Reactで発生する「setState(...): Can only update a mounted or mounting component」エラーの原因と解決策を徹底解説

2024-05-23

Reactにおける "setState(...): Can only update a mounted or mounting component" エラーの原因と解決策

コンポーネントのマウント状態 とは、以下の2つの状態を指します。

  1. 未マウント状態: コンポーネントがDOMにまだレンダリングされていない状態

setState() メソッドは、コンポーネント内部の 状態(state) を更新するために使用されます。しかし、状態の更新は、コンポーネントがブラウザに表示されている マウント状態 でのみ有効です。

このエラーが発生する主な原因は以下の2つです。

コンストラクタ内で setState() を呼び出すと、このエラーが発生する可能性があります。コンストラクタは、コンポーネントの初期化処理を行う場所であり、まだDOMにレンダリングされていないためです。

解決策:

  • 状態の初期化は、コンストラクタではなく、componentDidMount() メソッド内で行うようにします。

非同期処理内でのsetState()呼び出し:

非同期処理 (例: setTimeout、fetch API) 内で setState() を呼び出す場合にも、このエラーが発生する可能性があります。非同期処理が完了する前にコンポーネントがアンマウントされると、setState() が実行されずにエラーが発生します。

  • 非同期処理内で setState() を呼び出す場合は、componentDidMount() または componentWillUnmount() メソッド内で this.setState() をラップする callback 関数を使用します。
  • React v18以降では、このエラーメッセージがより詳細になり、問題が発生しているコンポーネントとコード行を特定しやすくなっています。
  • 開発環境では、React Dev Toolsなどのツールを使用して、コンポーネントの状態を詳細に確認することができます。

このエラーを理解することで、Reactコンポーネントにおける状態管理をより適切に行うことができるようになります。




    Reactにおける "setState(...): Can only update a mounted or mounting component" エラー発生時のサンプルコード

    class MyComponent extends React.Component {
      constructor(props) {
        super(props);
        // コンストラクタ内でsetState()を呼び出すとエラーが発生
        this.setState({ count: 1 });
      }
    
      render() {
        return (
          <div>
            カウント: {this.state.count}
          </div>
        );
      }
    }
    

    このコードを実行すると、コンソールに以下のエラーメッセージが表示されます。

    Error: setState(...): Can only update a mounted or mounting component. This usually means you called setState() on an unmounted component. This is a no-op.
    

    解決策

    class MyComponent extends React.Component {
      constructor(props) {
        super(props);
        this.state = { count: 0 };
      }
    
      componentDidMount() {
        // コンポーネントマウント後にsetState()を呼び出す
        this.setState({ count: 1 });
      }
    
      render() {
        return (
          <div>
            カウント: {this.state.count}
          </div>
        );
      }
    }
    

    上記のコードのように修正することで、コンポーネントがマウントされた後に setState() が呼び出され、エラーが発生せずにカウントが更新されます。




    Reactにおける "setState(...): Can only update a mounted or mounting component" エラーの回避方法:代替手段

    関数コンポーネントを使用する:

    関数コンポーネントは、クラスコンポーネントよりも簡潔で、状態管理も容易です。useStateフックを使用することで、コンポーネントの状態を簡単に初期化および更新することができます。

    import React, { useState } from 'react';
    
    function MyComponent() {
      const [count, setCount] = useState(0);
    
      // 非同期処理内でsetState()を呼び出す場合
      useEffect(() => {
        setTimeout(() => {
          setCount(count + 1);
        }, 1000);
      }, []);
    
      return (
        <div>
          カウント: {count}
        </div>
      );
    }
    

    useEffect フックを使用する:

    クラスコンポーネントで setState() を非同期処理内から呼び出す場合は、useEffect フックを使用して setState() をラップすることができます。

    class MyComponent extends React.Component {
      constructor(props) {
        super(props);
        this.state = { count: 0 };
      }
    
      componentDidMount() {
        // 非同期処理内でsetState()を呼び出す場合
        useEffect(() => {
          setTimeout(() => {
            this.setState({ count: this.state.count + 1 });
          }, 1000);
        }, []);
      }
    
      render() {
        return (
          <div>
            カウント: {this.state.count}
          </div>
        );
      }
    }
    

    第三者ライブラリを使用する:

    react-use-statemobx などのライブラリは、setState() の代替手段を提供しており、非同期処理における状態管理を容易にすることができます。

    これらの方法は、状況に応じて使い分けることで、より柔軟でエラーが発生しにくいコードを書くことができます。

    "setState(...): Can only update a mounted or mounting component" エラーは、Reactコンポーネントの状態管理においてよくある問題です。上記の解決策と代替手段を理解することで、このエラーを回避し、より良いReactアプリケーションを開発することができます。


    reactjs


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