RxJs 5でAngularのデータ共有
Angularアプリケーションでは、HTTPリクエストを使用してサーバーからデータを取得し、その結果を複数のコンポーネントで共有する場面がよくあります。RxJs 5は、このタスクを効率的に処理するための強力なツールを提供します。
基本的な手順
-
HTTPリクエストをObservableとして発行
- Angularの
HttpClient
を使用してHTTPリクエストを行い、その結果をObservableとして返します。
- Angularの
-
Observableを共有
-
コンポーネントでサブスクライブ
コード例
// service.ts
import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient } from '@angular/common/http';
import { Observable } from 'rxjs/Observable';
import 'rxjs/add/operator/ share';
@Injectable()
export class MyService {
private data$: Observable<any>;
constructor(private http: HttpClient) {}
getData(): Observable<any> {
if (!this.data$) {
this.data$ = this.http.get('https://api.example.com/data')
.share();
}
return this.data$;
}
}
// component.ts
import { Component, OnInit } from '@angular/core';
import { MyService } from './my.service';
@Component({
selector: 'app-my-component',
templateUrl: './my-component.h tml',
styleUrls: ['./my-component.css']
})
export class MyComponent implements O nInit {
data: any;
constructor(private myService: MyService) {}
ngOnInit() {
this.myService.getData()
.subscribe (data => {
this.data = data;
});
}
}
解説
- コンポーネントでのサブスクライブ
コンポーネントは、サービスからObservableを取得し、サブスクライブすることでデータを受け取ります。 - data$プロパティ
サービス内で、Observableを保存し、複数のリクエストで同じデータストリームを再利用します。 - share()オペレーター
このオペレーターは、一つのObservableを複数のオブザーバーが共有できるようにします。
重要なポイント
- エラー処理や非同期処理の適切な管理は、RxJsの強力な機能を活用することで実現できます。
- データの更新が必要な場合は、新しいObservableを発行することで、すべてのサブスクライバーに最新データが配信されます。
share()
オペレーターは、複数のサブスクライバーが同じデータストリームを共有することで、HTTPリクエストを効率的にします。
// service.ts
import { Injectable } from '@angular/core';
import { HttpClient } from '@angular/common/http';
import { Observable } from 'rxjs/Observable';
import 'rxjs/add/operator/ share';
@Injectable()
export class MyService {
private data$: Observable<any>;
constructor(private http: HttpClient) {}
getData(): Observable<any> {
if (!this.data$) {
this.data$ = this.http.get('https://api.example.com/data')
.share();
}
return this.data$;
}
}
// component.ts
import { Component, OnInit } from '@angular/core';
import { MyService } from './my.service';
@Component({
selector: 'app-my-component',
templateUrl: './my-component.h tml',
styleUrls: ['./my-component.css']
})
export class MyComponent implements O nInit {
data: any;
constructor(private myService: MyService) {}
ngOnInit() {
this.myService.getData()
.subscribe (data => {
this.data = data;
});
}
}
コード解説
-
service.ts
MyService
クラスは、HttpClient
を使用してHTTPリクエストを行います。getData()
メソッドは、http.get()
を使用してAPIからデータを取得し、share()
オペレーターを使用してObservableを共有します。data$
プロパティは、共有されたObservableを保持します。
-
component.ts
MyComponent
クラスは、MyService
を注入して、getData()
メソッドを呼び出します。ngOnInit()
ライフサイクルフック内で、getData()
から返されたObservableをサブスクライブします。- サブスクライブしたObservableからデータを受け取り、
data
プロパティに格納します。
コードの動き
- コンポーネントが初期化されると、
ngOnInit()
が実行されます。 ngOnInit()
内で、MyService.getData()
が呼び出されます。getData()
が初めて呼ばれる場合、HTTPリクエストが発行され、結果がObservableとして返されます。share()
オペレーターにより、このObservableは共有可能になります。- HTTPリクエストが完了すると、すべてのサブスクライバーにデータが配信されます。
- コンポーネントは、受け取ったデータを
data
プロパティに格納し、テンプレートに表示します。
- HTTPリクエストは一度だけ発行され、複数のコンポーネントがその結果を共有するため、パフォーマンスが向上します。
share()
オペレーターは、複数のコンポーネントが同じデータストリームを共有できるようにします。
上記の例では、share()
オペレーターを使用してObservableを共有する方法を紹介しました。しかし、状況に応じて、他の方法も検討できます。
BehaviorSubject
BehaviorSubjectは、最新の値を保持するObservableです。初期値を設定でき、新しい値をnext()
メソッドで発行できます。
// service.ts
import { BehaviorSubject } from 'rxjs/BehaviorSubject';
@Injectable()
export class MyService {
private dataSubject = new BehaviorSubject<any>(null);
data$ = this.dataSubject.asObservable();
constructor(private http: HttpClient) {}
getData() {
this.http.get('https://api.example.com/data')
.subscribe(data => {
this.dataSubject.next(data);
});
}
}
ReplaySubject
ReplaySubjectは、一定期間の値をバッファし、新しいサブスクライバーに配信します。
// service.ts
import { ReplaySubject } from 'rxjs/ReplaySubject';
@Injectable()
export class MyService {
private dataSubject = new ReplaySubject<any>(1); // Buffer the latest value
data$ = this.dataSubject.asObservable();
// ... (same as BehaviorSubject example)
}
Subject
Subjectは、最もシンプルなObservableで、直接値を発行できます。しかし、注意深く使用しないと、誤ったデータフローやメモリリークを引き起こす可能性があります。
// service.ts
import { Subject } from 'rxjs/Subject';
@Injectable()
export class MyService {
private dataSubject = new Subject<any>();
data$ = this.dataSubject.asObservable();
// ... (same as BehaviorSubject example)
}
選択のポイント
- Subject
直接値を発行したい場合に適していますが、慎重な使用が必要です。 - BehaviorSubject
初期値を設定でき、常に最新の値を提供したい場合に適しています。
これらの方法は、状況に応じて使い分けられます。share()
オペレーターはシンプルで効率的な方法ですが、データの更新やエラー処理を適切に考慮する必要があります。BehaviorSubject、ReplaySubject、Subjectは、より柔軟なデータフロー制御が可能ですが、誤用すると複雑な問題が発生する可能性があります。
注意
- エラー処理、非同期処理、キャンセル処理を考慮した適切な実装が必要です。
- RxJsのオペレーターを適切に組み合わせることで、さまざまなデータフローパターンを実現できます。
- RxJs 6以降では、
BehaviorSubject
、ReplaySubject
、Subject
はrxjs
パッケージから直接インポートできます。
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