TypeScriptグローバル変数宣言方法
Angular 2以降/TypeScriptにおけるグローバル変数の宣言方法
Angular 2以降およびTypeScriptでは、グローバル変数の宣言方法が従来のJavaScriptと異なります。
モジュールスコープの変数
- モジュール内で宣言された変数は、そのモジュール内の他のコンポーネントやサービスからアクセスできます。
- 最も一般的な方法です。
import { NgModule } from '@angular/core';
// モジュール内での宣言
export const globalVariable = 'This is a global variable within the module';
@NgModule({
declarations: [],
imports: [],
providers: [],
bootstrap: []
})
export class AppModule { }
windowオブジェクトの使用
window
オブジェクトのプロパティとして変数を設定します。- ブラウザ環境でグローバル変数を宣言する場合に使用できます。
window.globalVariable = 'This is a global variable accessible from the window object';
注意
- 副作用や名前衝突を引き起こす可能性があります。
- 直接
window
オブジェクトを操作することは、一般的に推奨されません。
InjectableデコレーターとprovidedInプロパティ
- サービス内でグローバル変数を宣言し、依存性注入を使って他のコンポーネントやサービスからアクセスできます。
import { Injectable } from '@angular/core';
@Injectable({
providedIn: 'root'
})
export class GlobalService {
globalVariable = 'This is a global variable accessible via dependency injection';
}
この方法では、GlobalService
をルートモジュールに提供することで、アプリケーション全体でアクセス可能になります。
選択基準
- Injectableデコレーター
アプリケーション全体で共有するグローバル変数を宣言し、依存性注入を使ってアクセスする場合は最適です。 - windowオブジェクト
ブラウザ環境でグローバル変数を宣言する必要がある場合に使用できますが、推奨されません。 - モジュールスコープ
同じモジュール内のコンポーネントやサービス間で共有する場合は最適です。
import { NgModule } from '@angular/core';
// モジュール内での宣言
export const globalVariable = 'This is a global variable within the module';
@NgModule({
declarations: [],
imports: [],
providers: [],
bootstrap: []
})
export class AppModule { }
window.globalVariable = 'This is a global variable accessible from the window object';
import { Injectable } from '@angular/core';
@Injectable({
providedIn: 'root'
})
export class GlobalService {
globalVariable = 'This is a global variable accessible via dependency injection';
}
各コード例の説明
@Injectable({ providedIn: 'root' })
でサービスを宣言し、providedIn: 'root'
を設定します。- これにより、サービスがアプリケーション全体で提供され、依存性注入を使って他のコンポーネントやサービスからアクセスできます。
globalVariable
はサービスのプロパティとして宣言され、サービスのインスタンスを通じてアクセスできます。
window.globalVariable
でブラウザのグローバルオブジェクトであるwindow
にプロパティとして変数を設定します。- この変数は、ブラウザのJavaScriptコードからアクセスできますが、推奨されません。
export const globalVariable
でモジュール内で変数を宣言します。
サービスの使用
- 他のコンポーネントやサービスから依存性注入を使ってアクセスできます。
- サービスを作成し、そのプロパティとしてグローバル変数を宣言します。
- 最も推奨される方法です。
import { Injectable } from '@angular/core';
@Injectable({
providedIn: 'root'
})
export class GlobalService {
globalVariable = 'This is a global variable accessible via dependency injection';
}
環境ファイルの使用
- 環境ファイルを作成し、グローバル変数を定義します。
- アプリケーションの設定値を管理するのに適しています。
// environment.ts
export const environment = {
production: false,
globalVariable: 'This is a global variable defined in the environment file'
};
カスタムプロバイダーの使用
- カスタムプロバイダーを作成し、グローバル変数を提供します。
- より柔軟な制御が必要な場合に使用できます。
import { Injectable, Injector } from '@angular/core';
@Injectable()
export class GlobalProvider {
globalVariable = 'This is a global variable provided by a custom provider';
constructor(private injector: Injector) {}
getGlobalVariable(): string {
return this.globalVariable;
}
}
- カスタムプロバイダー
より柔軟な制御が必要な場合に使用できますが、一般的には必要ありません。 - 環境ファイル
アプリケーションの設定値を管理する必要がある場合に使用します。 - サービス
ほとんどの場合、サービスを使用するのが最も適切です。
typescript angular