Angular2でインメモリキャッシュ、Web Storage、IndexedDBを使ったキャッシュの実装

2024-07-27

Angular2 HTTPサービスで結果をキャッシュする方法

キャッシュの必要性

HTTPリクエストは、ネットワーク帯域幅やサーバーリソースを消費するため、パフォーマンスとコストに影響を与えます。特に、同じデータを何度もリクエストする場合、パフォーマンスの低下やコストの増加につながります。

そこで、HTTPサービスのレスポンスをキャッシュすることで、これらの問題を解決することができます。キャッシュとは、一度取得したデータを保存しておき、次回以降はサーバーにリクエストせずに直接利用できる仕組みです。

キャッシュの実装方法

Angular2でHTTPサービスのレスポンスをキャッシュするには、いくつかの方法があります。

In-memory キャッシュ

最も簡単な方法は、インメモリキャッシュを使用することです。インメモリキャッシュは、アプリケーションメモリ内にデータを保存します。この方法は、アクセス速度が速く、実装も簡単ですが、アプリケーションが再起動されるとキャッシュが失われます。

Web Storage

Web Storageは、ブラウザのローカルストレージを使用してデータを保存します。インメモリキャッシュよりも永続性がありますが、ストレージ容量に制限があります。

IndexedDB

IndexedDBは、ブラウザのデータベースを使用してデータを保存します。Web Storageよりも多くのデータを保存でき、構造化されたデータを保存することができます。

サードパーティライブラリ

Angular2でキャッシュを処理するためのサードパーティライブラリもいくつかあります。これらのライブラリは、より高度な機能を提供しますが、実装が複雑になる場合があります。

キャッシュの利点と欠点

利点

  • パフォーマンスの向上:サーバーへのリクエスト回数が減るため、パフォーマンスが向上します。
  • コスト削減:ネットワーク帯域幅とサーバーリソースの使用量が減るため、コストが削減されます。
  • オフラインアクセス:キャッシュされたデータをオフラインで使用することができます。

欠点

  • データの非同期性:キャッシュされたデータは古くなっている可能性があります。
  • キャッシュの管理:キャッシュの有効期限や更新方法を管理する必要があります。



import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient } from '@angular/common/http';

@Injectable()
export class DataService {

  private cache: any = {};

  constructor(private http: HttpClient) { }

  getData(url: string) {
    if (this.cache[url]) {
      return Promise.resolve(this.cache[url]);
    } else {
      return this.http.get(url)
        .toPromise()
        .then(response => {
          this.cache[url] = response;
          return response;
        });
    }
  }
}

このコードでは、DataServiceというサービスクラスを作成しています。このクラスには、getData()というメソッドがあり、指定されたURLからデータを取得します。

getData()メソッドは、まずキャッシュにデータが存在するかどうかを確認します。存在する場合は、キャッシュからデータを返します。存在しない場合は、HTTPリクエストを実行してデータを取得し、キャッシュに保存してから返します。

import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient } from '@angular/common/http';

@Injectable()
export class DataService {

  private storageKey = 'my-data';

  constructor(private http: HttpClient) { }

  getData(url: string) {
    const data = localStorage.getItem(this.storageKey);
    if (data) {
      return Promise.resolve(JSON.parse(data));
    } else {
      return this.http.get(url)
        .toPromise()
        .then(response => {
          localStorage.setItem(this.storageKey, JSON.stringify(response));
          return response;
        });
    }
  }
}

このコードは、Web Storageを使用してデータを保存します。storageKeyという変数で、保存するデータのキーを定義しています。

getData()メソッドは、まずlocalStorageからデータを取得します。取得できた場合は、JSON形式でパースして返します。取得できなかった場合は、HTTPリクエストを実行してデータを取得し、JSON形式でlocalStorageに保存してから返します。

import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient } from '@angular/common/http';
import { indexedDB } from 'indexeddb';

@Injectable()
export class DataService {

  private dbName = 'my-data';
  private storeName = 'data';

  constructor(private http: HttpClient) { }

  getData(url: string) {
    const idb = indexedDB.open(this.dbName);
    idb.onupgradeneeded = (event: IDBUpgradeRequest) => {
      const db = event.target.result.database;
      if (!db.objectStoreNames.contains(this.storeName)) {
        db.createObjectStore(this.storeName);
      }
    };

    idb.onsuccess = (event: IDBSuccessEvent) => {
      const db = event.target.result;
      const transaction = db.transaction([this.storeName], 'readwrite');
      const objectStore = transaction.objectStore(this.storeName);
      const request = objectStore.get(url);

      request.onsuccess = (event: IDBSuccessEvent) => {
        const data = event.target.result;
        if (data) {
          return Promise.resolve(data);
        } else {
          this.http.get(url)
            .toPromise()
            .then(response => {
              objectStore.put(url, response);
              return response;
            });
        }
      };
    };
  }
}

このコードは、IndexedDBを使用してデータを保存します。dbNamestoreNameという変数で、データベースの名前とストレージの名前を定義しています。

getData()メソッドは、まずindexedDBを使用してデータベースを開きます。データベースが存在しない場合は、新しいデータベースを作成します。




HTTPインターセプターを使用する

HTTPインターセプターは、HTTPリクエストとレスポンスを処理するための特別なクラスです。インターセプターを使用して、キャッシュロジックを実装することができます。

import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpRequest, HttpResponse, HttpHandler, HttpEvent } from '@angular/common/http';

@Injectable()
export class CacheInterceptor implements HttpInterceptor {

  private cache: any = {};

  intercept(req: HttpRequest<any>, next: HttpHandler): Observable<HttpEvent<any>> {
    if (req.method === 'GET' && this.cache[req.url]) {
      return Observable.of(new HttpResponse({ body: this.cache[req.url] }));
    }

    return next.handle(req)
      .pipe(
        tap((event: HttpEvent<any>) => {
          if (event instanceof HttpResponse && event.status === 200) {
            this.cache[req.url] = event.body;
          }
        })
      );
  }
}

このコードでは、CacheInterceptorというインターセプターを作成しています。このインターセプターは、intercept()メソッドを実装しており、このメソッドはすべてのHTTPリクエストとレスポンスを処理します。

intercept()メソッドは、まずリクエストのメソッドとURLを確認します。GETリクエストで、かつURLがキャッシュに存在する場合は、キャッシュからレスポンスを返します。

存在しない場合は、リクエストをそのまま処理し、レスポンスを取得します。レスポンスのステータスコードが200の場合は、レスポンスボディをキャッシュに保存してから返します。

RxJSを使用する

RxJSは、非同期処理を処理するためのライブラリです。RxJSを使用して、キャッシュロジックを実装することができます。

import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient } from '@angular/common/http';
import { Observable, of } from 'rxjs';

@Injectable()
export class DataService {

  private cache: any = {};

  constructor(private http: HttpClient) { }

  getData(url: string): Observable<any> {
    if (this.cache[url]) {
      return of(this.cache[url]);
    } else {
      return this.http.get(url)
        .pipe(
          tap(response => this.cache[url] = response),
          catchError(error => of(error))
        );
    }
  }
}

getData()メソッドは、まずキャッシュにデータが存在するかどうかを確認します。存在する場合は、Observableを使用してキャッシュされたデータを返します。

存在しない場合は、HTTPリクエストを実行してデータを取得し、キャッシュに保存してからObservableを使用してデータを返します。


angular typescript



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