カスタム要素へのngModel実装
Angularにおけるカスタム要素へのngModelの適用
手順
-
カスタム要素の作成
@Component
デコレータを使用してカスタム要素を定義します。@Input()
デコレータを使用して、ngModel
から値を受け取るプロパティを定義します。@Output()
デコレータを使用して、値の変更を通知するイベントを発火します。
-
ControlValueAccessorの実装
ControlValueAccessor
インターフェースを実装するクラスを作成します。- このクラスは、
writeValue()
,registerOnChange()
,registerOnTouched()
,setDisabledState()
の4つのメソッドを実装する必要があります。 writeValue()
メソッドは、ngModel
から受け取った値をカスタム要素に設定します。registerOnChange()
メソッドは、値が変更されたときに呼び出されるコールバック関数を登録します。setDisabledState()
メソッドは、要素の有効/無効状態を設定します。
-
NgModule
のdeclarations
配列にカスタム要素を追加します。providers
配列に、カスタム要素のControlValueAccessorを提供するプロバイダを追加します。
コード例
// custom-input.component.ts
import { Component, forwardRef, Input, Output, EventEmitter } from '@angular/core';
import { NG_VALUE_ACCESSOR, ControlValueAccessor } from '@angu lar/forms';
@Component({
selector: 'custom-input',
templ ate: `
<input type="text" [(ngModel)]="value">
`,
providers: [
{
provide: NG_VALUE_ACCESSOR,
useExisting: forwardRef(() => CustomInputComponent),
multi: true
}
]
})
export class CustomInputComponent imple ments ControlValueAccessor {
@Input() value: string;
private onChange: (value: string) => void = () => {};
private onTouched: () => void = () => {};
writeValue(value: string): void {
this.value = value;
}
registerOnChange(fn: (value: string) => void): void {
this.onChange = fn;
}
registerOnTouched(fn: () => void): void {
this.on Touched = fn;
}
setDisabledState?(isDisabled: boolean): v oid {
// Implement disabled state logic if needed
}
}
使用例
<custom-input [(ngModel)]="inputValue"></custom-input>
注意
ControlValueAccessor
インターフェースを実装することで、カスタム要素はフォームコントロールとして機能し、ngModel
と連携できるようになります。NG_VALUE_ACCESSOR
プロバイダは、ngModel
がカスタム要素と正しく通信できるようにします。forwardRef()
は、循環依存を回避するために使用されます。
カスタム要素にngModelを実装するコード例の詳細解説
コード例1:カスタム入力コンポーネント
// custom-input.component.ts
import { Component, forwardRef, Input, Output, EventEmitter } from '@angular/core';
import { NG_VALUE_ACCESSOR, ControlValueAccessor } from '@angu lar/forms';
@Component({
selector: 'custom-input',
templ ate: `
<input type="text" [(ngModel)]="value">
`,
providers: [
{
provide: NG_VALUE_ACCESSOR,
useExisting: forwardRef(() => CustomInputComponent),
multi: true
}
]
})
export class CustomInputComponent imple ments ControlValueAccessor {
@Input() value: string;
private onChange: (value: string) => void = () => {};
private onTouched: () => void = () => {};
writeValue(value: string): void {
this.value = value;
}
registerOnChange(fn: (value: string) => void): void {
this.onChange = fn;
}
registerOnTouched(fn: () => void): void {
this.on Touched = fn;
}
setDisabledState?(isDisabled: boolean): v oid {
// Implement disabled state logic if needed
}
}
コード解説
- private onChange, onTouched
- それぞれ、値が変更されたときと、要素がタッチされたときに呼び出されるコールバック関数を保持します。
- @Input()デコレータ
value
:ngModel
から受け取る値を格納するプロパティです。
- ControlValueAccessorインターフェース
- @Componentデコレータ
selector
: カスタム要素の名前を指定します。この場合、<custom-input>
として使用できます。template
: カスタム要素のテンプレートを指定します。ここでは、通常の<input>
要素を使用しています。providers
:NG_VALUE_ACCESSOR
プロバイダを登録します。これは、ngModel
がカスタム要素と通信するために必要です。
コード例2:カスタム要素の使用
<custom-input [(ngModel)]="inputValue"></custom-input>
[(ngModel)]
:ngModel
ディレクティブを使用して、inputValue
変数とカスタム要素の値を双方向にバインドします。
動作原理
ngModel
ディレクティブがカスタム要素に適用されると、NG_VALUE_ACCESSOR
プロバイダが探し出されます。ControlValueAccessor
インターフェースを実装しているCustomInputComponent
が発見され、writeValue()
,registerOnChange()
,registerOnTouched()
メソッドが呼び出されます。- カスタム要素の値が変更されると、
registerOnChange()
で登録されたコールバック関数が呼び出され、ngModel
の値が更新されます。
このコード例は、カスタム要素にngModel
を実装し、通常の入力要素のように扱う方法を示しています。ControlValueAccessor
インターフェースを実装することで、Angularのフォームシステムとカスタム要素を連携させることができます。
より詳細な解説
- リアクティブフォームとの連携
ngModel
だけでなく、リアクティブフォームとも連携することができます。 - なぜControlValueAccessorが必要なのか
Angularのフォームシステムは、ControlValueAccessor
インターフェースを通じて、さまざまな入力要素を統一的に扱うことができます。これにより、ngModel
やフォームコントロールとの連携が容易になります。
- Angularのバージョンによって、細かい実装が異なる場合があります。
さらに詳しく知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください。
- ngModel
- Angularフォーム
- Angularカスタム要素
- Angular ControlValueAccessor
Reactive Forms
- デメリット
- メリット
- 複雑なフォーム検証や非同期バリデーションが容易になります。
- 動的なフォームの生成が可能です。
- 実装
- カスタム要素内で、
FormControl
を作成し、その値をngModel
にバインドします。 FormGroup
に組み込むことで、フォーム全体を管理できます。
- カスタム要素内で、
- 特徴
- より柔軟かつ強力なフォーム管理を提供します。
FormControl
,FormGroup
といったクラスを用いて、フォーム全体を構造化できます。FormBuilder
を使ってフォームを簡単に構築できます。
Model Inputs (Angular v17.2以降)
- デメリット
- メリット
ControlValueAccessor
を直接実装する必要がなく、シンプルになります。- Signals APIのメリットを享受できます。
- 実装
- 特徴
- Signals APIを利用した新しいアプローチです。
@Input()
デコレータでモデル入力を作成し、ngModel
に直接バインドできます。
カスタムディレクティブ
- デメリット
- 実装が複雑になる可能性があります。
- メリット
- 実装
- 特徴
ngModel
の挙動をカスタマイズしたい場合に有効です。Directive
を作成し、ngModel
の処理をオーバーライドします。
Angular Elements
- デメリット
- メリット
- 再利用性が高まります。
- 実装
- 特徴
どの方法を選ぶべきか
- 他のフレームワークとの連携
Angular Elementsが適しています。 - ngModelの挙動をカスタマイズしたい
カスタムディレクティブが有効です。 - 複雑なフォーム
Reactive Formsが強力です。 - シンプルなカスタム入力
ControlValueAccessor
かModel Inputsが適しています。
カスタム要素にngModel
を実装する方法は、プロジェクトの要件や開発者の好みによって選択できます。それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、適切な方法を選択することが重要です。
- 各方法の詳細については、Angularの公式ドキュメントを参照してください。
- Angularのバージョンによって、利用できる機能や推奨される方法が異なる場合があります。
- Angularのバージョンはどれですか?
- どのような機能が必要ですか?
- どのようなカスタム要素を作成したいですか?
関連キーワード
- Model Inputs
angular angular2-template angular2-directives