npm スクリプト 出力抑制方法
npm スクリプトの実行時の出力抑制について
npm スクリプトの実行時に、出力されるコンソールログを抑制したい場合、以下の方法が有効です。
--silent オプションを使用する
最もシンプルな方法です。npm run
コマンドの後に --silent
オプションを指定します。
npm run <script_name> --silent
--silent
と似ていますが、エラーメッセージは出力されます。
npm run <script_name> --quiet
スクリプト内で process.stdout.write() を制御する
スクリプトの内部で、process.stdout.write()
を使用してコンソールへの出力を制御することもできます。例えば、出力を無効にするには、以下のようにします。
process.stdout.write = () => {};
cross-env パッケージを使用する
環境変数を設定する際に便利な cross-env
パッケージを使用することもできます。例えば、NODE_ENV
を production
に設定して、多くのモジュールが開発モードでの出力を抑制するようにします。
cross-env NODE_ENV=production npm run <script_name>
注意
cross-env
パッケージは、環境変数を設定する際に便利です。- スクリプト内で
process.stdout.write()
を制御する方法は、スクリプトのロジックに影響を与える可能性があります。 --silent
や--quiet
オプションは、npm 自体の出力も抑制します。
npm スクリプトの出力を抑制するコード例
package.json 内での --silent オプションの使用
{
"scripts": {
"build": "webpack --mode production --silent"
}
}
- 解説
package.json
のscripts
セクションに、実行したいコマンドと--silent
オプションを指定します。- この例では、Webpack を
production
モードで実行し、出力を抑制しています。 npm run build
を実行すると、Webpack の詳細な出力は表示されません。
{
"scripts": {
"test": "jest --config jest.config.js --quiet"
}
}
- 解説
--quiet
オプションは、エラーメッセージは表示しますが、通常の出力は抑制します。- Jest のテストを実行する際に、テスト結果のサマリーなどは表示されますが、各テストの詳細なログは表示されません。
// build.js
process.stdout.write = () => {};
// Webpack の設定などを記述
- 解説
- Node.js の標準出力である
process.stdout.write()
を空関数に置き換えることで、スクリプト内のすべての出力を抑制します。 - この方法は、スクリプト全体の出力を完全に抑制したい場合に有効ですが、デバッグが難しくなる可能性があります。
- Node.js の標準出力である
{
"scripts": {
"build": "cross-env NODE_ENV=production webpack"
}
}
- 解説
cross-env
パッケージを使用することで、環境変数を設定できます。NODE_ENV=production
と設定すると、多くのモジュールが開発モードでの出力を抑制するようになります。- Webpack など、環境変数
NODE_ENV
を参照して動作を変えるツールで効果を発揮します。
- npm-run-all
- シェルスクリプト
どの方法を選ぶべきか
- 環境変数によって動作を変えるツールを使用している場合
cross-env
パッケージが便利です。 - スクリプト内の特定の部分の出力を抑制したい場合
process.stdout.write()
を制御する方法が有効です。 - 一時的に出力を抑えたい場合
--silent
や--quiet
オプションが簡単です。
ログレベルの調整
- 環境変数
一部のツールは、環境変数でログレベルを設定できます。例えば、多くの Node.js アプリケーションはDEBUG
環境変数でデバッグログの出力レベルを制御します。DEBUG=*,-mymodule cross-env NODE_ENV=production npm run build
- ツール固有のオプション
多くのビルドツールやテストフレームワークは、ログレベルを調整するオプションを提供しています。例えば、Webpack の場合は--stats
オプションで出力する統計情報の量を制御できます。npm run build -- --stats=minimal
出力先のリダイレクト
- null への出力
出力を /dev/null にリダイレクトすることで、完全に破棄できます。npm run build > /dev/null 2>&1
- ファイルへの出力
スクリプトの出力をファイルにリダイレクトすることで、コンソールへの表示を抑え、後でログを確認することができます。npm run build > build.log 2>&1
カスタムロギング
- ロギングライブラリ
Winston や Pino などのロギングライブラリを使用して、出力内容を細かく制御できます。ログレベルを設定したり、出力先を指定したりすることができます。
スクリプトの分割
- 複数のスクリプトに分ける
複雑なスクリプトを複数の小さなスクリプトに分けることで、各スクリプトの出力を個別に制御しやすくなります。
CI/CD パイプラインでの設定
- CI/CD ツール固有の設定
GitHub Actions や CircleCI などの CI/CD ツールでは、ジョブの設定でログの表示をカスタマイズできる場合があります。
ターミナルの設定
- ターミナルのエスケープシーケンス
一部のターミナルでは、エスケープシーケンスを使って出力を制御できます。ただし、この方法はプラットフォームやターミナルアプリケーションによって異なります。
- CI/CD 環境
CI/CD ツールの設定を利用します。 - 特定の出力の抑制
ツール固有のオプションや環境変数で調整します。 - ログの保存
ファイルへの出力やロギングライブラリが適しています。 - 完全な無音
/dev/null
へのリダイレクトが最も効果的です。
選択する際には、以下の点を考慮しましょう。
- スクリプトの複雑さ
複雑なスクリプトの場合は、複数の方法を組み合わせる必要があるかもしれません。 - 出力内容を保存したいか
保存したい場合は、ファイルに出力するかロギングライブラリを使用します。 - どの程度の出力を抑制したいか
全ての出力、特定の種類の出力など
npm スクリプトの出力を抑制する方法には、さまざまなものがあります。状況に合わせて最適な方法を選択し、開発効率を向上させましょう。
- 過度に出力を抑制すると、デバッグが難しくなる場合があります。適切なバランスを見つけることが重要です。
- 上記以外にも、特定のツールやフレームワークに特化した方法が存在する可能性があります。
node.js npm