Angular: *ngIf* 内部でテンプレートローカル変数を使用するための 3 つの方法

2024-07-27

Angularにおけるテンプレートローカル変数とngIfの制限:詳細解説

テンプレートローカル変数のスコープ

テンプレートローカル変数は、宣言されたテンプレートスコープ内でのみ有効です。このスコープは、letキーワードで変数を宣言した箇所から始まり、対応するテンプレート要素の終了タグで閉じられます。

例えば、以下の例では、myHero変数は*ngFor内部のテンプレートのみで有効です。

<ng-for="let myHero of heroes">
  <div>
    <h2>{{ myHero.name }}</h2>
    <p>{{ myHero.description }}</p>
  </div>
</ng-for>

ngIfの挙動とスコープ

*ngIfディレクティブは、条件式に基づいてテンプレート要素の表示/非表示を切り替えるために使用されます。*ngIf内部のテンプレートは、条件が真の場合のみスコープが有効になります。

つまり、*ngIfによって非表示になっているテンプレート内の変数は、実質的に存在しないとみなされます。

テンプレートローカル変数が利用できない理由

上記の理由から、*ngIf内部のテンプレートでテンプレートローカル変数を使用しようとすると、以下のエラーが発生します。

Error: Cannot find name 'myVar'.

これは、myVarという変数がテンプレートスコープ内に存在しないためです。

解決策

*ngIf内部でテンプレートローカル変数を使用したい場合は、以下のいずれかの方法で解決できます。

変数をコンポーネントスコープで宣言する

テンプレートローカル変数をコンポーネントスコープで宣言し、*ngIf内部のテンプレートにバインドする方法です。

<div *ngIf="showContent">
  <p>{{ myVar }}</p>
</div>

この場合、myVar変数はコンポーネントクラスで宣言する必要があります。

ngIfのas構文を使用する

Angular 4.0以降では、*ngIfas構文を使用して、条件式の評価結果をテンプレートローカル変数に格納できます。

<div *ngIf="showContent as condition">
  <p>{{ condition }}</p>
</div>

この方法では、condition変数に*ngIf条件式の評価結果が格納されます。

*ngIf内部でテンプレートローカル変数を使用する場合は、変数のスコープに注意する必要があります。コンポーネントスコープで変数を宣言するか、ngIfas構文を使用することで、この制限を回避することができます。

  • ngTemplate要素を使用して、テンプレートを再利用可能なコンポーネントとして定義することもできます。この場合、ngTemplate内のテンプレートローカル変数は、コンポーネントのスコープ内で利用できます。
  • 複雑なロジックをテンプレート内で処理する必要がある場合は、コンポーネントを使用することを検討してください。コンポーネントは、テンプレートとロジックを分離し、コードをより整理しやすくなります。



<div class="app">
  <h2>ユーザー情報</h2>

  <div *ngIf="showUser">
    <p>名前:{{ user.name }}</p>
    <p>メールアドレス:{{ user.email }}</p>
  </div>

  <button (click)="toggleShowUser()">ユーザー情報を表示/非表示</button>
</div>

TypeScript

import { Component, OnInit } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-root',
  templateUrl: './app.component.html',
  styleUrls: ['./app.component.css']
})
export class AppComponent implements OnInit {
  user = {
    name: '田中 太郎',
    email: '[email protected]'
  };

  showUser = false;

  ngOnInit(): void {
  }

  toggleShowUser(): void {
    this.showUser = !this.showUser;
  }
}

CSS

.app {
  font-family: sans-serif;
}

説明

このコード例では、以下の要素が実装されています。

  • userプロパティ:ユーザー情報オブジェクト
  • showUserプロパティ:ユーザー情報表示/非表示フラグ
  • *ngIfディレクティブ:showUserプロパティが真の場合のみ、ユーザー情報を表示
  • toggleShowUser()メソッド:showUserプロパティの値を反転

実行結果

このコードを実行すると、最初はユーザー情報が表示されません。ユーザー情報を表示/非表示ボタンをクリックすると、ユーザー情報が表示/非表示が切り替わります。

ポイント

  • *ngIf内部でuser変数を使用しようとすると、エラーが発生します。これは、user変数が*ngIf内部のテンプレートスコープに存在しないためです。
  • コンポーネントスコープでuser変数を宣言し、*ngIfにバインドすることで、この問題を解決できます。
  • ngIfas構文を使用すると、条件式の評価結果をテンプレートローカル変数に格納できます。



以下の例では、userTemplateという名前のngTemplate要素を定義し、ユーザー情報を出力するテンプレートを記述しています。

<ng-template #userTemplate let-user>
  <p>名前:{{ user.name }}</p>
  <p>メールアドレス:{{ user.email }}</p>
</ng-template>

<div *ngIf="showUser">
  <ng-container *ngTemplateOutlet="userTemplate; context: user"></ng-container>
</div>

このコードでは、userTemplateテンプレートが*ngIf内部でngTemplateOutletディレクティブを使用して出力されます。contextプロパティを使用して、userTemplateテンプレートにuserオブジェクトを渡しています。

Structural directiveを使用する

ngForngSwitchなどの構造ディレクティブを使用して、テンプレート構造を動的に生成することもできます。これらのディレクティブは、テンプレートローカル変数を使用して、ループ内の各要素や条件に一致するケースにアクセスできます。

以下の例では、ngForディレクティブを使用して、users配列内の各ユーザー情報を出力しています。

<div *ngIf="showUsers">
  <ng-for="let user of users">
    <p>名前:{{ user.name }}</p>
    <p>メールアドレス:{{ user.email }}</p>
  </ng-for>
</div>

このコードでは、ngForディレクティブを使用して、users配列をループし、各ユーザー情報を出力しています。user変数は、ループ内の各ユーザーオブジェクトを参照します。

カスタムパイプを使用する

カスタムパイプを使用して、データの変換や処理を行うこともできます。カスタムパイプ内でテンプレートローカル変数を使用することもできます。

以下の例では、userFullNameという名前のカスタムパイプを定義し、ユーザーの名前と苗字を結合して出力しています。

import { Pipe, PipeTransform } from '@angular/core';

@Pipe({
  name: 'userFullName'
})
export class UserFullNamePipe implements PipeTransform {
  transform(user: { name: string; lastName: string }): string {
    return `${user.name} ${user.lastName}`;
  }
}
<div *ngIf="showUser">
  <p>名前:{{ user | userFullName }}</p>
</div>

このコードでは、userFullNameパイプを使用して、userオブジェクトの名前と苗字を結合して出力しています。

*ngIfとテンプレートローカル変数を組み合わせるには、様々な方法があります。状況に応じて適切な方法を選択してください。

  • パフォーマンスが重要な場合は、テンプレートローカル変数の代わりにコンポーネント入出力を使用することを検討してください。

angular



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