキストを指定した文字数で切り詰め、末尾に省略記号を追加する方法です。
- 使用例
- truncateText関数
- 引数に要素と最大文字数を渡します。
- 要素のテキスト長が最大文字数を超えている場合、テキストを切り詰め、省略記号を追加します。
この方法のメリット
- JavaScriptで動的に処理できるため、ユーザーの操作に合わせて変更することも可能。
- 任意の要素に対して柔軟に適用できる。
コード例3: CSSとJavaScriptを組み合わせた高度な制御
.container {
/* 基本的なスタイル */
}
.truncated {
display: -webkit-box;
-webkit-line-clamp: 3;
/* その他のスタイル */
}
function toggleTruncation(element) {
element.classList.toggle('truncated');
}
CSSで基本的なスタイルを定義し、JavaScriptでクラスを切り替えることで、省略の表示・非表示を切り替えることができます。
- toggleTruncation関数
- 引数に要素を渡します。
- 要素に
truncated
クラスを追加・削除することで、省略状態を切り替えます。
- CSSとJavaScriptの両方の強みを活かせる。
- ユーザーインタラクションに合わせて、省略の表示・非表示を制御できる。
どちらの方法を選ぶべきか?
- 高度な制御が必要な場合
CSSとJavaScriptを組み合わせた方法が有効です。 - 柔軟な制御が必要な場合
JavaScriptを用いた方法が適しています。 - シンプルかつ確実な方法
CSSのみの-webkit-line-clamp
がおすすめです。
選ぶ際のポイント
- デザインの複雑さ
複雑なデザインの場合、CSSとJavaScriptを組み合わせた方法が有効です。 - 動的な処理
ユーザーの操作に合わせて省略状態を切り替えたい場合は、JavaScriptを用いた方法が適しています。 - ブラウザの互換性
-webkit-line-clamp
はWebkit系ブラウザでしかサポートされていないため、他のブラウザも考慮する必要がある場合はJavaScriptを用いた方法がおすすめです。
- パフォーマンス
JavaScriptを用いた方法は、CSSのみの方法に比べて処理が重くなる可能性があります。 - 文字化け
全角文字と半角文字を混在させる場合、文字化けが発生する可能性があります。
- JavaScriptライブラリを使用することで、より簡単に複数行テキストの省略を実装できる場合があります。
line-clamp
プロパティは、CSS Multi-column Layout Module Level 3で定義されており、より多くのブラウザでサポートされるようになっています。
JavaScript を活用した高度な制御
DOM 操作と文字数カウント
- 文字数カウント
指定した文字数を超えた部分を省略記号で置き換える。 - テキストノードの分割
テキストノードを単語や文節単位に分割し、表示領域を超えた部分から順に非表示にする。
function truncateText(element, maxLength) {
const textNode = element.firstChild;
const text = textNode.data;
if (text.length > maxLength) {
const truncatedText = text.substring(0, maxLength) + '...';
textNode.data = truncatedText;
}
}
カスタム要素の作成
- テンプレート
HTML テンプレートを使用して、要素の構造を定義し、JavaScript で動的に内容を更新する。 - Web Components
customElements
API を利用して、カスタム要素を作成し、その要素内でテキストの省略処理を実装する。
- -webkit-box-orient
-webkit-line-clamp
と合わせて使用し、ボックス内の要素の配置を制御します。 - line-clamp
Webkit 系ブラウザでサポートされていたプロパティですが、現在は標準化が進んでいます。
サーバーサイドでの処理
- API
サーバー側の API を呼び出し、必要な長さのテキストを取得する。 - サーバーサイドレンダリング
サーバー側でテキストを事前に切り詰め、レンダリング結果をクライアントに送信する。
- SEO
検索エンジンがテキストの内容を正しく理解できるように、適切な構造化データを使用する必要があります。 - アクセシビリティ
視覚障がいを持つユーザーのために、適切な代替テキストを提供する必要があります。 - パフォーマンス
複雑な処理を行う場合は、パフォーマンスへの影響を考慮する必要があります。 - ブラウザの互換性
各ブラウザでサポートされる CSS プロパティや JavaScript API が異なるため、注意が必要です。
選択する際のポイント
- アクセシビリティ
視覚障がいを持つユーザーにも配慮した実装が必要です。 - パフォーマンス
多くのテキストを処理する場合、パフォーマンスを考慮する必要があります。 - 柔軟性
JavaScript を使用すると、より柔軟な制御が可能ですが、実装が複雑になる可能性があります。 - シンプルさ
CSS の-webkit-line-clamp
はシンプルで使いやすいですが、ブラウザの互換性に注意が必要です。
より詳しい情報を得るためには、以下のキーワードで検索することをおすすめします
- customElements
- Web Components
- line-clamp
- JavaScript truncate text
- CSS truncate multiline text
例
- アクセシビリティに配慮した実装方法を知りたい
- パフォーマンスを改善したい
- 特定のブラウザでうまく動作しない
html css ellipsis