Angular2 テンプレートにおける private 変数の扱い

2024-07-27

Angular2 では、コンポーネントクラスの変数をテンプレート内で使用できますが、デフォルトでは private 変数はアクセスできません。テンプレートで private 変数を使いたい場合は、いくつかの方法があります。

private 変数をテンプレートで使う方法

public または protected 修飾子を使う

最も簡単な方法は、private 変数を public または protected 修飾子に変更することです。

export class MyComponent {
  public name = 'John Doe'; // テンプレートでアクセス可能
  protected age = 30; // テンプレートでアクセス可能
  private email = '[email protected]'; // テンプレートでアクセス不可
}

ただし、public または protected 修飾子を使うと、コンポーネント外部からも変数にアクセス可能になるため、カプセル化が弱くなります。

@Input デコレータを使う

@Input デコレータは、コンポーネント外部から変数を設定できるようにするものです。

export class MyComponent {
  @Input() name = 'John Doe'; // テンプレートでアクセス可能
  age = 30; // テンプレートでアクセス不可
  private email = '[email protected]'; // テンプレートでアクセス不可
}

@Input デコレータを使うと、テンプレートで name 変数をバインドできます。

<my-component [name]="userName"></my-component>

@ViewChild デコレータを使う

@ViewChild デコレータは、コンポーネントテンプレート内の要素への参照を取得できるようにするものです。

export class MyComponent {
  @ViewChild('myInput') myInput: ElementRef;

  constructor(private elementRef: ElementRef) {}

  ngAfterViewInit() {
    console.log(this.myInput.nativeElement.value); // 'John Doe'
  }
}

@ViewChild デコレータを使うと、テンプレート内の #myInput 要素への参照を取得できます。

<input #myInput type="text" [(ngModel)]="name">
export class MyComponent {
  @Output() onNameChange = new EventEmitter<string>();

  constructor(private elementRef: ElementRef) {}

  ngAfterViewInit() {
    this.myInput.nativeElement.addEventListener('change', (event) => {
      this.onNameChange.emit(event.target.value);
    });
  }
}

@Output デコレータを使うと、テンプレート内で onNameChange イベントを呼び出すことができます。

<input #myInput type="text" [(ngModel)]="name" (change)="onNameChange($event.target.value)">

上記以外にも、getter/setter メソッドを使う方法や、テンプレート内で変数を直接参照する方法など、いくつかの方法があります。

  • テンプレート内でコンポーネントクラスの内部状態にアクセスできる
  • コードの可読性と保守性を向上させる
  • カプセル化が弱くなる
  • テンプレートが複雑になる

private 変数をテンプレートで使うべきかどうかは、状況によって判断する必要があります。カプセル化とコードの可読性 / 保守性のバランスを考慮して、最適な方法を選択してください。

  • `



// my-component.component.ts

import { Component, Input, Output, EventEmitter } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-component',
  templateUrl: './my-component.component.html',
})
export class MyComponent {
  @Input() name = 'John Doe'; // テンプレートでアクセス可能
  age = 30; // テンプレートでアクセス不可
  private email = '[email protected]'; // テンプレートでアクセス不可

  @Output() onNameChange = new EventEmitter<string>();

  constructor(private elementRef: ElementRef) {}

  ngAfterViewInit() {
    this.myInput.nativeElement.addEventListener('change', (event) => {
      this.onNameChange.emit(event.target.value);
    });
  }
}

<div>
  <h1>{{ name }}</h1>
  <input #myInput type="text" [(ngModel)]="name" (change)="onNameChange($event.target.value)">
</div>
  • name プロパティ: テンプレートでアクセス可能
  • onNameChange イベント: テンプレートから呼び出す

テンプレートでは、name プロパティをバインドし、onNameChange イベントを呼び出すことができます。

実行方法

  1. Angular CLI をインストールする:
npm install -g @angular/cli
  1. 新しいプロジェクトを作成する:
ng new my-project
  1. my-project ディレクトリに移動する:
cd my-project
ng serve
  1. ブラウザで http://localhost:4200 を開く

確認方法

ブラウザで http://localhost:4200 を開くと、MyComponent コンポーネントが表示されます。

  • テンプレート内の <h1> タグに name プロパティの値が表示されていることを確認します。
  • テンプレート内の入力欄に値を入力して Enter キーを押すと、onNameChange イベントが呼び出されることを確認します。



getter/setter メソッドを使う

export class MyComponent {
  private _name = 'John Doe';

  get name() {
    return this._name;
  }

  set name(value: string) {
    this._name = value;
  }
}

テンプレートでは、name プロパティをバインドできます。

<h1>{{ name }}</h1>
<input type="text" [(ngModel)]="name">

テンプレート内で変数を直接参照する

テンプレート内で変数を直接参照する方法もあります。

<h1>{{ component.name }}</h1>
<input type="text" [(ngModel)]="component.name">

ただし、この方法はカプセル化を破るため、推奨されません。

ng-reflect 属性を使う

ng-reflect 属性を使うと、コンポーネントクラスの private 変数をテンプレート内で参照できます。

<h1>{{ component.name }}</h1>
<input type="text" [(ngModel)]="component.name" ng-reflect-name="newName">

ただし、ng-reflect 属性は非公式な API であり、将来のバージョンで変更される可能性があります。


typescript angular angular2-template



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