TypeScriptデコレータでコードをもっとスマートに!エラー「Unable to resolve signature of class decorator when called as an expression」の解決策付き

2024-05-20

TypeScript デコレータ: "Unable to resolve signature of class decorator when called as an expression" エラーの解決方法

TypeScript のデコレータを使用する際に、以下のエラーが発生することがあります。

TS1238: Unable to resolve signature of class decorator when called as an expression.

このエラーは、デコレータのシグネチャが正しく定義されていない場合に発生します。

原因

このエラーには、主に以下の 2 つの原因が考えられます。

  1. TypeScript バージョン: TypeScript 5.0 以降では、デコレータに context という引数が追加されました。古いバージョンの TypeScript を使用している場合、この引数が定義されていないため、エラーが発生します。
  2. デコレータのシグネチャ: デコレータのシグネチャが正しく定義されていない場合も、このエラーが発生します。デコレータは、デコレートする対象に応じて適切な型を返す必要があります。

解決方法

このエラーを解決するには、以下の方法を試してください。

TypeScript バージョンを確認する

使用している TypeScript バージョンが 5.0 以降であることを確認してください。古いバージョンの TypeScript を使用している場合は、最新バージョンにアップグレードする必要があります。

以下の例は、@Log というデコレータを定義する方法を示します。

function Log(target: Function) {
  return function(this: any, ...args: any[]) {
    console.log(`Calling ${target.name} with arguments: ${args}`);
    const result = target.apply(this, args);
    console.log(`Result of ${target.name}: ${result}`);
    return result;
  };
}

このデコレータは、デコレートされた関数を呼び出す前にログを出力し、呼び出した後に結果を出力します。

experimentalDecorators オプションを使用する

TypeScript 4.0 以降では、experimentalDecorators オプションを使用して、デコレータのサポートを有効にすることができます。このオプションを使用すると、古いバージョンの TypeScript でデコレータを使用することができます。

{
  "compilerOptions": {
    "target": "es5",
    "module": "commonjs",
    "outDir": "./dist",
    "experimentalDecorators": true
  }
}

デコレータライブラリを使用する

TypeScript には、デコレータの使用を簡略化するためのライブラリがいくつかあります。これらのライブラリを使用すると、デコレータのシグネチャを定義する必要がなくなり、エラーが発生する可能性が低くなります。

      補足

      • デコレータは、TypeScript の高度な機能であり、使いこなすにはある程度の知識が必要です。
      • デコレータを使用する前に、TypeScript のドキュメントをよく読んで理解しておくことをお勧めします。



      // サンプルコード:デコレータを使用したロギング
      
      // `Log` デコレータを定義
      function Log(target: Function) {
        return function(this: any, ...args: any[]) {
          console.log(`Calling ${target.name} with arguments: ${args}`);
          const result = target.apply(this, args);
          console.log(`Result of ${target.name}: ${result}`);
          return result;
        };
      }
      
      // デコレータを使用するクラス
      class Calculator {
        @Log // `@Log` デコレータを `add` メソッドに適用
        add(a: number, b: number): number {
          return a + b;
        }
      }
      
      // デコレータの効果を確認
      const calculator = new Calculator();
      const result = calculator.add(5, 3);
      console.log(`5 + 3 = ${result}`); // 出力:Calling add with arguments: [5, 3]
                                      //      Result of add: 8
                                      //      5 + 3 = 8
      

      このコード例では、@Log というデコレータを定義し、デコレータを使用したロギングを実装しています。

      Log デコレータ

      • target: Function:デコレートする対象となる関数を表します。
      • this: any: デコレートされた関数が呼び出される際に this にバインドされるオブジェクトを表します。
      • ...args: any[]: デコレートされた関数に渡される引数リストを表します。

      デコレータの内部では、以下の処理が行われます。

      1. デコレートされた関数が呼び出される前に、ログを出力します。

      デコレータを使用するクラス

      Calculator クラスには、add というメソッドがあります。このメソッドに @Log デコレータを適用することで、add メソッドが呼び出される前にログが出力されるようになります。

      デコレータの効果を確認

      calculator オブジェクトを使用して、add メソッドを呼び出します。このとき、@Log デコレータの効果により、以下のログが出力されます。

      Calling add with arguments: [5, 3]
      Result of add: 8
      5 + 3 = 8
      

      このログから、add メソッドが呼び出される前に引数がログ出力され、メソッドが返した結果がログ出力されていることが確認できます。

      このサンプルコードは、デコレータの基本的な使用方法を示しています。デコレータは、より複雑なロジックを実装するためにも使用することができます。




      TypeScript デコレータエラー "Unable to resolve signature of class decorator when called as an expression" の解決方法:代替アプローチ

      修飾子を使用する

      class Calculator {
        @Log // 修飾子を使用して `@Log` デコレータを `add` メソッドに適用
        add(a: number, b: number): number {
          return a + b;
        }
      }
      

      デコレータファクトリ関数を使用すると、デコレータのロジックをより柔軟に制御することができます。

      function Log(target: Function) {
        return (target: any, propertyKey: string, descriptor: PropertyDescriptor) => {
          const originalMethod = descriptor.value;
          descriptor.value = function(...args: any[]) {
            console.log(`Calling ${target.name}.${propertyKey} with arguments: ${args}`);
            const result = originalMethod.apply(this, args);
            console.log(`Result of ${target.name}.${propertyKey}: ${result}`);
            return result;
          };
          return descriptor;
        };
      }
      
      class Calculator {
        @Log // デコレータファクトリ関数を使用して `@Log` デコレータを `add` メソッドに適用
        add(a: number, b: number): number {
          return a + b;
        }
      }
      

      デコレータメタデータを使用すると、デコレータに関する情報を保存することができます。この情報を使用して、デコレータのロジックをより柔軟に制御することができます。

      import { Reflect } from 'reflect-metadata';
      
      const LOG_METADATA_KEY = 'log';
      
      function Log(target: Function) {
        return (target: any, propertyKey: string, descriptor: PropertyDescriptor) => {
          Reflect.defineMetadata(LOG_METADATA_KEY, true, target, propertyKey);
          return descriptor;
        };
      }
      
      class Calculator {
        @Log // デコレータメタデータを使用して `@Log` デコレータを `add` メソッドに適用
        add(a: number, b: number): number {
          return a + b;
        }
      }
      
      function getLogMethods(target: any): string[] {
        const methods = [];
        for (const propertyKey in target) {
          if (Reflect.hasOwnMetadata(LOG_METADATA_KEY, target, propertyKey)) {
            methods.push(propertyKey);
          }
        }
        return methods;
      }
      
      const calculator = new Calculator();
      const logMethods = getLogMethods(calculator);
      console.log(`Log methods: ${logMethods}`); // 出力:Log methods: add
      

      注意事項

      • 上記の方法は、いずれも TypeScript の高度な機能を使用しています。これらの方法を使用する前に、TypeScript のドキュメントをよく読んで理解しておくことをお勧めします。
      • デコレータの使用は、コードを複雑化する可能性があります。デコレータを使用する前に、その必要性を慎重に検討する必要があります。

      typescript


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