【初心者向け】Angular開発で発生する「Expression ___ has changed after it was checked」エラーの原因と解決策

2024-04-02

TypeScriptとAngularにおける「Expression ___ has changed after it was checked」エラーの解説

「Expression ___ has changed after it was checked」エラーは、Angularアプリケーション開発において比較的よく発生するエラーの一つです。このエラーは、テンプレート内のバインディング式の値が、変更検出の完了後に変更されたことを示しています。

原因

このエラーが発生する主な原因は以下の2つです。

  1. 変更検出サイクル外のデータの変更

Angularは変更検出と呼ばれる仕組みを用いて、テンプレートとコンポーネント間のデータの同期を管理しています。変更検出は、コンポーネントのプロパティやテンプレート内のバインディング式の値が変更されたことを検出し、テンプレートを更新します。

しかし、変更検出サイクル外でデータが変更された場合、Angularは変更を検知できず、テンプレートが更新されません。これが「Expression ___ has changed after it was checked」エラーの原因となります。

  1. 非同期処理によるデータの変更

非同期処理によってデータが変更された場合も、同様のエラーが発生します。非同期処理は、変更検出サイクルとは別のタイミングで実行されるため、変更検出が完了する前にデータが変更される可能性があります。

解決策

このエラーを解決するには、以下の方法が考えられます。

データの変更は、必ず変更検出サイクル内で行うようにしましょう。変更検出サイクル内であれば、Angularはデータの変更を検知し、テンプレートを自動的に更新します。

変更検出サイクル内でデータを変更するには、以下の方法が考えられます。

  • コンポーネントのプロパティのsetterメソッド内で変更を行う
  • ChangeDetectorRefクラスのdetectChanges()メソッドを呼び出す

非同期処理によってデータが変更された場合、asyncパイプやNgZoneクラスなどの機能を用いて、変更検出をトリガーする必要があります。

このエラーは、開発環境でのみ発生します。本番環境では、このエラーは発生しません。

補足

上記の解説は、基本的な内容のみを記載しています。詳細については、上記の参考資料を参照してください。

また、このエラーの原因は複雑な場合もあり、上記の解決策で解決できない場合もあります。その場合は、デバッガーを用いて原因を調査する必要があります。




<div>{{ user.name }}</div>

<button (click)="changeName()">名前を変更</button>
export class AppComponent {
  user = {
    name: 'John Doe',
  };

  changeName() {
    this.user.name = 'Jane Doe';
  }
}

このコードでは、changeName()メソッドが呼び出されると、userオブジェクトのnameプロパティが変更されます。しかし、この変更は変更検出サイクル外で行われるため、Angularは変更を検知できず、テンプレートは更新されません。

このエラーを解決するには、changeName()メソッドを以下のように変更します。

changeName() {
  this.user.name = 'Jane Doe';
  this.changeDetectorRef.detectChanges();
}

以下は、「Expression ___ has changed after it was checked」エラーが発生するその他の例です。

  • 非同期処理によってデータが変更される場合
  • *ngIf*ngForなどの構造ディレクティブを使用している場合
  • コンポーネント間のデータバインディングを使用している場合

これらの場合も、上記の解決策を参考にしてエラーを解決することができます。




「Expression ___ has changed after it was checked」エラーの解決策のその他の方法

asyncパイプを使用する

<div>{{ user.name | async }}</div>

asyncパイプは、非同期処理によって取得されたデータを観察し、データが変更されたときにテンプレートを自動的に更新します。

NgZoneクラスは、Angularアプリケーション内のすべての変更検出を管理するクラスです。NgZoneクラスのrun()メソッドを使用することで、非同期処理をゾーン内を実行することができます。

this.ngZone.run(() => {
  // 非同期処理
});

ゾーン内で行われた変更は、自動的に変更検出されます。

OnPush変更検出戦略を使用する

コンポーネントのchangeDetectionプロパティをOnPushに設定することで、コンポーネントのテンプレートは、明示的に変更検出がトリガーされるまで更新されません。

@Component({
  selector: 'my-component',
  templateUrl: './my-component.html',
  changeDetection: ChangeDetectionStrategy.OnPush,
})
export class MyComponent {
  // ...
}

OnPush変更検出戦略を使用することで、変更検出の頻度を減らし、パフォーマンスを向上させることができます。

テンプレート構文を簡潔にする

テンプレート構文が複雑な場合、エラーが発生しやすくなります。テンプレート構文を簡潔にすることで、エラーを防ぐことができます。

古いバージョンのAngularを使用している場合、このエラーが発生する可能性があります。最新バージョンのAngularを使用していることを確認してください。

「Expression ___ has changed after it was checked」エラーは、さまざまな原因によって発生します。上記の解決策を参考に、エラーの原因を特定し、適切な方法で解決してください。


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