Angular 2 でのフォームバリデーション: フォームビルダーを使用して複雑なフォームを簡単に作成する方法
Angular 2 での複数バリデーターの使用:詳細ガイド
複数バリデーターを適用する方法
以下の2つの主要な方法で、Angular 2 フォームに複数のバリデーターを適用することができます。
Validators.compose() を使用する
例:
import { Validators, FormControl } from '@angular/forms';
const control = new FormControl('', Validators.compose([
Validators.required,
Validators.minLength(5),
Validators.maxLength(10),
]));
この例では、FormControl
に 3 つのバリデーターを適用しています。
Validators.maxLength(10)
:入力値が 10 文字以下であることを確認します。Validators.required
:入力値が必須であることを確認します。
カスタムバリデーター関数を使用する
独自のバリデーションロジックを実装したい場合は、カスタムバリデーター関数を作成することができます。この関数は、FormControl
インスタンスに渡される引数 control
を介してフォームコントロールへのアクセスを提供されます。
import { AbstractControl, ValidationErrors } from '@angular/forms';
function passwordMatchValidator(control: AbstractControl): ValidationErrors | null {
const password = control.get('password').value;
const confirmPassword = control.get('confirmPassword').value;
if (password !== confirmPassword) {
return { passwordMismatch: true };
}
return null;
}
この例では、passwordMatchValidator
というカスタムバリデーター関数を作成しています。この関数は、FormGroup
インスタンスに適用され、password
コントロールと confirmPassword
コントロールの値を比較します。値が一致しない場合は、passwordMismatch
エラーオブジェクトを返します。
このカスタムバリデーター関数は、以下のように FormGroup
に適用することができます。
const formGroup = new FormGroup({
password: new FormControl('', Validators.required),
confirmPassword: new FormControl('', Validators.required),
}, { validators: [passwordMatchValidator] });
複数のバリデーターとエラーメッセージの処理
複数のバリデーターを組み合わせる場合、それぞれのバリデーターがエラーを検出した場合に、どのようにエラーメッセージを処理するのかを検討する必要があります。
Angular 2 では、以下の方法でエラーメッセージを処理することができます。
touched
およびdirty
プロパティを使用する:FormControl
インスタンスのtouched
およびdirty
プロパティを使用して、ユーザーがフォームコントロールとやり取りしたかどうかを確認できます。この情報を使用して、エラーメッセージを表示するタイミングを制御することができます。errors
プロパティを使用する:FormControl
またはFormGroup
インスタンスのerrors
プロパティには、現在のバリデーションエラーに関するオブジェクトが含まれています。このオブジェクトを使用して、特定のエラーメッセージにアクセスしたり、カスタムエラーメッセージを表示したりすることができます。
Angular 2 での複数バリデーターの使用は、フォーム入力の検証を強化し、より複雑な検証ロジックを実装するための強力な方法です。Validators.compose()
関数とカスタムバリデーター関数を組み合わせることで、さまざまな要件に合わせて柔軟なバリデーションルールを作成することができます。
上記に加えて、以下の点にも注意する必要があります。
- ユーザーエクスペリエンスを考慮して、エラーメッセージを表示するタイミングを制御する。
- エラーメッセージが明確でわかりやすいことを確認する。
- 互いに矛盾するバリデーターを組み合わせないようにする。
この例では、ユーザ登録フォームを作成します。このフォームには、以下の入力フィールドが含まれます。
- 確認用パスワード
- パスワード
- メールアドレス
- 名前
フォームコンポーネント
import { Component, OnInit } from '@angular/core';
import { FormGroup, FormControl, Validators, AbstractControl, ValidationErrors } from '@angular/forms';
@Component({
selector: 'app-register-form',
templateUrl: './register-form.component.html',
styleUrls: ['./register-form.component.css']
})
export class RegisterFormComponent implements OnInit {
registerForm: FormGroup;
constructor() { }
ngOnInit(): void {
this.registerForm = new FormGroup({
name: new FormControl('', Validators.compose([
Validators.required,
Validators.minLength(3),
Validators.maxLength(20)
])),
email: new FormControl('', [Validators.required, Validators.email]),
password: new FormControl('', Validators.required),
confirmPassword: new FormControl('', Validators.required),
}, {
validators: [this.passwordMatchValidator]
});
}
passwordMatchValidator(control: AbstractControl): ValidationErrors | null {
const password = control.get('password').value;
const confirmPassword = control.get('confirmPassword').value;
if (password !== confirmPassword) {
return { passwordMismatch: true };
}
return null;
}
onSubmit() {
// フォームの値を処理する
console.log(this.registerForm.value);
}
}
テンプレート
<form [formGroup]="registerForm" (ngSubmit)="onSubmit()">
<div class="form-group">
<label for="name">名前</label>
<input type="text" class="form-control" id="name" formControlName="name">
</div>
<div class="form-group">
<label for="email">メールアドレス</label>
<input type="email" class="form-control" id="email" formControlName="email">
</div>
<div class="form-group">
<label for="password">パスワード</label>
<input type="password" class="form-control" id="password" formControlName="password">
</div>
<div class="form-group">
<label for="confirmPassword">確認用パスワード</label>
<input type="password" class="form-control" id="confirmPassword" formControlName="confirmPassword">
</div>
<button type="submit" class="btn btn-primary">登録</button>
</form>
説明
この例では、以下の点に注目してください。
(ngSubmit)
イベントを使用して、フォーム送信時の処理を定義しています。formGroup
ディレクティブを使用して、フォームをテンプレートにバインドしています。- テンプレートを使用して、フォームの HTML をレンダリングしています。
passwordMatchValidator
というカスタムバリデーター関数を作成して、パスワードと確認用パスワードが一致しているかどうかを確認しています。Validators.compose()
関数を使用して、name
入力フィールドに 3 つのバリデーターを適用しています。- 各入力フィールドは、
FormControl
インスタンスを使用して個別に作成されています。 registerForm
というFormGroup
インスタンスを使用して、フォームをモデル化しています。
この例は、Angular 2 で複数バリデーターを使用してフォーム入力のバリデーションを実装する方法を理解するための出発点となります。
この例に加えて、以下の機能を追加することができます。
- ダイナミックなフォームコントロール
- 非同期バリデーション
- エラーメッセージの表示
Angular 2 での複数バリデーション:代替アプローチ
Reactive Forms の AsyncValidatorFn と ValidatorFn
Reactive Forms では、AsyncValidatorFn
と ValidatorFn
関数を使用して、非同期および同期バリデーションをそれぞれ定義することができます。これらの関数は、FormControl
または FormGroup
インスタンスに渡すことができます。
import { AbstractControl, ValidationErrors, AsyncValidatorFn } from '@angular/forms';
function forbiddenEmailValidator(control: AbstractControl): Promise<ValidationErrors | null> {
return new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => {
if (control.value === '[email protected]') {
resolve({ forbiddenEmail: true });
} else {
resolve(null);
}
}, 1000);
});
}
const formGroup = new FormGroup({
email: new FormControl('', [Validators.required, Validators.email], forbiddenEmailValidator),
});
この例では、forbiddenEmailValidator
という非同期バリデーター関数を作成しています。この関数は、email
入力フィールドに [email protected]
という値が入力されていないことを確認します。
フォームビルダーを使用する
Angular Reactive Forms には、フォームビルダーと呼ばれる便利なツールが用意されています。フォームビルダーを使用して、フォームグループとフォームコントロールを簡単に作成し、バリデーションを定義することができます。
import { FormBuilder, Validators } from '@angular/forms';
const formBuilder = new FormBuilder();
const formGroup = formBuilder.group({
name: ['', [Validators.required, Validators.minLength(3)]],
email: ['', [Validators.required, Validators.email]],
password: ['', Validators.required],
confirmPassword: ['', Validators.required],
}, { validators: [passwordMatchValidator] });
この例では、フォームビルダーを使用して FormGroup
インスタンスを作成しています。フォームビルダーは、Validators
オブジェクトから組み込みのバリデーターを簡単に追加することができます。
カスタムバリデーションライブラリを使用する
Angular には、ng-zorro-antd
や ngx-validate
のような、フォームバリデーションを容易にするサードパーティ製のライブラリが多数存在します。これらのライブラリは、カスタムバリデーションロジックの実装を簡素化し、コードをより簡潔にすることができます。
RxJS を使用する
RxJS は、非同期処理を管理するためのReactive Extensionsライブラリです。RxJS を使用して、フォームバリデーションロジックをより複雑で反応的にすることができます。
import { Observable, combineLatest } from 'rxjs';
import { map, switchMap } from 'rxjs/operators';
import { AbstractControl, ValidationErrors } from '@angular/forms';
function uniqueUsernameValidator(control: AbstractControl): Observable<ValidationErrors | null> {
return control.valueChanges.pipe(
switchMap((username) => {
return this.userService.checkUsernameAvailability(username).pipe(
map((isAvailable) => {
if (!isAvailable) {
return { usernameTaken: true };
}
return null;
})
);
})
);
}
const formGroup = new FormGroup({
username: new FormControl('', [Validators.required], uniqueUsernameValidator),
});
この例では、uniqueUsernameValidator
という RxJS ベースのバリデーター関数を作成しています。この関数は、username
入力フィールドの値が既に使用されているかどうかを非同期に確認します。
Angular 2 で複数バリデーションを実装する方法はいくつかあります。それぞれの方法には、長所と短所があります。最適な方法は、特定の要件と開発者の好みによって異なります。
typescript angular