Angular: *ngIf* 内部でテンプレートローカル変数を使用するための 3 つの方法
Angularにおけるテンプレートローカル変数とngIfの制限:詳細解説
テンプレートローカル変数のスコープ
テンプレートローカル変数は、宣言されたテンプレートスコープ内でのみ有効です。このスコープは、let
キーワードで変数を宣言した箇所から始まり、対応するテンプレート要素の終了タグで閉じられます。
例えば、以下の例では、myHero
変数は*ngFor
内部のテンプレートのみで有効です。
<ng-for="let myHero of heroes">
<div>
<h2>{{ myHero.name }}</h2>
<p>{{ myHero.description }}</p>
</div>
</ng-for>
ngIfの挙動とスコープ
*ngIf
ディレクティブは、条件式に基づいてテンプレート要素の表示/非表示を切り替えるために使用されます。*ngIf
内部のテンプレートは、条件が真の場合のみスコープが有効になります。
つまり、*ngIf
によって非表示になっているテンプレート内の変数は、実質的に存在しないとみなされます。
テンプレートローカル変数が利用できない理由
上記の理由から、*ngIf
内部のテンプレートでテンプレートローカル変数を使用しようとすると、以下のエラーが発生します。
Error: Cannot find name 'myVar'.
これは、myVar
という変数がテンプレートスコープ内に存在しないためです。
解決策
*ngIf
内部でテンプレートローカル変数を使用したい場合は、以下のいずれかの方法で解決できます。
変数をコンポーネントスコープで宣言する
テンプレートローカル変数をコンポーネントスコープで宣言し、*ngIf
内部のテンプレートにバインドする方法です。
<div *ngIf="showContent">
<p>{{ myVar }}</p>
</div>
この場合、myVar
変数はコンポーネントクラスで宣言する必要があります。
ngIfのas構文を使用する
Angular 4.0以降では、*ngIf
のas
構文を使用して、条件式の評価結果をテンプレートローカル変数に格納できます。
<div *ngIf="showContent as condition">
<p>{{ condition }}</p>
</div>
この方法では、condition
変数に*ngIf
条件式の評価結果が格納されます。
*ngIf
内部でテンプレートローカル変数を使用する場合は、変数のスコープに注意する必要があります。コンポーネントスコープで変数を宣言するか、ngIf
のas
構文を使用することで、この制限を回避することができます。
ngTemplate
要素を使用して、テンプレートを再利用可能なコンポーネントとして定義することもできます。この場合、ngTemplate
内のテンプレートローカル変数は、コンポーネントのスコープ内で利用できます。- 複雑なロジックをテンプレート内で処理する必要がある場合は、コンポーネントを使用することを検討してください。コンポーネントは、テンプレートとロジックを分離し、コードをより整理しやすくなります。
<div class="app">
<h2>ユーザー情報</h2>
<div *ngIf="showUser">
<p>名前:{{ user.name }}</p>
<p>メールアドレス:{{ user.email }}</p>
</div>
<button (click)="toggleShowUser()">ユーザー情報を表示/非表示</button>
</div>
TypeScript
import { Component, OnInit } from '@angular/core';
@Component({
selector: 'app-root',
templateUrl: './app.component.html',
styleUrls: ['./app.component.css']
})
export class AppComponent implements OnInit {
user = {
name: '田中 太郎',
email: '[email protected]'
};
showUser = false;
ngOnInit(): void {
}
toggleShowUser(): void {
this.showUser = !this.showUser;
}
}
CSS
.app {
font-family: sans-serif;
}
説明
このコード例では、以下の要素が実装されています。
user
プロパティ:ユーザー情報オブジェクトshowUser
プロパティ:ユーザー情報表示/非表示フラグ*ngIf
ディレクティブ:showUser
プロパティが真の場合のみ、ユーザー情報を表示toggleShowUser()
メソッド:showUser
プロパティの値を反転
実行結果
このコードを実行すると、最初はユーザー情報が表示されません。ユーザー情報を表示/非表示
ボタンをクリックすると、ユーザー情報が表示/非表示が切り替わります。
ポイント
*ngIf
内部でuser
変数を使用しようとすると、エラーが発生します。これは、user
変数が*ngIf
内部のテンプレートスコープに存在しないためです。- コンポーネントスコープで
user
変数を宣言し、*ngIf
にバインドすることで、この問題を解決できます。 ngIf
のas
構文を使用すると、条件式の評価結果をテンプレートローカル変数に格納できます。
以下の例では、userTemplate
という名前のngTemplate
要素を定義し、ユーザー情報を出力するテンプレートを記述しています。
<ng-template #userTemplate let-user>
<p>名前:{{ user.name }}</p>
<p>メールアドレス:{{ user.email }}</p>
</ng-template>
<div *ngIf="showUser">
<ng-container *ngTemplateOutlet="userTemplate; context: user"></ng-container>
</div>
このコードでは、userTemplate
テンプレートが*ngIf
内部でngTemplateOutlet
ディレクティブを使用して出力されます。context
プロパティを使用して、userTemplate
テンプレートにuser
オブジェクトを渡しています。
Structural directiveを使用する
ngFor
やngSwitch
などの構造ディレクティブを使用して、テンプレート構造を動的に生成することもできます。これらのディレクティブは、テンプレートローカル変数を使用して、ループ内の各要素や条件に一致するケースにアクセスできます。
以下の例では、ngFor
ディレクティブを使用して、users
配列内の各ユーザー情報を出力しています。
<div *ngIf="showUsers">
<ng-for="let user of users">
<p>名前:{{ user.name }}</p>
<p>メールアドレス:{{ user.email }}</p>
</ng-for>
</div>
このコードでは、ngFor
ディレクティブを使用して、users
配列をループし、各ユーザー情報を出力しています。user
変数は、ループ内の各ユーザーオブジェクトを参照します。
カスタムパイプを使用する
カスタムパイプを使用して、データの変換や処理を行うこともできます。カスタムパイプ内でテンプレートローカル変数を使用することもできます。
以下の例では、userFullName
という名前のカスタムパイプを定義し、ユーザーの名前と苗字を結合して出力しています。
import { Pipe, PipeTransform } from '@angular/core';
@Pipe({
name: 'userFullName'
})
export class UserFullNamePipe implements PipeTransform {
transform(user: { name: string; lastName: string }): string {
return `${user.name} ${user.lastName}`;
}
}
<div *ngIf="showUser">
<p>名前:{{ user | userFullName }}</p>
</div>
このコードでは、userFullName
パイプを使用して、user
オブジェクトの名前と苗字を結合して出力しています。
*ngIf
とテンプレートローカル変数を組み合わせるには、様々な方法があります。状況に応じて適切な方法を選択してください。
- パフォーマンスが重要な場合は、テンプレートローカル変数の代わりにコンポーネント入出力を使用することを検討してください。
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