サンプルコードで学ぶ: TypeScriptとAngularでマルチライン文字列を扱う

2024-04-10

TypeScriptとAngularでマルチライン文字列を扱う方法について解説します。

マルチライン文字列とは

従来のシングルクォートやダブルクォートで囲まれた文字列とは異なり、改行を含む複数の行にわたる文字列です。

従来の方法

従来は、複数の文字列を連結したり、改行文字 \n を挿入したりする方法でマルチライン文字列を作成していました。

const str1 = 'Hello, ' +
            'world!';

const str2 = 'Hello,\n' +
            'world!';

テンプレート文字列

TypeScript 2.0以降では、テンプレート文字列と呼ばれるより簡潔な方法でマルチライン文字列を作成できます。

const str = `Hello,
world!`;

テンプレート文字列は、バッククォート ' で囲みます。

テンプレート文字列には、従来の方法と比較して以下の利点があります。

  • 改行をそのまま記述できるため、コードが読みやすくなる
  • 式を埋め込むことができる
  • 複数行にわたる複雑な文字列を簡単に記述できる

Angularでは、テンプレート文字列を使用して、コンポーネントテンプレート内で動的なコンテンツを生成できます。

<h1>{{ title }}</h1>

<p>{{ message }}</p>

{{ title }}{{ message }} は、コンポーネントクラスのプロパティを参照するテンプレート式です。

以下は、テンプレート文字列を使用して、HTMLコードを含むマルチライン文字列を作成する例です。

const html = `
<h1>タイトル</h1>

<p>本文</p>
`;

テンプレート文字列は、TypeScriptとAngularでマルチライン文字列を扱うための簡潔で便利な方法です。




app.component.ts

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'my-app',
  templateUrl: './app.component.html',
})
export class AppComponent {
  title = 'サンプル';
  message = 'こんにちは、世界!';

  getHtml() {
    return `
<h1>${this.title}</h1>

<p>${this.message}</p>
`;
  }
}
<h1>{{ title }}</h1>

<p>{{ message }}</p>

<button (click)="getHtml()">HTMLを取得</button>

<div [innerHTML]="html"></div>

このコードを実行すると、以下の内容が表示されます。

サンプル

こんにちは、世界!

HTMLを取得

解説

  • app.component.ts ファイルでは、AppComponent クラスを定義しています。
  • [innerHTML]="html" は、html プロパティの値を HTML としてレンダリングします。
  • テンプレート文字列を使用して、式を埋め込む例:
<h1>{{ 1 + 2 }}</h1>

<p>{{ 'Hello, ' + name }}</p>
  • テンプレート文字列を使用して、複数行にわたる複雑な文字列を記述する例:
<p>
  Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipiscing elit.
  Proin eget tortor risus. Cras ullamcorper massa sit amet lacus
  hendrerit, ac egestas nisl elementum. Donec hendrerit porta
  felis eget mollis.
</p>

テンプレート文字列は、TypeScriptとAngularでマルチライン文字列を扱うための強力なツールです。さまざまな方法で活用して、コードをより簡潔で読みやすくすることができます。




テンプレート文字列以外のマルチライン文字列の記述方法

従来の方法

const str1 = 'Hello, ' +
            'world!';

const str2 = 'Hello,\n' +
            'world!';

この方法は、テンプレート文字列が登場する以前から使用されていた方法です。

複数行の文字列リテラル

TypeScript 1.4以降では、複数行の文字列リテラルを使用できます。

const str = `Hello,
world!`;

この方法は、テンプレート文字列と似ていますが、バッククォート ' ではなく、シングルクォート ' またはダブルクォート " を使用します。

注意点

  • 複数行の文字列リテラルを使用する場合は、文字列内に改行文字 \n を含めることができません。
  • 複数行の文字列リテラルは、テンプレート文字列のように式を埋め込むことができません。

TypeScriptのヘルパー関数

TypeScriptには、マルチライン文字列を生成するためのヘルパー関数がいくつか用意されています。

  • String.prototype.trim(): 文字列の両端の空白文字を削除します。

これらのヘルパー関数を使用して、マルチライン文字列をより柔軟に生成することができます。

<h1>{{ title }}</h1>

<p>{{ message }}</p>
<h1>
  {{ title }}

  <small>{{ message }}</small>
</h1>

このコードは、以下の内容をレンダリングします。

<h1>
  サンプル

  <small>こんにちは、世界!</small>
</h1>

テンプレート文字列以外にも、TypeScriptとAngularでマルチライン文字列を記述する方法はいくつかあります。それぞれの方法の特徴を理解して、状況に応じて使い分けることが重要です。


typescript angular


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