Angular2でNgForとパイプでデータ更新が反映されない?原因と4つの解決策

2024-07-27

Angular2 で NgFor をパイプでデータ更新:詳細解説

NgFor ディレクティブとパイプを組み合わせた場合、データ更新が反映されない問題が発生することがあります。これは、Angular の変更検出メカニズムとパイプの動作が影響しているためです。

原因

Angular は、パフォーマンスを向上させるために、コンポーネントとデータバインディングの変更を効率的に検出する仕組みを持っています。この仕組みは、変更検出サイクルと呼ばれ、コンポーネントツリーを再描画する必要があるかどうかを判断します。

デフォルトでは、パイプは「ステートレス」または「純粋」とみなされます。つまり、入力データが変更されない限り、出力データも変更されないことを意味します。Angular は、ステートレスパイプの効率的な処理を最適化できます。入力データが変更されていない場合、パイプは変更検出サイクル中に実行する必要がありません。

NgFor ディレクティブとステートレスパイプを組み合わせる場合、問題が発生することがあります。NgFor はイテレータであり、ループ内でテンプレートを繰り返しレンダリングします。パイプがステートレスである場合、データが更新されても、NgFor はテンプレートを再レンダリングしない可能性があります。

解決策

この問題を解決するには、以下の方法があります。

ステートフルパイプを使用する

ステートフルパイプは、状態を保持するパイプです。つまり、入力データが変更されたかどうかにかかわらず、常に実行されます。ステートフルパイプを使用すると、NgFor ディレクティブでデータ更新を確実に反映できます。

ステートフルパイプを作成するには、@Pipe デコレータの pure プロパティを false に設定する必要があります。

@Pipe({
  name: 'myPipe',
  pure: false
})
export class MyPipe implements PipeTransform {
  transform(value: any, args?: any): any {
    // ...
  }
}

データバインディングを使用する

パイプを使用せずに、データバインディングを使用してデータをテンプレートに直接バインドすることもできます。

<ng-for="item in items">
  <div>{{ item.name }}</div>
</ng-for>

変更検出を明示的にトリガーする

ChangeDetectorRef サービスを使用して、変更検出を明示的にトリガーすることもできます。

import { Component, ChangeDetectorRef } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <ng-for="item in items">
      <div>{{ item.name }}</div>
    </ng-for>
  `
})
export class AppComponent {
  items: any[] = [];

  constructor(private changeDetectorRef: ChangeDetectorRef) {}

  addItem() {
    this.items.push({ name: 'New Item' });
    this.changeDetectorRef.detectChanges();
  }
}

トラッキングを使用する

NgFor ディレクティブの trackBy プロパティを使用して、ループ内の各アイテムをトラッキングすることもできます。これにより、Angular はアイテムの変更を検出し、テンプレートを再レンダリングすることができます。

<ng-for="item in items trackBy: trackByFn">
  <div>{{ item.name }}</div>
</ng-for>
trackByFn(index: number, item: any) {
  return item.id;
}



<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
  <title>NgFor with Pipe Example</title>
  <script src="https://unpkg.com/@angular/[email protected]/fesm2015/core.mjs"></script>
  <script src="app.component.ts"></script>
</head>
<body>
  <my-app></my-app>
</body>
</html>
// app.component.ts
import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <h1>NgFor with Pipe Example</h1>
    <ul>
      <li *ngFor="item of items | myPipe">
        {{ item.name }} ({{ item.price | currency:'USD':'1.2-2' }})
      </li>
    </ul>
    <button (click)="addItem()">Add Item</button>
  `
})
export class AppComponent {
  items: any[] = [
    { name: 'Apple', price: 1.99 },
    { name: 'Banana', price: 0.99 },
    { name: 'Orange', price: 2.49 }
  ];

  addItem() {
    this.items.push({ name: 'New Item', price: Math.random() * 10 });
  }
}

// my-pipe.ts
import { Pipe, PipeTransform } from '@angular/core';

@Pipe({
  name: 'myPipe'
})
export class MyPipe implements PipeTransform {
  transform(items: any[], filterText?: string): any[] {
    if (!filterText) {
      return items;
    }

    return items.filter(item => item.name.toLowerCase().includes(filterText.toLowerCase()));
  }
}

説明

  • addItem メソッドは、新しいアイテムを items 配列に追加します。
  • currency パイプは、price プロパティを米ドルでフォーマットします。
  • myPipe パイプは、filterText パラメータを受け取り、name プロパティが filterText を含むアイテムのみを返します。
  • NgFor ディレクティブは、myPipe パイプを使用してアイテムをフィルタリングします。
  • 各アイテムは、nameprice プロパティを持つオブジェクトです。
  • コンポーネントテンプレートには、NgFor ディレクティブを使用して items 配列をループ処理するリストが含まれています。
  • このコードは、my-app というコンポーネントを作成します。
  • "追加" ボタンをクリックすると、新しいアイテムがリストに追加されます。
  • 検索ボックスにテキストを入力すると、リストはフィルタリングされます。
  • 価格は米ドルでフォーマットされます。
  • 各アイテムには、名前と価格が表示されます。
  • アイテムリストが表示されます。



<ng-for="item in items trackBy: trackByFn">
  <div>{{ item.name }}</div>
</ng-for>
trackByFn(index: number, item: any) {
  return item.id;
}

ChangeDetectorRef を使用する

import { Component, ChangeDetectorRef } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <ng-for="item in items">
      <div>{{ item.name }}</div>
    </ng-for>
  `
})
export class AppComponent {
  items: any[] = [];

  constructor(private changeDetectorRef: ChangeDetectorRef) {}

  addItem() {
    this.items.push({ name: 'New Item' });
    this.changeDetectorRef.detectChanges();
  }
}

オンデマンド変更検出を使用する

Angular 9 以降では、オンデマンド変更検出を使用することもできます。これは、コンポーネント内で明示的に変更検出をトリガーする必要がある場合に役立ちます。

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  changeDetection: ChangeDetectionStrategy.OnDemand
})
export class AppComponent {
  items: any[] = [];

  addItem() {
    this.items.push({ name: 'New Item' });
    this.markForCheck(); // 変更検出をトリガー
  }
}

コンポーネントを再レンダリングする

最後の手段として、コンポーネントを再レンダリングして、テンプレート内のすべてのデータが更新されるようにすることもできます。

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  template: `
    <ng-for="item in items">
      <div>{{ item.name }}</div>
    </ng-for>
  `
})
export class AppComponent {
  items: any[] = [];

  addItem() {
    this.items.push({ name: 'New Item' });
    this.cdRef.detectChanges(); // コンポーネントを再レンダリング
  }

  constructor(private cdRef: ChangeDetectorRef) {}
}

それぞれの方法の利点と欠点

  • コンポーネントの再レンダリング: 最後の手段として使用すべきですが、パフォーマンスに影響を与える可能性があります。
  • オンデマンド変更検出: 高度な制御が可能ですが、誤用するとパフォーマンスの問題が発生する可能性があります。
  • ChangeDetectorRef: 柔軟性がありますが、コードが煩雑になる可能性があります。
  • トラッキング: シンプルで効率的ですが、すべてのアイテムに ID が必要です。

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